異世界召喚されたユウキのスキルを知った女性達は今日も彼を愛する

昆布海胆

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第87話 ローザの知識の秘密と黒幕

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夏も終わりに近づき、少し気温が下がり始めた季節・・・

「うわぁ~最悪~」

小雨が降る中、セーラー服を着たシズはバス停小屋に飛び込んだ。
雨で濡れたシャツに下着が透けている状態で入ったそこには先客が一人・・・

「うわぁっご、ごめん・・・」
「キャアッ・・・ってユウキ先輩じゃないですか~」

恥ずかしそうに横を向いた青年はシズと同じ学校の先輩であるユウキ。
一瞬恥ずかしくて腕で体を隠したシズだったが、そこに居たのがユウキだと知ると嬉しそうに腕を降ろした。

「ちょ・・・ちょっとまってシズちゃん止っ・・・」
「だ~めですよ、もう見ちゃったんですから」

そう言ってその場で制服を脱ぎだすシズ・・・
下校時刻を大きく過ぎてから学校を出たシズは他に誰も来ないだろうと考えたのか、濡れた制服を設置されたイスに干していく・・・
横目でチラチラと自分の肌を見るユウキの視線にウズウズっとしているのか、嬉々として下着姿になったシズはユウキの横に座った。

「ねぇユウキ先輩~私・・・実は先輩の事が・・・」
「ちょっどこ触って?!」

甘えた感じでシズがユウキに体を寄せて耳元で囁く、それに合わせてシズの手がユウキの太ももを撫でだした。
ユウキにしてみれば気が気ではないのだろう、普段から積極的にアプローチをしてきていた後輩のシズがこんな大胆な行動に出るとは思いもしなかったのだから・・・

「ちょっシズちゃ・・・」
「しーっあんまり大きな声出さないでくださいっ」

そう言ってユウキの唇に人差し指を当ててブラのフロントホックを自ら外す。
顔を真っ赤にしたユウキは戸惑いながらも、今誰かが来たらどうしようかと焦りだすが・・・
そんなユウキの戸惑いにクスッと笑い、シズはユウキの肩に顔を乗せて耳元で告げる・・・

「次のバスまで1時間以上ありますし、この道を通る歩行者なんてこの時間になると全くいませんよ♡」

再び囁かれる甘い声・・・
偶然出会った筈なのにあまりにも用意周到な様子に、ユウキの疑いの眼差しが浮かび出す。
だが・・・

「いつの日か・・・先輩とこうして二人っきりになれたら決めてたんです」
「えっ?・・・なにを?」
「何って、言わないとわかりません?」

既にパンツ1枚だけになったシズはユウキの太ももの上に跨りその頬を両手を挟む。
そして正面でその目を見詰めながらシズは告げる・・・

「好きです先輩、もし私の気持ちに答えてくれるんでしたらキスして下さい」
「えっ・・・えぇっ?!」

焦って裏返った声が出る、それも仕方が無いだろう。
目の前には誰もが可愛いと言う後輩のシズが下着1枚の姿で自分に告白しているのだから。
そして、ユウキは気付く。

(ち・・・力つよっ?!)

両頬を挟んでいる両手の力で首を横に反らす事も出来ず、ユウキは覚悟を決めた。
元より自分に好意を持って接してきてくれていたのは知っていた。
だがそれは先輩と後輩のスキンシップとしてしかとらえていなかったのだ。
だからユウキはシズに中途半端な気持ちで交際するのは失礼だと考え、断ろうとしたのだが・・・

「ごめん、まだシズの事それ程知らな・・・」
「じゃあ今すぐ知って下さい!んっ♡」
「んんっ?!」

拒否は言わせない、そう訴えるかのようにシズの方からキスをした。
そして、気付けばシズの手はユウキの頬を離れズボンの中に侵入しており、ユウキのアソコを撫でていた。

「ちょっ?!」
「私の味知りました?それじゃあ私の感触もたっぷり味わって知って下さい♡」

そう言ってシズはズボンから出たユウキのペニスに自身の下半身を寄せる。
キスを止めて少し放し、また直ぐにシズの方からキスをする。
半分強姦の様なシズの積極的な行動にユウキは困惑の極み状態である。
片方の手がユウキの下半身に行っているので、顔を背けようとすれば簡単に出来るのだがユウキはそうしなかった。
そして・・・

