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第一部
5.クラスメイトの王子様②
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前世を思い出して初めての授業はなんだかとても疲れた。
「はぁっ…」
「随分疲れた顔してるね、大丈夫?」
私が溜息をもらしていると、ライズに見られてしまった。
恥ずかしくなって顔が僅かに赤くなる。
「大丈夫です、休み明けだったから少し疲れてしまっただけです…あはは」
「それなら良いけど、余り無理しないようにね」
「ライズ殿下は優しいんですね、私なんかの事を心配してくださるなんて…」
「一応クラスメイトだからね」
ライズは小さく笑った。
「ねえ、アリア嬢は課外活動は何かしてる?」
「課外活動…?」
突然言われたので私は首を傾げた。
「クラスの子が記者部に所属しているんだけど、最近何人か辞めてしまったみたいで人手不足みたいなんだ」
「記者部って何するんですか…?」
「学園で発行している新聞を作るのが主な仕事かな」
「あー…、廊下の掲示板に張り出されてる…あの新聞の事ですか?」
私が聞くと「そうだよ」とライズは答えた。
「良かったらアリア嬢も記者部に入ってみない?」
「え…?私なんか無理ですよ…記事とか書けないし…」
私は慌てて顔の前で手を横に振った。
「大丈夫だよ、記事を書くだけが仕事じゃないからね。写真を取ったり、あと話を聞きに行ったりとか…意外とやる事が多いんだよ」
「へぇ…なんだか面白そうですね」
話を聞いてるとなんだか面白そうでわくわくしてきた。
前世で言う部活動みたいな感じなのかな。
「やる気になってきた?…体験入部から可能だから良かったら考えて見て。ちなみに僕も最近入部させてもらったんだ」
「ライズ殿下が…?」
「人数が足りてないみたいで大変そうだったからね」
「優しいんですね…」
私が感激しながら言うとライズは「そんなことないよ」と謙遜した。
ライズと話してると、私の教室の入口の方に見慣れた顔が視界に入った。
そこに居たのはシレーネとローレンの姿だった。
「アリア、一緒に帰ろー…」
シレーネは私が見ているのに気づくと、手をゆるゆると振りながら私に笑顔を向けてくれた。
「私今日はこれからちょっと、用事があるから二人で帰って」
私はちらっとローレンを見た。
折角婚約者同士なんだし二人の時間を作ってあげないとね。
応援するって決めたし。
「そっかぁ…用事があるなら仕方ないね」
シレーネはしょんぼりと残念そうに言った。
「ごめんね、また今度一緒に帰ろう」
「うん、わかった。じゃあ、ローレン帰ろっかぁ…」
「………ローレン?」
「ああ、悪い。そうだな。それじゃあアリア、また明日」
「うん、またね!」
挨拶をするとシレーネとローレンは教室を出て行った。
ローレンはまたボーっと何かを考えてる様だった。
何か本当に悩みでもあるのかな。
「一緒に帰らなくて良かったの?」
「うん、あの二人婚約者同士なんです。だから少しは気を使ってあげないと…ね」
二人がいなくなったあとライズは扉の方を見ながら呟いた。
「そうなんだ…。だけど君は…それでいいの?」
「え…?」
「だってアリア嬢は…彼の事好きなんだよね?」
「……え…っと…気付いてました?」
突然言われて私は驚いてしまった。
まさかライズにも知られていたなんてびっくりした。
「大半の人は気付いてると思うよ、だって君…結構積極的だったから…」
「積極的…?私が…?」
そっか、小説の中の私は結構押し押しな感じだったっけ…。
すっかり忘れていた。
「私にとって二人は大事な幼馴染だから…幸せを願う事にしました」
「……君は強いな」
私は「そんなこと無いですよ」と笑った。
「はぁっ…」
「随分疲れた顔してるね、大丈夫?」
私が溜息をもらしていると、ライズに見られてしまった。
恥ずかしくなって顔が僅かに赤くなる。
「大丈夫です、休み明けだったから少し疲れてしまっただけです…あはは」
「それなら良いけど、余り無理しないようにね」
「ライズ殿下は優しいんですね、私なんかの事を心配してくださるなんて…」
「一応クラスメイトだからね」
ライズは小さく笑った。
「ねえ、アリア嬢は課外活動は何かしてる?」
「課外活動…?」
突然言われたので私は首を傾げた。
「クラスの子が記者部に所属しているんだけど、最近何人か辞めてしまったみたいで人手不足みたいなんだ」
「記者部って何するんですか…?」
「学園で発行している新聞を作るのが主な仕事かな」
「あー…、廊下の掲示板に張り出されてる…あの新聞の事ですか?」
私が聞くと「そうだよ」とライズは答えた。
「良かったらアリア嬢も記者部に入ってみない?」
「え…?私なんか無理ですよ…記事とか書けないし…」
私は慌てて顔の前で手を横に振った。
「大丈夫だよ、記事を書くだけが仕事じゃないからね。写真を取ったり、あと話を聞きに行ったりとか…意外とやる事が多いんだよ」
「へぇ…なんだか面白そうですね」
話を聞いてるとなんだか面白そうでわくわくしてきた。
前世で言う部活動みたいな感じなのかな。
「やる気になってきた?…体験入部から可能だから良かったら考えて見て。ちなみに僕も最近入部させてもらったんだ」
「ライズ殿下が…?」
「人数が足りてないみたいで大変そうだったからね」
「優しいんですね…」
私が感激しながら言うとライズは「そんなことないよ」と謙遜した。
ライズと話してると、私の教室の入口の方に見慣れた顔が視界に入った。
そこに居たのはシレーネとローレンの姿だった。
「アリア、一緒に帰ろー…」
シレーネは私が見ているのに気づくと、手をゆるゆると振りながら私に笑顔を向けてくれた。
「私今日はこれからちょっと、用事があるから二人で帰って」
私はちらっとローレンを見た。
折角婚約者同士なんだし二人の時間を作ってあげないとね。
応援するって決めたし。
「そっかぁ…用事があるなら仕方ないね」
シレーネはしょんぼりと残念そうに言った。
「ごめんね、また今度一緒に帰ろう」
「うん、わかった。じゃあ、ローレン帰ろっかぁ…」
「………ローレン?」
「ああ、悪い。そうだな。それじゃあアリア、また明日」
「うん、またね!」
挨拶をするとシレーネとローレンは教室を出て行った。
ローレンはまたボーっと何かを考えてる様だった。
何か本当に悩みでもあるのかな。
「一緒に帰らなくて良かったの?」
「うん、あの二人婚約者同士なんです。だから少しは気を使ってあげないと…ね」
二人がいなくなったあとライズは扉の方を見ながら呟いた。
「そうなんだ…。だけど君は…それでいいの?」
「え…?」
「だってアリア嬢は…彼の事好きなんだよね?」
「……え…っと…気付いてました?」
突然言われて私は驚いてしまった。
まさかライズにも知られていたなんてびっくりした。
「大半の人は気付いてると思うよ、だって君…結構積極的だったから…」
「積極的…?私が…?」
そっか、小説の中の私は結構押し押しな感じだったっけ…。
すっかり忘れていた。
「私にとって二人は大事な幼馴染だから…幸せを願う事にしました」
「……君は強いな」
私は「そんなこと無いですよ」と笑った。
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