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第83話 魔王バラモヌvsハナ
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宙を舞う巨大な岩が空中で分裂し、視界に入る魔物達に1つずつ真っすぐに落下していく・・・
鋼鉄姫の『がんせきおとし』の効果は絶大であった。
なにより、敵に当たった岩石も躱された岩石も地面にぶつかる前に消滅するのが幸いした。
落ちた岩石が邪魔で鋼鉄姫の視界を遮る事が無かったからである。
「あははははは!!!あーーはっはははははは!!!!」
無双、まさしくその言葉が相応しい光景であった。
押し寄せる魔物達に次々と鋼鉄姫の投げる岩石が降り注いでいく!
しかし、その光景も長くは続かなかった。
「ぐるぁああああああああああああ!!!!」
「残念、ここまでの様ですわね」
この『がんせきおとし』は非常に強力であるが勿論幾つかの欠点が存在する。
それはスキルとして取得した鋼鉄姫だからこそ知っている弱点。
このスキルで出現する岩石は無から生まれ、無へと返る・・・
ある意味岩石属性のブレス攻撃とも言えるのである。
となれば当然岩石属性に抵抗力や無力化する魔物も存在する。
徐々に迫る魔物達の様子を見た鋼鉄姫は踵を返し、隊列の方へ駈け出す!
さながら鐘の鳴る中を掛けるシンデレラの様に彼女は走る、その場に幾つかの落とし物を残して・・・
「ぐぁ?!」
逃げる鋼鉄姫を追い掛けようと岩石でダメージを受けていない魔物が走っていたが、鋼鉄姫の予想以上の逃げ足に追いつけずにいた。
それもその筈、鋼鉄姫のがんせきおとしで遠距離から岩石攻撃で倒れた魔物、それが鋼鉄姫以上のレベルを持っていたので鋼鉄姫のレベルが上がっていたのだ。
そして、その際に鋼鉄姫のレベルアップ時の『強欲』が発現し、鋼鉄姫は笑い続けていたのである!
だからこそ彼女の異様な雰囲気に加えとんでもない攻撃に魔物達はまず鋼鉄姫を標的とした。
これが最初の作戦、広範囲に広がって攻めて来られるよりも、集まった状態で攻めて来られる方が対処がしやすいのである!
そこに鋼鉄姫が逃げながら落とした幾つかのアイテム。
どう見ても知性のある生物であればそれが危険な罠であると考えるのが普通だろう・・・
結果・・・
「ぐぎぁあああああ!!!」
「ぶびゃーーー!!!」
「があぁぁぁ!!!」
密集した場所でそれを避けようという動きを見せた魔物が他の魔物にぶつかり、互いに互いを妨害する形で仲間割れを開始した。
実際には鋼鉄姫が落としたのは単なる薬草や破れたハンカチ等であったのだが、一瞬でも困惑させる事が目的だったのだ。
そして、その僅かな密集した状態で互いが邪魔になったところを目掛けて一斉に弓矢が降り注いだ!
更に・・・
「しんくうは!」
「はげしいいなずま!」
様々なスキルが逃げる鋼鉄姫の横を通過して追いかける敵に襲い掛かる!
これには岩石耐性がある魔物であってもダメージを受けるのは必須、遠距離から次々と魔物を撃破していくのであった・・・
「くだらん・・・実にくだらんな・・・」
そんな人類の猛攻を遥か上空から見下ろす魔物が居た。
妖女イシュダヌに入り込んだバラモヌである、通常であればその強大な存在力に気付く者もいるのであるが、雲よりも更に高い場所に居る事で感知されなくしていたのだ。
「魔物の体液を避ける為の遠距離攻撃で一方的な蹂躙か・・・だがそんな化石の様な古い戦法で我等魔族に勝てるとでも思っているのだとしたらおめでたいものだ」
そう呟くバラモヌは両手を大きく開き合図を送った。
それに気付いた空を飛ぶ魔物達がダーマン跡地の上空を目指して移動してくる・・・
これが昼間であれば影で誰かが気付く事もあったのだろう、だが時刻はまだ朝日が昇ってそれほど経過していない、必然的にそれに気付く者は居なかった・・・
「そら、プレゼントだ!」
そう言い、バラモヌは両手を振り下ろした!
それは爪から発生した不可視の斬撃、それが空中の魔物達に叩きこまれる!