「オホッ♡ 一気に奥まで挿れたら流石にキツイです・・・ね♡ んんッ♡」
「うわっ熱っ?!」

シズは自らパンツを横にずらし、座るユウキに抱き着く形で対面座位で挿入した。
しかも腰を引くことなく一気に根元まで挿入されたのだ。
突然の出来事に流されるままにユウキはシズに犯されたのだ。

「ってコンドームもなにもしてなっ・・・んぐっ」
「んっんっっ♡♡」

文句は言わせない、まるでそう言うかのようにシズは口を塞いでユウキと繋がる。
痛みは殆ど無く、快感と幸せが溢れ出るシズはユウキに少しでも密着しようとユウキのシャツをめくる。
触れる肌と肌、温かさが互いに感じられシズの乳首がユウキに押し付けられる。
気温も少し下がり始め、雨で冷えたシズの体はどんどん熱くなっていく・・・

「はっ♡あんっ♡ んんーっ♡」
「シズちゃん・・・俺も・・・もうっ」
「良いですよ~♡ ユウキ先輩このまま射精してぇっ♡ 熱いの膣内でっ!」

ぎゅうっと抱き着くシズ、その中でユウキのペニスが少し肥大化し、ビクンっと跳ねた!
それと共にシズの中でビクッビクッと痙攣を繰り返す・・・

「はっ♡ ああん♡  あ・・・はぁっ♡」
「ぅぁ・・・ぁ・・・中で・・・出ちゃった・・・」

キュっとシズのアソコが絞まりユウキのペニスから暖かい物がシズの中へ流れ込む。
甘い青春の一時・・・
だが、少ししてシズの表情が一変した。

「違う・・・」
「えっ?どうしたのシズちゃ・・・」
「貴方、ユウキさんじゃ無い・・・」

スッと立ち上がるシズ、あそこから垂れる精液も気にせずにシズは周囲を見回す。
今まで幾度もユウキと愛し合い中に射精された感覚がシズには分かるのだ、どれ程リアルに再現されたとしてもあれだけは他の何にも真似できない・・・だからこそシズは直ぐに気付いたのだ。
そして、気付けば今までSEXしていた筈のユウキの姿も何時の間にか消えており、全身を生暖かい何かが包み込んでいた。
そう・・・シズはこの感触に心当たりがあったのだ。

ぱぁんっ!

思いっ切り自らの頬を両手で叩くシズ、その衝撃によりシズの視界が揺らぐ・・・
















「なんてことだ・・・」
「そんな・・・」

ハッと目の前の光景を再認識したゼロとセリシアの悲痛の声が漏れる・・・
両腕を失ったデヌピサロ、魔力が無い筈のデヌピサロが放った魔法に驚いた3人は一度デヌピサロと距離を取った。
その時であった・・・
デヌピサロの口から薄っすらと紫色の付いた息が吐かれた。
その紫色の息はスゥっと空気に溶け直ぐに見えなくなっていったのだが、それは肉眼で確認できないだけでそこに在ったのだろう・・・
突然シズが、続いてローザとソアラもその場で突然意識を失って倒れたのだ。
幸いと言うべきか、スキル『浄化』が意図的に発動するアクティブスキルではなく、近くで誰からSEXしていたら自動で発動するパッシブスキルだったのが功を奏した。
全員の体の周りに浄化の作用で作られた結界の様な物はそのまま残っていたのだ。
だがそれが一瞬ぐにゃりと歪むのを見てセリシアが叫んだ!

