転生聖女は、お金がお好き。

引きこもり令嬢

文字の大きさ
1 / 13

第一話 金好き聖女の爆誕

しおりを挟む
「てことはよ、俺、めっちゃ権威ある存在?」

召喚用の魔法陣の中で俺はニヤリと不敵に笑った。

「ええ。聖女様は、この国をお救いになる存在。ですから、この国の一番の権威をもちます」

召喚したであろう、謎の教会の召喚術師っぽい人たちに奉られながら、説明を聞く。

「ええと、この国は王様がいるのか?」

「はい」

「俺とどっちが偉い?」

この質問に、慌てたようにローブを着た彼らは戸惑ったように顔を見合わせた。

「権威は、まちがいなく聖女様にあります。ですが、実権となると...」

「そうか。てか、俺、女なんだな」

むにっと自分の胸をもんだ。やわらかい。でも、なんか、自分の手で触っているからか、そんなに感動しない。なんでだ。せっかく立派に実っているのに。

「えっと、聖女様」

慌てたように術師たちは俺の行動に目を見開いた。まぁ、あれだよな、客観的に見て、自分の胸をもんでる女とか、ちょっとヤバいよな。一旦、もむのはやめとこう。

「おまえたちは、で、なんで俺を召還した?」

「ご、ごほん。それはですね、この国が現在危機に瀕しているからです。災厄のふたが開き、イナゴの発生で食物が食い荒らされ、疫病は流行り、この国の民は飢えています。王も実質なにをしていいのかわからず...。そこで、伝説の魔法陣を読み解き、ここにご降臨していただきました。本当に術が成功するかもわからなかったので。無事にご降臨していただき、嬉しい限りです。なにとぞ、この国の危機をお救いくださいませ」

俺の胸から目をそらした術師は、とりつくろうようにペラペラと現状を説明した。

「なんだよ、この世界もつまり恐慌なのかよ...」

俺は恨めしそうにつぶやいた。ったく、貧しいことほど、碌なことがない。

「わかった。確かに貧しいのは良くない。全く持って、金はじゃんじゃん動いてる方がいい。どうにかしたいが、俺はこの世界について疎い。ひとまず、この国の世界について知ってからでもいいか?」

俺の言葉に、一も二もなく、術師たちも頷いた。だが、目線が妙にこちらに刺さる。その視線を追って、ようやく気付く。

「てか、俺、裸じゃね?」

ふむ、これだけの整ってる女の身体ってヤバい破壊力あるなぁ、と思わず見つめたが、この裸体は自分らしい。視界の位置的に。

「い、いま、お着替えを持ってきます。ひとまず、これをお使いください」

見とれていた様子の近くの術師がハッとしたように、自分のローブを差し出した。誰かが、慌てて服を取りに出ていく。

「おまえら、早く言えよ。そんなに見たかったのか」

術師たちに小馬鹿にしたように言ったが、彼らは顔を赤らめながら俯いた。まぁ、わからなくもねぇが、確かに最高の眺めだったことは俺も同意しよう。

「ここ、教会だろ? いいのか、それで」

「大変申し訳ありません、聖女様。でも、わたくしめども、みな、男ですので、その...」

ローブを差し出した男が気まずそうに顔をそっぽに向けたまま弁明した。

「まぁ、男はみないつでも盛っとるからな」

あっけらかんと俺は言い放ち、着替えのためにも、どこかしら部屋を案内するように言いつけた。








/***(人> □< ;)***/

すみません。
うっかり間違えて二話から投稿するという...やらかしました。
「なんで公開してないのにお気に入りがいるんだ!」って先ほどログインして、「うぉ、やらかしたらしい!」
(いや、お気に入りしてくれる人がいると思わなかったんで。ありがとうございます)
温かく見守ってください。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>

ラララキヲ
ファンタジー
 フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。  それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。  彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。  そしてフライアルド聖国の歴史は動く。  『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……  神「プンスコ(`3´)」 !!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!! ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇ちょっと【恋愛】もあるよ! ◇なろうにも上げてます。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

うるせえ私は聖職者だ!

頭フェアリータイプ
ファンタジー
ふとしたときに自分が聖女に断罪される悪役であると気がついた主人公は、、、

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

聖女じゃない私の奇跡

あんど もあ
ファンタジー
田舎の農家に生まれた平民のクレアは、少しだけ聖魔法が使える。あくまでもほんの少し。 だが、その魔法で蝗害を防いだ事から「聖女ではないか」と王都から調査が来ることに。 「私は聖女じゃありません!」と言っても聞いてもらえず…。

処理中です...