無残にも上空で細切れにされた魔物達はそこで一斉に絶命する、だがお構いなしに次々と後から後から魔物達がやって来ては再びバラモヌの爪で細切れにされていく・・・
その結果・・・その大量の魔物達の体液が大雨の様にダーマン跡地に降り注ぐ・・・
そう、それが何を意味するのかは分かるだろう・・・
「えっ?あ、あめ?って・・・こ、これあぁぁ・・・」
髪や肩に水滴が落ちてきたと思った瞬間、突然の大雨がダーマン跡地で陣形を敷いていた者達に降り注ぐ。
それはオスとメスの魔物の体液が混ざり合った状態で・・・
「あ・・・なにか・・・胸が・・・っ!?あっ♡ あっ♡ あ”あ”あ”っ♡ い”っ♡」プシャァアア
突然胸が張り裂けそうな程高鳴り、全身を駆け巡る快感に思わず漏らす女兵士。
頭の中が理由も分からず蕩けそうな興奮に上を向いた時であった・・・
こくん・・・
降り注ぐそれが少しだけ開いた女兵士の口の中に入り、思わず飲み込んでしまった。
背筋に走る悪寒、込み上げる高揚感・・・
そして、それは連鎖するように何人もの女兵士達が同じ症状に陥っていく・・・
「あっ・・・ッ!はぁ・・・ぁ!」
「きた・・・ぁあ!」
「あは・・・はぁ・・・なにこれ・・・ぇ・・・効く・・・ぅう♡」
「あはぁ・・・あっあっ・・・あれ・・・あっ・・・」
ある者は立っていられず、ある者はペタンと座り込み、またある者は仰向けに倒れ込む。
その場にいる誰もが同じような症状に陥っていた。
気付いていれば振ってくるそれに対処する事も出来たかもしれない、だが現実はそうはならなかった・・・
「あぉお!?」
「おぉほ♡」
「イイ♡ひゅごい♡」
結果、誰もが発情し疼く体を自ら沈める為に自慰を始める始末・・・
ここは戦場、迫ってくるのは魔物の大群・・・
その光景を不敵な笑みで見下ろすバラモヌであったが・・・
「なっ?!」
物凄い速度で飛来した何かがバラモヌのすぐ横を通過した!
その時に翼が破壊されバラモヌはバランスを崩し落下を開始する・・・
その通り過ぎた何かの正体、それは・・・
少しだけ時は巻き戻る・・・
兵士長ソアラ、彼女とローザが共にスキル『ゲート』を使用し空間を繋げていた。
「ローザ様、ばっちりです」
ソアラが宣言と共に指をさす、その先はバラモヌの城と呼ばれる場所。
先程まで延々と溢れ出ていた魔物達が出尽くしたのか、今は1匹も魔物が出て来てはいなかった。
しかし、その代わりに城を守るかのように結界の様な物が城を覆っていた。
「ローザ様、本当に宜しいのですか?」
ローザに続いてゲートを通ってきたのはゼロである、そしてその後ろには・・・
「えぇ、貴方も作戦は聞いたでしょ?」
「はい・・・ですが・・・」
「それとも別の誰かにする?」
「い・・・いえ」
そんな会話が行われていた時、ローザは何かを察知しアリアハノ城の方を見た。
魔物達が一斉に向かった東、その方向から感じた気配に一瞬顔が険しくなる。
「じゃあ頼むわね」
「分かりました」
ローザが宣言し、ソアラが頷いて一人前に出る。
その視線の先はアリアハノのある東、そして覇気を込めてスキルを発動させる!
「スキル『スポットライト』発動!」
両手を広げローブが広がる、勿論その下は全裸である。
ゼロ達は背後に居るので見えていない、だが広げた腕が肩まで見えているので薄々気付かれているかもしれない。
その羞恥心を心地よく感じながらまるで朝日を真正面から全身に受けている様に光が収束していく・・・
そして・・・
「スキル『大ぼうぎょ』発動!」
全身を魔力の層が覆い、ソアラの受けるダメージが1割にまでカットされる。
その後ろでローザがソアラの体に補助魔法を使用した時であった。
「はぁああああああああああああああ!!!!」
キューン!ズドオオオオオオオオオオオオオン!!!!
気合と共にソアラが構えたその時であった。
物凄い速度で飛来したそれを真正面からソアラは受け止めた。
両足が衝撃で後ろに押され、地面に2本の道が生まれる。
その衝撃は凄まじく、周囲に衝撃波が生まれた!