「駄目っゼロ!」
「うぉっ?!」

急にしがみつく様にセリシアはアソコを締めて挿入しているゼロのペニスを刺激する。
そして、自ら腰を動かし始める。
緊張感の中、SEXに夢中になる訳でもなく危機的状況を認識した事でゼロの男性器が張りを失い始めていたのだ。
だがそれを復活させる為にセリシアは多少強引に自ら腰を振り出した。

「セ、セリシア・・・そんなに激しく動いたら・・・」
「私達がSEX止めたらみんなが・・・」
「そ、そうだな・・・」

そう、一瞬意識が飛んだゼロであるが自分がローザから任された任務はきっちりと遂行しないと人類の敗北が見える事を再認識した。
この空間に居る限り3人が戦うには自分が誰かとSEXをしていなければ『浄化』の効果が切れて汚染されてしまうのだ。
ゼロはすぐ目の前で座り込むように寝ている赤髪メイドの『浄化』の範囲に居るので今はまだ無事である、だがその効果が切れれば自分もどうなるか分からない。
魔物の体液に汚染された状態に直ぐにはならないとローザは言っていたが、人類の勝利の為にも自分はSEXを続けなければならないのである!

「だ、駄目だセリシア!刺激が強すぎて・・・イく・・・っ!」
「ふぁっふぁぁ♡」

駅弁スタイルのまま腰と腰が密着し、一番奥に注がれる精子・・・
幸い、互いに力強く抱きしめ合った事で駅弁スタイルからの落下は防げた。
密着したまま余韻に浸りたい気持ちが湧き上がるが・・・

「あ♡ す・・・ごイ♡」
「つ、続けるぞセリシア・・・」
「んふっ♡ おっ・・・くぅ♡ 深い所まで固いまま来てる♡♡」

そう、膣内射精したとしても『浄化』の効果を途切れさせない為にSEXは続けなければならないのだ。
それもあり無理の無いようローザからスローセックスをするようにと指示をされていたのだが・・・
予期せぬ射精で一瞬萎えそうに感じたゼロは再び腰を突き上げだした!

「あ”っ♡ あァン♡」
「ふっふっふっ!」

止めてはいけないという気持ちが先行しゼロの腰使いは普段通りになっていた。
そんな二人の行為を気にも止めずデヌピサロはゆっくりと2本の脚で歩き出す。
腕が無い為、倒れれば起き上がるのに苦労しそうだからなのか、その歩みは早くはなかった。
そして、そのデヌピサロの目的地は、眠りに陥ったシズの元である。
そう、全員を襲ったこの昏睡現象・・・
それはデヌピサロの口から出された『甘い息』の効果なのであった。
睡眠魔法に対する耐性はローザもソアラもシズも赤髪メイドも所持していたのだが、これは魔法では無かった為に防げなかったのだ。
唯一効果を受けなかったのは魔族であるセリシアだけであった。
ゼロはそのセリシアの中に挿入していた為に直ぐに回復する事が出来たのだ。

「くくく・・・この娘・・・やはり一目見た時から素質がある・・・魔王になる・・・な!」

そう言ってデヌピサロは意識の無いシズを大きな口を開いて咥えて持ち上げ・・・飲み込んだ。
一切の抵抗も無く、周囲を浄化の効果で守っているとは言え物理的な行動には対処できなかったのである。
噛まれる事なく丸呑みされた事でダメージは勿論無いが・・・

ゴキュリ・・・

喉を通過する生々しい音が響き、シズは意識の無いままデヌピサロの腹の中に入って行った・・・
しかし、以前とは違う事が一つだけある事を勿論デヌピサロは知らない。
それは・・・シズがデヌピサロに飲み込まれ魔王に一度なっている記憶が在るという事。
そして、魔王に変化させられなくても自ら疑似的に魔王になる事が出来るという事!

