26 / 34
番外編アリー 求婚
しおりを挟む
「アリー、夕食後にするお話は長くなるかもしれないの。だから遅くなったら私の部屋で一緒に寝ましょう。一旦着替えていらっしゃい」
お母様が一緒に寝てくださる!
幼い子供ではないのにウキウキしてしまいました。
急いで湯浴みを済ませ夜着に着替えてガウンを羽織、お母様の部屋に再び訪れると眠気覚ましの珈琲の準備がしてありました。
そんなに長いお話なのかしら?
「アリー、早かったわね。少し待ってね」
お母様はまだ湯浴みから出たばかりの様子でした。
ソファで先に珈琲を飲んでいたらガウンを着たお母様が私の横に座りました。
またお隣に座ってくださった。
「アリー、これから話す事は貴方にも関係してくる話なの。とりあえず全て聞いてから貴方の答えを教えてね」
お母様が話したお話は私の今後にも影響する話でした。
ラシュトニアがお祖父様とお母様を探していた事。
冤罪は晴れている事。
公爵位は剥奪されていない事、そして今は王家預かりになってる事。
スルベージュにラシュトニア王家の使いが来ている事。
「ラシュトニアの外務大臣のソルト侯爵と騎士団長のタリス伯爵が陛下の命でこちらにいらしてるの。
事情が許せるならお父様の後を継いで公爵家を存続して欲しいと言われたわ。
ここからラシュトニアはとても遠いの。なのに何ヶ月もかけて私の意向を聞きに来てくださったのよ。
私ね、ラシュトニアに帰ろうと思うの。
帰るならエージェストとは離縁するつもりよ。
ねぇアリー、学園を卒業したら私と一緒にラシュトニアへ行かない?」
お母様が真っ直ぐに私の目を見てお話して下さいました
それから立ち上がりサイドテーブルの引き出しからお手紙を取り出しました。それを私へ渡して誰からだろうと思っていたら存じ上げない方からでした。
「実はね。ラシュトニアの第二王子のアシュトリアム様から貴方に渡して欲しいと頼まれたの。今回こちらにも来られる予定なのだけど、先にタリスティアにご挨拶に行ってるのよ。それを読んでから考えてみて」
──────────────
「読まないの?」
二人は裕に寝られる大きめのベットで微睡んでいるとお母様に声をかけられました。
うっすらと目を開けて横を見るとこちらを不安そうな顔でお母様が見ていたの。
「一人でゆっくり読みたいなと思いまして」
「あっ、ああそうね。私ったら⋯配慮がなかったわね」
「いえ。読んだあとに障りがなければご報告しますね」
「わかったわ⋯⋯ありがとう。ゆっくり休んで」
「はい。おやすみなさいお母様」
「おやすみなさい。アリー」
数年ぶりにお母様と語り合って幸福感の中眠りに落ちました。
──────────────
次の日お母様のベットで目が覚めた私に今日はお母様はラシュトニアの方々とお会いするので出かけると仰いました。
学園をどうするのか聞かれたのでお手紙をゆっくり読みたくてお休みしますと答えると「わかったわ、夕食は一緒に取れる?」と言われました。
嬉しい今日もご一緒してくださるんだ。
自室に戻り着替えてから食堂に行くとお母様はもうお出かけされていました。
ラシュトニアに帰る決心をされてるので諸々する事があるのでしょう。
きっと忙しいのに私と夕食を取る為に早目に出発されたのかと思うと、また嬉しさが込み上げてきました。
簡単に朝食を済ませてサロンに移動しお茶を飲みながらお手紙を拝読しました。
そのお手紙は見たことのない紋で封蝋が押されていて遠いラシュトニアという国の距離を感じました。
薄っすらと柑橘系の匂いのするお手紙は丁寧な文字で綴られてアシュトリアム様の人柄が反映されているかのようで読み進めていくうちに自分の顔が真っ赤になるのがわかりました。
なんとアシュトリアム様は私がもしお母様と一緒にラシュトニアに来るのであれば自分を婿入りさせて欲しいと書いてあります。
そして率直に王家の失態の責任も理由の中には含まれると、ただそれだけではなく見知らぬ国に来る私を支えて行きたいと、出来れば愛し愛される夫婦になりたいと書いてくださっていました。
私は、私は、ずっと皆から嫌われて過ごしてきています。
アシュトリアム様は私とお会いしてお手紙の様な気持ちでいてくれるのでしょうか?
そして、私はオーランへの恋心を忘れる事が出来るのでしょうか
私は自信がありません
お母様が一緒に寝てくださる!
幼い子供ではないのにウキウキしてしまいました。
急いで湯浴みを済ませ夜着に着替えてガウンを羽織、お母様の部屋に再び訪れると眠気覚ましの珈琲の準備がしてありました。
そんなに長いお話なのかしら?