「ははっ・・・流石ソアラ様です」
「シズさん・・・もう貴女の方が強いのですから様付けは止めて下さいよ」
ソアラが受け止めたそれはシズであった。
白い煙を全身から出しながら疑似魔王化を解くシズはチラリと自分が通過した方向を見て呟く・・・
「ハナ、待ってるからね・・・頼むわよ」
片方の翼が消し飛んだ魔王バラモヌはバランスを保とうと抗いながら落下していく・・・
だが、幸いな事にバラモヌの持つ特殊能力に『自動回復』と言う物があった。
これは10秒にHPが100も回復するのである、その為落下中にも関わらず消し飛んだ翼が10秒程で再生したのだ。
「あ・・・危なかった・・・なんなんだ今のは・・・」
「さっきの私のメイド仲間のシズよ」
「ん?な、お・・・お前は!?」
空中でバランスを立て直したバラモヌ、だがその正面に浮かぶ一人のメイドが居た。
戦闘用の服では無く、アリアハノ場内でユウキの世話をしていた初期の頃のメイド服である。
「どういうつもりだその恰好は?」
「これは私が初めてユウキと会った時に来ていた服・・・思い出の服よ」
「いや、そうではなく何故この私と対峙する時にそんな・・・」
「ハンデよ、今から貴方は地獄を見る事になるからせめてもの慈悲よ」
「ほぅ・・・」
目の前のハナが一体何を言っているのかは分からない、だがバラモヌはハナの肉体が自分が宿っている妖女イシュダヌよりもレベルが高い事を察していた。
だがそれでも相手はただの人間、まともに正面から戦えば勝てない相手ではないと考えていた。
「ところでさっきのシズが放った『とびひざげり』は痛かったのかしら?」
「・・・貴様・・・」
バラモヌは怒りを露わにしながらも驚愕していた、先程の目にも見えない速度で飛来した何かが人間の放つ格闘系スキル『とびひざげり』だったとはとても信じられなかったからである。
確かに『とびひざげり』は空を飛ぶ敵に対して大きなダメージを与えるスキルではある、だがすれ違いざまに掠っただけで自分のステータスまで加算されている妖女イシュダヌの翼を破壊できるとは思えなかったからである。
「人間如きが調子に乗るなぁー!」
そう叫ぶと共に魔王バラモヌの手から巨大な火炎玉が出現しハナに襲い掛かった!
だが、ハナはその場から動こうとせずに真正面から火炎玉の直撃を受ける!
壮絶な大爆発が空に起こり、爆風が周囲に広がる。
だが・・・
「まずは小手調べって事ですね、意外に慎重なのですね?」
両手をエプロンの前で合わせ、真っすぐに立ったままのハナがそこに居た。
確実に直撃した筈、なのに全く衣類に汚れ一つ付いていなかったのだ。
「ふ・・・ふざけるな!たかが人間の女の分際で―!!!」
続いて放たれたのは火炎玉ではなく直接ハナを中心に起こる大爆発!
爆裂系最強魔法『イオナズヌ』である!
再び空に巨大な大爆発が発生するが・・・
「う、うそだ・・・」
「うーん、まさかこの程度なんて事は無いですよね?もう一度チャンスを上げますからほらっ頑張って」
そう首を傾げ可愛く言い放つハナ、その態度に流石のバラモヌも怒りが頂点に達したのであろう・・・
ハナに対して攻撃を仕掛けた所で無駄だと判断したバラモヌは標的を変えた!
「貴様は確かに強い様だ・・・だが、下の奴等はお前にはどうする事も出来ないだろ!」
そう言い放ち終わると同時に、バラモヌの宿る妖女イシュダヌの口から激しい炎が吐き出された。
だが涼しい顔でそれを受けるハナ、だが次の瞬間バラモヌは地上へ向けてスキルを発動させた!
それは妖女イシュダヌが持つ特殊スキル『タトナヌハント』と呼ばれるスキル、これは状態異常に陥った相手に対して大ダメージを与える特殊なスキルである。
ハナも知らないバラモヌの特性『たまに2回攻撃』である!
巨大化した右手が地上に向かって振り下ろされ、スキル効果を得た斬撃が地上へと落下していく!
「ははははっ!死ね!」
先程の魔物の体液により魔物精液中毒に陥った人間がこれを受ければ高レベルで在ろうと死ぬ事すらもあるスキル、その理由は状態異常の者がこのスキル攻撃を受けると、肉体の免疫作用によるショックを起こす、つまりアナフィラキシーショックを狙う技だからである。
今なお地上では魔物が進行しており、魔物の体液中毒になった者がまともに戦えるわけも無く魔物に蹂躙されるのも時間の問題である。
そこにこのタトナヌハントで戦線が壊滅的打撃を受ければ勝敗は見えたも同然で在ろう。
後は目の前のハナという人間をどうにかすれば良いだけと考えていた。
だが・・・
「残念でしたね、貴方が何をしても無駄なのです」
やはり髪の毛の毛先すらも焼けた様子の無いハナがそこに浮かんでおり、そう言い放った。
そして、バラモヌは目を疑った。
「な・・・なん・・・だと・・・」
地上に居る人間には確かに魔物の体液を降らせ、先程中毒症状に陥ったのは確認した。
だが、その地上では迫る魔物を次々と遠距離撃破し続けていたのだ。
しかもバラモヌの放ったタトナヌハントもどうやったのか防がれていた。
そして、それに気付く・・・
「な・・・一体お前達人間は何を考えて・・・」
そう、それは戦線の後方・・・
陣を敷いていたユウキにレベリングされた女性達の後方に控えていた男性陣を見て目を丸くして驚いたのだ。
「んぱあっ♡ ふむんっ♡」
「あんっ あんすごいったすごいのぉ!」
「んっ♡ んっ♡ んんっ♡」
そこは酒池肉林と化していた。
最初から魔物の体液を浴びた者達が直ぐに行為に至れるように配置されていたのだ。
乱交、まさに乱交がそこで行われていた。
殆どの者がバックから女性に挿入し、開いてる口や手でしごかれ精液が飛びまくる!
