転生聖女は、お金がお好き。

引きこもり令嬢

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第十三話 聖女はジャイアンとなって、腹黒親父たちを殴りたい。

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明日から一度、これまでの話をきちんと順番になるように整理します。
毎日その場しのぎで書いてきましたが、なんとかレイン目線の3週目に繋がりそうな気がしてきました(;'∀')

*********************


「それは、教会の顔でですか?」その一言は、俺の中では大きかった。

この一言で、少なくとも今聖女である自分の地盤、教会を固めなければいけないとレインに気づかされた。

2週間目最後の日に、そこで、ポチに一体誰が教会の最終決定責任を負っているのか聞いてみたが、「大巫女様...あるいは幹部かと思われます」という、なんとも曖昧な返事だった。

追求してみたところ、大巫女様に聞いてみて判断を下されることもあるそうだが、大巫女様は普段隠遁生活をしているらしい。そのため、判断を行うのは彼女が全てではなく、幹部の判断で決まることがほとんどらしい。そして、驚いたことに、ポチもレインも、幹部であるという。幹部もけっこうお互いに好き勝手していて後付けで話を聞かされることも多いそうだ。それで部門によって意見の食い違いが出た場合は、話し合いを幹部同士で行い、折り合いをつけるのが決まるのが「よくあること」らしい。

ポチの専門は、術師として護衛を任されていただけあり、そして、教会の召喚術師の筆頭であったこともあり、魔法に関する知識、および実戦でのノウハウ、戦術などの軍事的な方面、それと教会の歴史に関しては、かなりマニアックであったりするらしい。そういったことに関しての責任は取っているという。

「教会が王国と対立しても、大丈夫だろうか?」

レインと同じ問いかけをしてみたところ、彼はしばし考え込んだ。

「わたくしとしては、政治の影響を大きく受けず、教会は神の遣いとして自立して存在できるように、魔法の研究には取り組んできたつもりです。籠城であれば、最大半年は持つだけの防御力・備蓄は誇っています。聖女様がいてくださるなら、それ以上も可能かもしれません。しかし、王国と対立するといくつか懸念があります」

「どんな懸念だ?」

「一つは、信徒が迫害されないか、そして迫害によって離脱してしまうものが出てこないか、という不安です。二つ目に、戦闘力はありません。耐えきるだけのシェルターはもっていますが、一応教会も武装集団と各国に思われないために、大型の武器の所持はしてきませんでした。そのため、こちらからの攻撃はあまりたいした火力はもちません。もちろん、魔法の研究も進んでいますので、応用すれば全くできないわけではないのですが...やはり国が備えている軍に比べますと、勝てるレベルではありませんね」

軍事力というのは、恐ろしいものであるが、同時に外交においてはなくてはならないものであったりする。

例えば、ドラえもんのスネ夫がいくら金で顔をはたいたとしても、ジャイアンが最強でありもし殴ると脅したらスネ夫も黙るしかない。下手をすれば、ジャイアンは暴力に物を言わせて、スネ夫から金でもなんでも巻き上げられる。

スネ夫は金を見せびらかす前に、その金で例えばビービーガンを買って自衛をし、ジャイアンに狙われないように努力した方が良いのだ。もし、スネ夫がそうした努力をしなかったら、のび太のようにいつでも巻き上げされる存在になる。もし、そんなスネ夫にお金を貸したら、巻き上げられてお金は返ってこないかもしれない。もし、スネ夫がジャイアンに脅されたら、情報を渡してしまうかもしれない。つまり、自衛ができないということは、金の管理ができない奴であり、約束を守れないかもしれず、「スネ夫は商売相手として信用できない奴」となりかねないのだ。

だから、自衛ができるというのは、商売人にとって信用の元手だったりする。だからといって、暴力で解決することを肯定するわけではないが。

「まぁ、できたら武装化できるように研究を変えてくれ。もし、俺自身から、魔法の研究者たちに説明が必要なら、呼んでほしい。説得しよう。それと、このオコメランド以外の国で、この教団と繋がりがある政府で、自分たちを国として認識してくれる国はあるか?」