「んん”・・・ん”ん・・・」

シズは夢心地のまま丸呑みにされ、デヌピサロの体内でその存在を変化させられていく・・・
だが・・・

「んぁぁ♡・・・くっ・・・ここはまさか?!・・・そうは、させるかぁああああ!!!!!!!」

デヌピサロにとってのもう一つの誤算、それはシズが自ら『疑似魔王化』スキルを用いて別の存在に変わる事が出来るという事。
夢の世界でユウキの膣内射精が現実ではない事実を理解し自ら目覚める事が出来たのだ!
体内で本来は快感に身悶えしながら徐々に魔王として変化させられていく筈だったシズは目を覚まし、今現在自分が感じている快感が何なのか直ぐに理解し行動に移した。

『ぬぅっ!?な・・・なんだ?!』

体内で膨れ上がる魔力、そして感じるのは自身が作り変えた魔王ではなく全く別の存在の気配。
デヌピサロの体内でスキルを用いて疑似的に魔王になったシズは体の自由を取り戻す!
今の今まで見ていた夢を思い出し怒声を込めて雄たけびを上げる!
体内で何が起こっているのか分からず困惑する中、デヌピサロへとそれは放たれた。

「バスってなんじゃあ”あ”あ”あ”?!オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!!!!!!」

全身を駆け巡る快感を振り払うようにデヌピサロの体内でシズは叫んだ!
この世界には存在しないバス停、そこに到着するというバスと言うモノがどんな物なのか分からないままだった叫びも込められていた。
この世界に存在しない筈のバス、だがそれを夢の中で見たシズの叫びは真に力の籠もった雄たけびである!
それは、疑似魔王化でデヌピサロがシズを変化させたダーヌドレアムが会得していた特殊スキル『おぞましい雄たけび』であった。
効果は敵全体への『無属性規定ダメージ攻撃』である!
声が空気を振動させて届く様に、見えない斬撃が激しく荒れ狂う!
体内と言う狭い空間で放った事で自身の身体にもダメージが発生するが、シズは構う事無く叫び続けた!

『ぐぬっ?!ぐ・・・ぐはぁああ・・・ぐっぐがぁあああああああああああ!!!』

体内から食道を通ってデヌピサロの口と鼻と目と耳へシズのおぞましい雄たけび効果が響く!
五感を内部から破壊されるかの如く、とんでもない激痛がデヌピサロを襲う!
その効果で体内をずたずたにされ、更には時を同じくしてローザとセリシアも目を覚ました。
二人も勿論夢の中でユウキに膣内射精を受けて現実ではないと気付き目覚めたのだ。
その為、二人共欲求不満気味な表情を浮かべているが、全てが終わればまたユウキに抱いて貰えると気持ちを切り替えた!

「全く下手な幻覚見せられたわ・・・ユウキと野外SEXなんて・・・今度試したくなるじゃないの!」
「あら?真っ暗な個室でゆっくりと・・・ってのも良い物だったわよ?それより、これなら勝てそうだわ!」

ソアラの言葉に対して口を歪ませてデヌピサロの状況を見て笑うローザ、全ての状況は想定していた状況に落ち着いた。
もしも自分かソアラが飲み込まれて魔王化させられそうになった時は、ゼロに『ときの砂』を使わせて時間を巻き戻す作戦であったのだが、見事にデヌピサロが飲み込んだのはシズであった。
両腕を失い、殺すよりも誰かを飲み込んで仲間を増やそうとすると想定していたローザの作戦通りであった。
唯一想定外だった事と言えば・・・
防御スキルが効果を発揮しないデヌピサロの甘い息であろう、だが!

『も、もう一度眠らせて・・・』

そう口にしたデヌピサロであったがそれに気付く・・・
体内に居るシズが使用した『おぞましい雄たけび』効果で喉を著しく損傷し『甘い息』が吐けなくなっていたのだ。
予期せぬ体内からの防御不可能な攻撃を受けたデヌピサロは顔を恐怖で歪ませる・・・
それはそうであろう、メインの攻撃手段である両腕は既に失い、魔法を無理やり使用する為に変化したのだがローザ達はあまりにも強過ぎたのだ。

「終わりよデヌピサロ・・・永遠に眠りなさい!」
『ま、待て!我の体内のこいつがどうなっても・・・』

デヌピサロの言葉に一切耳を貸す気の無いローザはアイテムボックスから1本の杖を出現させる!
それを上に翳し、呪文を詠唱した!
すると直ぐに掲げたローザの杖から直径4メートルはありそうな巨大な火球が空中に出現し、詠唱と共にその大きさをどんどんと小さく圧縮していく・・・
止めさせようと攻撃を仕掛けたく考えるが、身動きを取ろうにも両腕を無くしたデヌピサロは動くに動けない、ローザだけでなくソアラも目を覚ましているからだ。
ローザのその巨大な火球のサイズが遂に拳サイズにまで小さくなったところでデヌピサロの腹の中に居るシズからの念話が届く!