膣内に、口内に、衣類に精液が次々と飛び出し誰と誰がという事も無く自由に性行為が行われていた。
バラモヌは知らなかったのだ、今や殆どの人間がスキル『浄化』を身に着けており、近くで性行為を行う事で魔物の精液中毒が解除されるという事を・・・
「いいよぉ♡ あん♡ もっと奥まで突いてぇ♡」
「んあ♡ ああ♡ あっきたぁ♡」
「お♡ おほぉ♡ おぉお♡」
その乱交現場にて行為を行っている者達は勿論これに関して了解済みである、男性陣も女性陣も人類の勝利の為SEXをする事を決めていたのだ!
「やぁ♡ らめぇ♡ きもちいいよぉ♡」
「一番きもちいとこあたってるぅ~♡」
「あ♡ 射精てるぅ・・・♡ 濃ゆいのいっぱい射精てるぅ♡」
青姦の大乱交、しかもそれが人類と魔族の最終決戦の真っ只中で行われているのである!
誰一人として迷いなんてものは持っていない、切っ掛けが降り注いだ魔物の体液だった事もあって全員が嬉々として行為に耽っていたのだ。
特に男性陣にとってはユウキのレベリングが発覚してから戦闘面で役に立つ機会が極端に減っていた。
その為、戦場で活躍する機会が非常に少なくなっていた所にこの話がローズから出た。
人類の為、魔物では無く女性と好きなだけSEX出来るという夢の様な状況、そして女性側もユウキのレベリングで性行為で得られる極上の快感には及ばないが、別の人と自由にSEX出来るという事実に興奮を覚える者が殆どであった。
「あっ♡ ンあ♡ はっ♡ あはぁ♡」
「きもちぃ♡ きて♡ 中にきてぇ♡」
「おほぉぉ♡♡ おっ♡ おぉ・・・っ♡♡」
既に浄化の効果で誰もが正常になっているのは間違いない、だがそれでも始まった大乱交は終わる事は無い。
女性陣の胃の中も、膣の中も、精液で溢れ返るのは時間の問題・・・
それが幸せで楽しくて気持ち良いのだと全員が考えて行為に耽っているのだ。
「んあ♡ あっ♡ あはぁ♡ イクっ♡ イっちゃう♡」
「あ”っ♡ あ”ぁ”♡」
「・・・ひあッ♡ あ”ぁーーーーッ♡」
そんな大乱交が行われているのを唖然と見ていたバラモヌ、それはバラモヌの本心では無くその肉体である妖女イシュダヌの反応であった。
AVを観て興奮するように肉体が勝手に発情してしまったのだ。
その結果、ハナから視線を反らすという大失態を犯してしまう。
そもそも魔王バラモヌ自体もこのハルヌゲドンにより、世界の終わりを理解していたのだ。
特異点である自身が殺されれば全てが終わり、逆に人類が死滅したとしても終わりとなる事を理解していた。
だからこそハナに手も足も出ない事実を認識した時点で半分諦め始めていたのである。
だが、バラモヌにとっての誤算はもう一つあった。
ときのすなにより時間が巻き戻った記憶が無い事で、自分が殺されたら世界が終わるという事を人類側が知っている事を知らなかったのである。
その結果・・・
「魔王バラモヌ!貴方の負けよ!」
「なにっ?!ど・・・どういっぐぇっ?!」
乱交に見入っていたバラモヌに届いたハナの言葉、視線をその方向に向けた瞬間それは来た。
バラモヌが見入っていた間に上に移動したハナがギリギリ目視出来る急速度で突っ込んできたのだ!
そのスキルの名は『突撃』上空からまっすぐに突撃し、敵1体を攻撃する技である。
背中からぶつかられたバラモヌはそのまま地上へ向かって真っすぐに落下していく・・・
その間、ハナの口が小さく何かを呟き物凄い回数、何かの魔法が使用されていた。
そして、ハナが真っすぐに向かったその先・・・
そこに居たのは・・・鋼鉄姫であった。
「ハナ様!」
そうハナの名を呼び、彼女が横へスッと移動する。
そして、真っすぐにハナはバラモヌを鋼鉄姫が立っていた後ろの荷台に叩きこんだ!
昨晩、ここに物資を運ぶのに使った馬車の荷台にである!
荷台の中にバラモヌが入ったのを確認した瞬間、ハナは念話を使用した。
「OKよ!」
『分かりました!』
何処かと通信が繋がり、返答があったと同時くらいに驚く事が起こった。
殺してはいけないバラモヌ、それを積んだ馬車が丸ごとその姿を消したのだ!