「教団を国...?」

「教団じゃない。この国の教会と、その教会と縁深い地域をだ」

「...それは、どうなのでしょうね。国として役割を果たせるほど、機能が備わってはいない気がいたします」

「なるほど。この教会の信徒で、領土を納めている領主はいるか?」

「おります」

「なら、その領主と話す機会を議会で挨拶する前に、できるだけ早く設けたい」

もはや、俺のこうした突然の「あれをしたい、やりたい」と言われるのは慣れた様子だ。

「今日はもう遅いですし。お休みいたしましょう」



*********************



俺がサヤの新聞の読み上げに口を挟んだ。

「ふむ。教会の発行する新聞記事は、かなり国王に対して辛辣だし、かなり海外情勢にも詳しいな。一方で、この国内大手とされる新聞を複数見たが、だいぶ国王を礼賛している。なぜ、こんなにも見方が異なる?」

「新聞はどこも中立を謳ってはおりますが、そうは言っても、所詮はバックに誰かがいるかで決まります」

なるほどな。確かに、スポンサーがいないとメディアは成り立たない。まぁ、CNNあたりがどっかの国から寄付を大量に貰ってたとか、前の世界でもあった噂だし、珍しい話ではない。

「つまり、スポンサーだな。して、教会は誰に飯を食わせてもらっているんだ?」

「教徒です。世界各地におりますが、この国が発祥地であり、最大であり、聖地でございます。教徒には働き者が多く、自分の貯めた一部を布施を喜んでしてくれます。幾名かの教徒は、大きく事業を成功され、教団を支えてくれております」

「社畜だな」

俺はぼそりと言葉をもらす。まぁ、金を教会に渡すのが好きなら、それは人の自由だが。教会からも、一定の優遇されるのだろう。また、今度その点は掘ってみよう。そうしてスポンサーも、教会の地盤を固めているかもしれない。

「して、国内大手には『王族』であろうか。『華族』がスポンサーしている場合もあるのか? しかし、そうした買収が公にはされておるのか?」

「お察しの通り、王族の意向を新聞記事は反映します。というのも、昔、占領軍に指示された王族が一時発行内容が検分していた時代がございまして。この間に、多くの新聞が、自主検閲を始めました。今は、属国でもなく、独立していますが、今もなお、その当時の自主検閲の慣習は残っています」

「ふむ、なるほど」

あれか。GHQが日本を占領した時と似たようなもんだな。確か、あんときも自主検閲が起きたと聞くし、何十年たっても、占領国のアメリカ側からしたら、その名残は残っているらしかった。当の日本人は、その自主検閲後の内容が普通になって、つまり洗脳されていたらしく気づかなかった。まぁ、そんなアメリカの見解が出たのは、戦争が終わって百年してから明かされた話だが。とにかく、そういう偏向報道は、あってもおかしくはない。

そんな過去の世界の、どーでもいい政治ネタをあれこれとおっさん臭く思い返した。いやぁ、酒のつまみにそういう話をつまみに気が合う仲間と飲んでたなぁ。懐かしい。

「華族も一部は国外勢力と結託されているという噂です。つまり、敵の敵は味方、王族と反発しいるからこそ、国外勢力と敵は同じ『王族』ということです。国が滅びれば、自分たちの地位がどうなるのか、わかっているのかはわかりませんが」

「でも、そういう『外国勢力に取り込まれている』なんていう確たる証拠がないのだろ?」

「ええ。少なくとも、そういったことで逮捕された貴族はおりませんよ」

ですよねー、政治家なんて、そんな狸親父ばかりだ。俺も、最期の頃は、酒のヤケのみで腹がポンポコし始めてたな。オッサンだたなぁ。腹は黒くはなかったが。

「...して、国民は、それを見守るばかりで、抗う術がないのだな」

酒の飲みで愚痴をこぼすが、みんな結局、税務署やら金融庁やら警察が怖いのなんの。一体どういう容疑をぶち上げてくるかわかんないから、おかみの言うことにはなかなか逆らえないんだよな。わかるわかる。

「ところで、挨拶まで、そろそろ一週間を切りました。作戦を聞いてもよろしいでしょうか?」

作戦かぁ。作戦って言えるほどのものはないんだが。しかし、そうは言ってはいけないだろう。期待を裏切らないように、まぁ、なんとか話を創ろう。

「そうだな、この世界の常識がわからないから、俺だけでは詰められないな。相談に乗ってくれ」

「もちろん」

さぁ、レインの頭を借りて、ポンポコ腹黒貴族どもをぶちあげたいかな。お腹に一発、おっさんの頃の怒りも込めて、こちらの政治家にぶちこんでやりたい。あぁ、ジャイアンになりたいわぁ。大暴れしてやりたい。あいつらをのび太のようにいじめてやりたい。
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