『ローザ様!いきますよ!』
「えぇ、シズ・・・合わせるわよ!」

これはメラ●ーマではない、メ●だと言わんばかりに小さく圧縮された火球、ソフトボール程のサイズになった火球の周囲は灼熱の様で地面の土が僅かに溶け始めていた。
魔法は使用者の元を離れるまでは使用者とその仲間に対して効果を及ぼさないという副次効果もあるのだが、それでも視界が歪むほどの熱は高く、ローザとソアラに眩暈を引き起こしそうな程視界を歪ませていた。
そして、ローザは火球を出した杖を掲げたまま駈け出し、その前に飛び出した屈んだソアラの手に足を乗せ、それを蹴り高く高く飛び上がった!
デヌピサロの頭上に到達し、そこでローザは通過しながらキープしていた火球をデヌピサロの頭上に落とした!

「喰らいなさい!『メラグランデ!』」

最強の火炎魔法と最強の爆裂魔法の融合魔法!
しかもそれを超圧縮した火球がローザから放たれた!
それに合わせてデヌピサロの腹の中から雄たけびが収まると共にそれは聞こえた!

『グラヌドクロス!』

内部から攻撃を受けた事で一時的にとはいえ視力を失っていたデヌピサロは頭上に飛んだローザに気付かず、その位置取りを許してしまう・・・
魔物であろうが人間であろうが弱点とされている頭部、そこを破壊する為にローザが考えていた止めの一撃!
最も予定では前後から挟むつもりだったのだが・・・

「「これで・・・」」
「「終わりよ!」」

頭上と体内、二人の言葉が同時に放たれ、デヌピサロの頭部で上下から放たれた魔法が頭部を挟んでぶつかる!
上からは頭部を溶かし、下からは切り刻みながら互いに二つの魔法は接近し・・・

『ゴ・・・ゴンナハズハ・・・』

何かを言いたそうにしていたデヌピサロ、だが上からの極圧縮火炎爆裂魔法と下からの超真空斬撃魔法グランドクロスはその言葉を最後まで言わせる事なく、デヌピサロの頭部の中を通過し、ローザのスキル効果で二つの魔法がデヌピサロの顔面で融合する!
そこから発生した余りにも巨大な衝撃は音を吹き飛ばし弧を描く灼熱の球体が太陽の様な巨大な球体を一瞬生み出しデヌピサロの頭部を飲み込んだ!
そして、一瞬圧縮されたかと思った次の瞬間、それが炸裂する直前にローザが叫んだ!

「ソアラ!」
「はいっ!『だいぼうぎょ!』」

ローザの呼びかけに応じる様にソアラがスキルを発動させ再び両手を広げ、全裸の体をデヌピサロ向けて露わにする!
名前を呼んだだけでそれを理解したのは、流石兵士長と言う地位にまで登り詰めたソアラだからだろう。
全裸で無ければ決まっていたのは間違いない!
そして、スキルを発動したその理由は一つ!

「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

爆発する直前まで二人の融合魔法で、顔面を細切れに焼かれながら痙攣するデヌピサロの腹の中から怒声が聞こえる!
シズが内部から疑似魔王化で強化されたステータスを使った強烈な一撃を放っているのだ!
肉体だけでなく魂にまでダメージを通すその一撃はまさしく痛恨の一撃ならぬ、痛魂の一撃!
内部からの物凄い圧力によりデヌピサロの腹部が盛り上がり、裂けて突き破れた!
弾けるように中から飛び出したシズを正面からソアラが受け止める!