後に残るのはバラモヌごと消えた馬車に驚いて混乱する魔物達と、性行為を再開する人間・・・
一体バラモヌが何処へ消えたのか、全てはローズの作戦通りであった・・・
鋼鉄姫の『がんせきおとし』の効果は絶大であった。
なにより、敵に当たった岩石も躱された岩石も地面にぶつかる前に消滅するのが幸いした。
落ちた岩石が邪魔で鋼鉄姫の視界を遮る事が無かったからである。
「あははははは!!!あーーはっはははははは!!!!」
無双、まさしくその言葉が相応しい光景であった。
押し寄せる魔物達に次々と鋼鉄姫の投げる岩石が降り注いでいく!
しかし、その光景も長くは続かなかった。
「ぐるぁああああああああああああ!!!!」
「残念、ここまでの様ですわね」
この『がんせきおとし』は非常に強力であるが勿論幾つかの欠点が存在する。
それはスキルとして取得した鋼鉄姫だからこそ知っている弱点。
このスキルで出現する岩石は無から生まれ、無へと返る・・・
ある意味岩石属性のブレス攻撃とも言えるのである。
となれば当然岩石属性に抵抗力や無力化する魔物も存在する。
徐々に迫る魔物達の様子を見た鋼鉄姫は踵を返し、隊列の方へ駈け出す!
さながら鐘の鳴る中を掛けるシンデレラの様に彼女は走る、その場に幾つかの落とし物を残して・・・
「ぐぁ?!」
逃げる鋼鉄姫を追い掛けようと岩石でダメージを受けていない魔物が走っていたが、鋼鉄姫の予想以上の逃げ足に追いつけずにいた。
それもその筈、鋼鉄姫のがんせきおとしで遠距離から岩石攻撃で倒れた魔物、それが鋼鉄姫以上のレベルを持っていたので鋼鉄姫のレベルが上がっていたのだ。
そして、その際に鋼鉄姫のレベルアップ時の『強欲』が発現し、鋼鉄姫は笑い続けていたのである!
だからこそ彼女の異様な雰囲気に加えとんでもない攻撃に魔物達はまず鋼鉄姫を標的とした。
これが最初の作戦、広範囲に広がって攻めて来られるよりも、集まった状態で攻めて来られる方が対処がしやすいのである!
そこに鋼鉄姫が逃げながら落とした幾つかのアイテム。
どう見ても知性のある生物であればそれが危険な罠であると考えるのが普通だろう・・・
結果・・・
「ぐぎぁあああああ!!!」
「ぶびゃーーー!!!」
「があぁぁぁ!!!」
密集した場所でそれを避けようという動きを見せた魔物が他の魔物にぶつかり、互いに互いを妨害する形で仲間割れを開始した。
実際には鋼鉄姫が落としたのは単なる薬草や破れたハンカチ等であったのだが、一瞬でも困惑させる事が目的だったのだ。
そして、その僅かな密集した状態で互いが邪魔になったところを目掛けて一斉に弓矢が降り注いだ!
更に・・・
「しんくうは!」
「はげしいいなずま!」
様々なスキルが逃げる鋼鉄姫の横を通過して追いかける敵に襲い掛かる!
これには岩石耐性がある魔物であってもダメージを受けるのは必須、遠距離から次々と魔物を撃破していくのであった・・・
「くだらん・・・実にくだらんな・・・」
そんな人類の猛攻を遥か上空から見下ろす魔物が居た。
妖女イシュダヌに入り込んだバラモヌである、通常であればその強大な存在力に気付く者もいるのであるが、雲よりも更に高い場所に居る事で感知されなくしていたのだ。
「魔物の体液を避ける為の遠距離攻撃で一方的な蹂躙か・・・だがそんな化石の様な古い戦法で我等魔族に勝てるとでも思っているのだとしたらおめでたいものだ」
そう呟くバラモヌは両手を大きく開き合図を送った。
それに気付いた空を飛ぶ魔物達がダーマン跡地の上空を目指して移動してくる・・・
これが昼間であれば影で誰かが気付く事もあったのだろう、だが時刻はまだ朝日が昇ってそれほど経過していない、必然的にそれに気付く者は居なかった・・・
「そら、プレゼントだ!」
そう言い、バラモヌは両手を振り下ろした!
それは爪から発生した不可視の斬撃、それが空中の魔物達に叩きこまれる!
無残にも上空で細切れにされた魔物達はそこで一斉に絶命する、だがお構いなしに次々と後から後から魔物達がやって来ては再びバラモヌの爪で細切れにされていく・・・
その結果・・・その大量の魔物達の体液が大雨の様にダーマン跡地に降り注ぐ・・・
そう、それが何を意味するのかは分かるだろう・・・
「えっ?あ、あめ?って・・・こ、これあぁぁ・・・」
髪や肩に水滴が落ちてきたと思った瞬間、突然の大雨がダーマン跡地で陣形を敷いていた者達に降り注ぐ。
それはオスとメスの魔物の体液が混ざり合った状態で・・・
「あ・・・なにか・・・胸が・・・っ!?あっ♡ あっ♡ あ”あ”あ”っ♡ い”っ♡」プシャァアア
突然胸が張り裂けそうな程高鳴り、全身を駆け巡る快感に思わず漏らす女兵士。
頭の中が理由も分からず蕩けそうな興奮に上を向いた時であった・・・
こくん・・・
降り注ぐそれが少しだけ開いた女兵士の口の中に入り、思わず飲み込んでしまった。
背筋に走る悪寒、込み上げる高揚感・・・
そして、それは連鎖するように何人もの女兵士達が同じ症状に陥っていく・・・
「あっ・・・ッ!はぁ・・・ぁ!」
「きた・・・ぁあ!」
「あは・・・はぁ・・・なにこれ・・・ぇ・・・効く・・・ぅう♡」
「あはぁ・・・あっあっ・・・あれ・・・あっ・・・」
ある者は立っていられず、ある者はペタンと座り込み、またある者は仰向けに倒れ込む。
その場にいる誰もが同じような症状に陥っていた。
気付いていれば振ってくるそれに対処する事も出来たかもしれない、だが現実はそうはならなかった・・・
「あぉお!?」
「おぉほ♡」
「イイ♡ひゅごい♡」
結果、誰もが発情し疼く体を自ら沈める為に自慰を始める始末・・・
ここは戦場、迫ってくるのは魔物の大群・・・
その光景を不敵な笑みで見下ろすバラモヌであったが・・・
「なっ?!」
物凄い速度で飛来した何かがバラモヌのすぐ横を通過した!
その時に翼が破壊されバラモヌはバランスを崩し落下を開始する・・・
その通り過ぎた何かの正体、それは・・・
少しだけ時は巻き戻る・・・
兵士長ソアラ、彼女とローザが共にスキル『ゲート』を使用し空間を繋げていた。
「ローザ様、ばっちりです」
ソアラが宣言と共に指をさす、その先はバラモヌの城と呼ばれる場所。
先程まで延々と溢れ出ていた魔物達が出尽くしたのか、今は1匹も魔物が出て来てはいなかった。
しかし、その代わりに城を守るかのように結界の様な物が城を覆っていた。
「ローザ様、本当に宜しいのですか?」
ローザに続いてゲートを通ってきたのはゼロである、そしてその後ろには・・・
「えぇ、貴方も作戦は聞いたでしょ?」
「はい・・・ですが・・・」
「それとも別の誰かにする?」
「い・・・いえ」
そんな会話が行われていた時、ローザは何かを察知しアリアハノ城の方を見た。
魔物達が一斉に向かった東、その方向から感じた気配に一瞬顔が険しくなる。
「じゃあ頼むわね」
「分かりました」
ローザが宣言し、ソアラが頷いて一人前に出る。
その視線の先はアリアハノのある東、そして覇気を込めてスキルを発動させる!
「スキル『スポットライト』発動!」
両手を広げローブが広がる、勿論その下は全裸である。
ゼロ達は背後に居るので見えていない、だが広げた腕が肩まで見えているので薄々気付かれているかもしれない。
その羞恥心を心地よく感じながらまるで朝日を真正面から全身に受けている様に光が収束していく・・・
そして・・・
「スキル『大ぼうぎょ』発動!」
全身を魔力の層が覆い、ソアラの受けるダメージが1割にまでカットされる。
その後ろでローザがソアラの体に補助魔法を使用した時であった。
「はぁああああああああああああああ!!!!」
キューン!ズドオオオオオオオオオオオオオン!!!!
気合と共にソアラが構えたその時であった。
物凄い速度で飛来したそれを真正面からソアラは受け止めた。
両足が衝撃で後ろに押され、地面に2本の道が生まれる。
その衝撃は凄まじく、周囲に衝撃波が生まれた!