「やああああああああああああ!!!!」

後ろに居る真っ最中のゼロとセリシアにぶつからない様に真正面から受け止めたソアラ!
地面を両足の2本の道が抉り、後方に数メートル引きずられるがソアラは見事デヌピサロの内部から飛び出したシズを受け切ったのだ!
その直後・・・

「伏せて!」

ローザの叫びと共にデヌピサロの頭部で圧縮された魔法が弾け大爆発が起こる!
ゆっくりと向こう側へ降りるローザは魔法障壁を、シズとソアラはその場に抱き合ったままその場に伏せ・・・
ゼロはセリシアを守る為背中を向けて爆風を受け止める!
その衝撃でセリシアの中に2度目の射精が放たれるが、爆心地から距離があった上に、赤髪メイドが貼った障壁で二人に被害はそれほど大きくはなかった。
精々強く押された程度である、だがゼロはその刺激で達してしまったのだ。
Mと言う訳ではない、セリシアのアソコがキュッとしまったのとタイミングが合ってしまった故の事故である。

衝撃に続き爆発の音が波紋上に周囲に広がり視界が一気に隠れる!
全員が守りの姿勢の中、やがて爆発の余波が落ち着き、砂煙がゆっくりと散ってそれは姿を現した。

「勝った・・・の?」

ソアラの言葉が小さく呟かれる・・・
パラパラと砂利が降ってくる音が続く中、完全に頭部が破壊され、両腕を失い、中から突き破られた胴体と両足だけとなったデヌピサロが倒れる事無くそこに残っていた。
だが、生命反応が無いのかピクリとも動くことは無く、全く動く事の無いまま5秒程が経過する・・・

「どうやら終わったみたいね」

シズがそう口にし、フッと表情を緩め疑似魔王化を解く、それを見てソアラも赤髪メイドも構えていた力を抜いた。
彼女達は勝利した・・・そう思った時であった。
ローザの居る場所の更に奥から声が聞こえてきた。

「まさかこんな結末になるとはね・・・」

その声に全員が視線を送る。
誰もが知るその声の主・・・
その方向に居たのは・・・

「アリア姫様・・・いえ、アリア。やっと姿を現したわね」

この1週間、一切姿を見せる事が無かったアリア姫であった。
しかし、その登場に全く驚きの様子を見せないローザの言葉にピクリと眉を反応させるアリア姫。
一体今まで何処に居たのか、そして何故今ここに居るのか・・・
そんな疑問が一同に浮かぶがローザだけは落ち着いた様子で言葉を続ける。

「アリア、貴女の事・・・そして私達の事はもう全て分かっているわ」
「へぇ~じゃあこんな言葉遣いはもう必要ないわよね?」
「えぇ、バラモヌは殺す事無く無力化し、御覧の通り魔物を生み出すデヌピサロもこの有様よ」
「本当、全く驚かされたわ」

そう言いながらアリア姫はローザに含み笑いを見せその言葉を言い放つ。

「それにしても、貴方達の肉体の生みの親であるソレをこんなに痛めつけるなんて酷い子たちね」

その言葉にシズもソアラもゼロも驚愕の表情を浮かべる。
だが、その中でローザだけは冷静に続ける・・・

「それが何?」
「あら?薄々気付いていたのかしら?」
「えぇ・・・」
「そうよね?だって貴方達とソレから生まれる魔物の間に子供が出来るのだからね。ちょっと考えれば分かる話よね?」

クスクスと笑うアリア姫、思考が追い付かない一同は信じられないと言った表情のまま二人の会話をただ唖然と聞き続ける・・・
それはそうであろう、自分達が全てデヌピサロから生まれた生命だという事実、そして人間だと思っていた自分達が実は魔物と同じ生き物だったというのだから・・・
そう、この世界に存在する人間は全て人型の魔物だったという事をアリア姫は言い、ローザもそれを認めているのである。

「でもまぁ良いわ、だってそこまでは以前の貴女だって辿り着いた事がある事実だものね?」
「そうね・・・でもね、以前とは一つだけ違う事があるの・・・分かるかしら?」
「う~ん・・・どうかしら?次に活かしたいから教えて貰えるかしら?」

ローザは目をゆっくりと閉じて深く深呼吸をし、一呼吸置いてから一度閉じた目を開く。
何度も世界がリセットされる中でローザがこの事実に辿り着いたという事実をアリア姫は言っているのだが・・・
ローザの言葉に含まれる意味に気付きはしなかった・・・

「今回はアリアの思い通りにはいかないって事よ・・・」

そう冷めた目で告げたローザの言葉にケラケラと笑い出すアリア姫。
一体何が面白いのか、理解の及ばない外野を放置してアリアはローザに向き直し答える。

「もう大丈夫よ、だって遂に見つけたんですもの。私と同じ・・・「本当の人間」を・・・?!」

ローザがアリア姫の話に言葉を被せて口走った。
その言葉に今度はアリア姫の表情が凍り付く。
あり得ないという言葉がアリア姫の表情に浮かび、言葉を失うアリア姫。
やっと口から言葉が出ようとした時にローザが続けた。

「悪いけど、さっきも言った通り全て知っているのよ」
「そ・・・それでも貴方達にどうにか出来る訳・・・」
「何焦ってるの?そして、どうして私がここまで知っているのか分からないから困惑しているのでしょ?」

途中までは知ったかぶりをして情報を聞き出そうとしているとアリア姫は考えていたのだが、知る筈の無い事実に行き着いているローザの言葉にアリア姫の声が小さくなる・・・
そんなアリア姫に答えを伝える様にローザは言った。

「残念だけど、私・・・今までレベルアップで貯め続けていたAPを全てつぎ込んでスキルを獲得したの」

一体なんの?隠された世界の秘密を知るスキルなんてある訳が無い・・・
そう考えるアリア姫であるが、彼女も知らない一つの事実があった・・・
ユウキに膣内射精をされる事でレベルが上がり、ユウキが選んでいたスキルを女性は会得する事が出来る。
この時、レベルアップ時に本来得られるAPも勿論同時に女性は獲得していたのである。
ほとんどの者は各々好きなスキルを獲得していたのだが、ローザだけは自らスキルを獲得する事は無かった。
それはたった一つの疑問を解消する為・・・
ユウキのレベリングの事実を知った時にローザは長年の疑問を解消する為にそのスキル獲得を目指した。
そして、数日前・・・遂に念願のAPが貯まりそのスキルを会得したのである。

「私ね・・・ずっと疑問だったの・・・」

遠い目でそう告げるローザ、少し寂しそうな表情のまま言葉を続けた・・・

「どうしてこの世界にエルフは私一人しか居ないのか・・・私の両親は?私の故郷は?ぼんやりと記憶に残っている様な感覚だけがあるのだけど、全く分からなかった。それは長生きしているからなのだと私は考えていた・・・だから膨大なAPを消費してそれを知る為にそのスキルを会得したの」

悲しそうにそう告げたローザの金髪から覗くエルフ特有の長い耳。
それをスッと指で触ってローザは続けた。

「それがまさかこんな真実を知る事になるなんてね・・・」
「い、一体なんのスキルを・・・」
「まだ分からないの?アリアとトーマスでこの世界を作った時に貴方達が作ったスキルの事を忘れたの?」
「っ?!」

ローザの口から出たトーマスの言葉にアリア姫は驚きを隠せなかった。
トーマス・・・一体誰の事なのかと全員の視線がローザに集まる。
知る筈の無いその名を呼ばれアリア姫の手から何かが零れ落ちる・・・
だがお構いなしにローザはそのスキル名を告げた・・・

「スキル『おもいだす』よ」

おもいだす:文字通り思い出す事が出来るスキル・・・

「それのお陰で全てを私は知る事が出来たわ、勿論・・・私達を含めた全ての事をね・・・」

そう、バラモヌとの闘いに組み立てられた、見た事も無い筈のオーストの美術館に収められている貴重アイテム使用の件。
そして、様々な事を知っている事実・・・
それは、ローザがアリアとトーマスと呼ばれる者に作られたこの世界に来る前からの記憶を全て思い出したからこその知識。
だがアリア姫は何処までの知識を思い出しているのか理解してはいなかった・・・
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🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
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最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

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魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

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