「ははっ・・・流石ソアラ様です」
「シズさん・・・もう貴女の方が強いのですから様付けは止めて下さいよ」
ソアラが受け止めたそれはシズであった。
白い煙を全身から出しながら疑似魔王化を解くシズはチラリと自分が通過した方向を見て呟く・・・
「ハナ、待ってるからね・・・頼むわよ」
片方の翼が消し飛んだ魔王バラモヌはバランスを保とうと抗いながら落下していく・・・
だが、幸いな事にバラモヌの持つ特殊能力に『自動回復』と言う物があった。
これは10秒にHPが100も回復するのである、その為落下中にも関わらず消し飛んだ翼が10秒程で再生したのだ。
「あ・・・危なかった・・・なんなんだ今のは・・・」
「さっきの私のメイド仲間のシズよ」
「ん?な、お・・・お前は!?」
空中でバランスを立て直したバラモヌ、だがその正面に浮かぶ一人のメイドが居た。
戦闘用の服では無く、アリアハノ場内でユウキの世話をしていた初期の頃のメイド服である。
「どういうつもりだその恰好は?」
「これは私が初めてユウキと会った時に来ていた服・・・思い出の服よ」
「いや、そうではなく何故この私と対峙する時にそんな・・・」
「ハンデよ、今から貴方は地獄を見る事になるからせめてもの慈悲よ」
「ほぅ・・・」
目の前のハナが一体何を言っているのかは分からない、だがバラモヌはハナの肉体が自分が宿っている妖女イシュダヌよりもレベルが高い事を察していた。
だがそれでも相手はただの人間、まともに正面から戦えば勝てない相手ではないと考えていた。
「ところでさっきのシズが放った『とびひざげり』は痛かったのかしら?」
「・・・貴様・・・」
バラモヌは怒りを露わにしながらも驚愕していた、先程の目にも見えない速度で飛来した何かが人間の放つ格闘系スキル『とびひざげり』だったとはとても信じられなかったからである。
確かに『とびひざげり』は空を飛ぶ敵に対して大きなダメージを与えるスキルではある、だがすれ違いざまに掠っただけで自分のステータスまで加算されている妖女イシュダヌの翼を破壊できるとは思えなかったからである。
「人間如きが調子に乗るなぁー!」
そう叫ぶと共に魔王バラモヌの手から巨大な火炎玉が出現しハナに襲い掛かった!
だが、ハナはその場から動こうとせずに真正面から火炎玉の直撃を受ける!
壮絶な大爆発が空に起こり、爆風が周囲に広がる。
だが・・・
「まずは小手調べって事ですね、意外に慎重なのですね?」
両手をエプロンの前で合わせ、真っすぐに立ったままのハナがそこに居た。
確実に直撃した筈、なのに全く衣類に汚れ一つ付いていなかったのだ。
「ふ・・・ふざけるな!たかが人間の女の分際で―!!!」
続いて放たれたのは火炎玉ではなく直接ハナを中心に起こる大爆発!
爆裂系最強魔法『イオナズヌ』である!
再び空に巨大な大爆発が発生するが・・・
「う、うそだ・・・」
「うーん、まさかこの程度なんて事は無いですよね?もう一度チャンスを上げますからほらっ頑張って」
そう首を傾げ可愛く言い放つハナ、その態度に流石のバラモヌも怒りが頂点に達したのであろう・・・
ハナに対して攻撃を仕掛けた所で無駄だと判断したバラモヌは標的を変えた!
「貴様は確かに強い様だ・・・だが、下の奴等はお前にはどうする事も出来ないだろ!」
そう言い放ち終わると同時に、バラモヌの宿る妖女イシュダヌの口から激しい炎が吐き出された。
だが涼しい顔でそれを受けるハナ、だが次の瞬間バラモヌは地上へ向けてスキルを発動させた!
それは妖女イシュダヌが持つ特殊スキル『タトナヌハント』と呼ばれるスキル、これは状態異常に陥った相手に対して大ダメージを与える特殊なスキルである。
ハナも知らないバラモヌの特性『たまに2回攻撃』である!
巨大化した右手が地上に向かって振り下ろされ、スキル効果を得た斬撃が地上へと落下していく!
「ははははっ!死ね!」
先程の魔物の体液により魔物精液中毒に陥った人間がこれを受ければ高レベルで在ろうと死ぬ事すらもあるスキル、その理由は状態異常の者がこのスキル攻撃を受けると、肉体の免疫作用によるショックを起こす、つまりアナフィラキシーショックを狙う技だからである。
今なお地上では魔物が進行しており、魔物の体液中毒になった者がまともに戦えるわけも無く魔物に蹂躙されるのも時間の問題である。
そこにこのタトナヌハントで戦線が壊滅的打撃を受ければ勝敗は見えたも同然で在ろう。
後は目の前のハナという人間をどうにかすれば良いだけと考えていた。
だが・・・
「残念でしたね、貴方が何をしても無駄なのです」
やはり髪の毛の毛先すらも焼けた様子の無いハナがそこに浮かんでおり、そう言い放った。
そして、バラモヌは目を疑った。
「な・・・なん・・・だと・・・」
地上に居る人間には確かに魔物の体液を降らせ、先程中毒症状に陥ったのは確認した。
だが、その地上では迫る魔物を次々と遠距離撃破し続けていたのだ。
しかもバラモヌの放ったタトナヌハントもどうやったのか防がれていた。
そして、それに気付く・・・
「な・・・一体お前達人間は何を考えて・・・」
そう、それは戦線の後方・・・
陣を敷いていたユウキにレベリングされた女性達の後方に控えていた男性陣を見て目を丸くして驚いたのだ。
「んぱあっ♡ ふむんっ♡」
「あんっ あんすごいったすごいのぉ!」
「んっ♡ んっ♡ んんっ♡」
そこは酒池肉林と化していた。
最初から魔物の体液を浴びた者達が直ぐに行為に至れるように配置されていたのだ。
乱交、まさに乱交がそこで行われていた。
殆どの者がバックから女性に挿入し、開いてる口や手でしごかれ精液が飛びまくる!
膣内に、口内に、衣類に精液が次々と飛び出し誰と誰がという事も無く自由に性行為が行われていた。
バラモヌは知らなかったのだ、今や殆どの人間がスキル『浄化』を身に着けており、近くで性行為を行う事で魔物の精液中毒が解除されるという事を・・・
「いいよぉ♡ あん♡ もっと奥まで突いてぇ♡」
「んあ♡ ああ♡ あっきたぁ♡」
「お♡ おほぉ♡ おぉお♡」
その乱交現場にて行為を行っている者達は勿論これに関して了解済みである、男性陣も女性陣も人類の勝利の為SEXをする事を決めていたのだ!
「やぁ♡ らめぇ♡ きもちいいよぉ♡」
「一番きもちいとこあたってるぅ~♡」
「あ♡ 射精てるぅ・・・♡ 濃ゆいのいっぱい射精てるぅ♡」
青姦の大乱交、しかもそれが人類と魔族の最終決戦の真っ只中で行われているのである!
誰一人として迷いなんてものは持っていない、切っ掛けが降り注いだ魔物の体液だった事もあって全員が嬉々として行為に耽っていたのだ。
特に男性陣にとってはユウキのレベリングが発覚してから戦闘面で役に立つ機会が極端に減っていた。
その為、戦場で活躍する機会が非常に少なくなっていた所にこの話がローズから出た。
人類の為、魔物では無く女性と好きなだけSEX出来るという夢の様な状況、そして女性側もユウキのレベリングで性行為で得られる極上の快感には及ばないが、別の人と自由にSEX出来るという事実に興奮を覚える者が殆どであった。
「あっ♡ ンあ♡ はっ♡ あはぁ♡」
「きもちぃ♡ きて♡ 中にきてぇ♡」
「おほぉぉ♡♡ おっ♡ おぉ・・・っ♡♡」
既に浄化の効果で誰もが正常になっているのは間違いない、だがそれでも始まった大乱交は終わる事は無い。
女性陣の胃の中も、膣の中も、精液で溢れ返るのは時間の問題・・・
それが幸せで楽しくて気持ち良いのだと全員が考えて行為に耽っているのだ。
「んあ♡ あっ♡ あはぁ♡ イクっ♡ イっちゃう♡」
「あ”っ♡ あ”ぁ”♡」
「・・・ひあッ♡ あ”ぁーーーーッ♡」
そんな大乱交が行われているのを唖然と見ていたバラモヌ、それはバラモヌの本心では無くその肉体である妖女イシュダヌの反応であった。
AVを観て興奮するように肉体が勝手に発情してしまったのだ。
その結果、ハナから視線を反らすという大失態を犯してしまう。
そもそも魔王バラモヌ自体もこのハルヌゲドンにより、世界の終わりを理解していたのだ。
特異点である自身が殺されれば全てが終わり、逆に人類が死滅したとしても終わりとなる事を理解していた。
だからこそハナに手も足も出ない事実を認識した時点で半分諦め始めていたのである。
だが、バラモヌにとっての誤算はもう一つあった。
ときのすなにより時間が巻き戻った記憶が無い事で、自分が殺されたら世界が終わるという事を人類側が知っている事を知らなかったのである。
その結果・・・
「魔王バラモヌ!貴方の負けよ!」
「なにっ?!ど・・・どういっぐぇっ?!」
乱交に見入っていたバラモヌに届いたハナの言葉、視線をその方向に向けた瞬間それは来た。
バラモヌが見入っていた間に上に移動したハナがギリギリ目視出来る急速度で突っ込んできたのだ!
そのスキルの名は『突撃』上空からまっすぐに突撃し、敵1体を攻撃する技である。
背中からぶつかられたバラモヌはそのまま地上へ向かって真っすぐに落下していく・・・
その間、ハナの口が小さく何かを呟き物凄い回数、何かの魔法が使用されていた。
そして、ハナが真っすぐに向かったその先・・・
そこに居たのは・・・鋼鉄姫であった。
「ハナ様!」
そうハナの名を呼び、彼女が横へスッと移動する。
そして、真っすぐにハナはバラモヌを鋼鉄姫が立っていた後ろの荷台に叩きこんだ!
昨晩、ここに物資を運ぶのに使った馬車の荷台にである!
荷台の中にバラモヌが入ったのを確認した瞬間、ハナは念話を使用した。
「OKよ!」
『分かりました!』
何処かと通信が繋がり、返答があったと同時くらいに驚く事が起こった。
殺してはいけないバラモヌ、それを積んだ馬車が丸ごとその姿を消したのだ!
後に残るのはバラモヌごと消えた馬車に驚いて混乱する魔物達と、性行為を再開する人間・・・
一体バラモヌが何処へ消えたのか、全てはローズの作戦通りであった・・・
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本当に、ありがとうございます。
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