「アリー、早かったわね。少し待ってね」
お母様はまだ湯浴みから出たばかりの様子でした。
ソファで先に珈琲を飲んでいたらガウンを着たお母様が私の横に座りました。
またお隣に座ってくださった。
「アリー、これから話す事は貴方にも関係してくる話なの。とりあえず全て聞いてから貴方の答えを教えてね」
お母様が話したお話は私の今後にも影響する話でした。
ラシュトニアがお祖父様とお母様を探していた事。
冤罪は晴れている事。
公爵位は剥奪されていない事、そして今は王家預かりになってる事。
スルベージュにラシュトニア王家の使いが来ている事。
「ラシュトニアの外務大臣のソルト侯爵と騎士団長のタリス伯爵が陛下の命でこちらにいらしてるの。
事情が許せるならお父様の後を継いで公爵家を存続して欲しいと言われたわ。
ここからラシュトニアはとても遠いの。なのに何ヶ月もかけて私の意向を聞きに来てくださったのよ。
私ね、ラシュトニアに帰ろうと思うの。
帰るならエージェストとは離縁するつもりよ。
ねぇアリー、学園を卒業したら私と一緒にラシュトニアへ行かない?」
お母様が真っ直ぐに私の目を見てお話して下さいました
それから立ち上がりサイドテーブルの引き出しからお手紙を取り出しました。それを私へ渡して誰からだろうと思っていたら存じ上げない方からでした。
「実はね。ラシュトニアの第二王子のアシュトリアム様から貴方に渡して欲しいと頼まれたの。今回こちらにも来られる予定なのだけど、先にタリスティアにご挨拶に行ってるのよ。それを読んでから考えてみて」
──────────────
「読まないの?」
二人は裕に寝られる大きめのベットで微睡んでいるとお母様に声をかけられました。
うっすらと目を開けて横を見るとこちらを不安そうな顔でお母様が見ていたの。
「一人でゆっくり読みたいなと思いまして」
「あっ、ああそうね。私ったら⋯配慮がなかったわね」
「いえ。読んだあとに障りがなければご報告しますね」
「わかったわ⋯⋯ありがとう。ゆっくり休んで」
「はい。おやすみなさいお母様」
「おやすみなさい。アリー」
数年ぶりにお母様と語り合って幸福感の中眠りに落ちました。
──────────────
次の日お母様のベットで目が覚めた私に今日はお母様はラシュトニアの方々とお会いするので出かけると仰いました。
学園をどうするのか聞かれたのでお手紙をゆっくり読みたくてお休みしますと答えると「わかったわ、夕食は一緒に取れる?」と言われました。
嬉しい今日もご一緒してくださるんだ。
自室に戻り着替えてから食堂に行くとお母様はもうお出かけされていました。
ラシュトニアに帰る決心をされてるので諸々する事があるのでしょう。
きっと忙しいのに私と夕食を取る為に早目に出発されたのかと思うと、また嬉しさが込み上げてきました。
簡単に朝食を済ませてサロンに移動しお茶を飲みながらお手紙を拝読しました。
そのお手紙は見たことのない紋で封蝋が押されていて遠いラシュトニアという国の距離を感じました。
薄っすらと柑橘系の匂いのするお手紙は丁寧な文字で綴られてアシュトリアム様の人柄が反映されているかのようで読み進めていくうちに自分の顔が真っ赤になるのがわかりました。
なんとアシュトリアム様は私がもしお母様と一緒にラシュトニアに来るのであれば自分を婿入りさせて欲しいと書いてあります。
そして率直に王家の失態の責任も理由の中には含まれると、ただそれだけではなく見知らぬ国に来る私を支えて行きたいと、出来れば愛し愛される夫婦になりたいと書いてくださっていました。
私は、私は、ずっと皆から嫌われて過ごしてきています。
アシュトリアム様は私とお会いしてお手紙の様な気持ちでいてくれるのでしょうか?
そして、私はオーランへの恋心を忘れる事が出来るのでしょうか
私は自信がありません
560
あなたにおすすめの小説
【完結】この地獄のような楽園に祝福を
おもち。
恋愛
いらないわたしは、決して物語に出てくるようなお姫様にはなれない。
だって知っているから。わたしは生まれるべき存在ではなかったのだと……
「必ず迎えに来るよ」
そんなわたしに、唯一親切にしてくれた彼が紡いだ……たった一つの幸せな嘘。
でもその幸せな夢さえあれば、どんな辛い事にも耐えられると思ってた。
ねぇ、フィル……わたし貴方に会いたい。
フィル、貴方と共に生きたいの。
※子どもに手を上げる大人が出てきます。読まれる際はご注意下さい、無理な方はブラウザバックでお願いします。
※この作品は作者独自の設定が出てきますので何卒ご了承ください。
※本編+おまけ数話。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
【完結】望んだのは、私ではなくあなたです
灰銀猫
恋愛
婚約者が中々決まらなかったジゼルは父親らに地味な者同士ちょうどいいと言われ、同じ境遇のフィルマンと学園入学前に婚約した。
それから3年。成長期を経たフィルマンは背が伸びて好青年に育ち人気者になり、順調だと思えた二人の関係が変わってしまった。フィルマンに思う相手が出来たのだ。
その令嬢は三年前に伯爵家に引き取られた庶子で、物怖じしない可憐な姿は多くの令息を虜にした。その後令嬢は第二王子と恋仲になり、王子は婚約者に解消を願い出て、二人は真実の愛と持て囃される。
この二人の騒動は政略で婚約を結んだ者たちに大きな動揺を与えた。多感な時期もあって婚約を考え直したいと思う者が続出したのだ。
フィルマンもまた一人になって考えたいと言い出し、婚約の解消を望んでいるのだと思ったジゼルは白紙を提案。フィルマンはそれに二もなく同意して二人の関係は呆気なく終わりを告げた。
それから2年。ジゼルは結婚を諦め、第三王子妃付きの文官となっていた。そんな中、仕事で隣国に行っていたフィルマンが帰って来て、復縁を申し出るが……
ご都合主義の創作物ですので、広いお心でお読みください。
他サイトでも掲載しています。
【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
やり直し令嬢は本当にやり直す
お好み焼き
恋愛
やり直しにも色々あるものです。婚約者に若い令嬢に乗り換えられ婚約解消されてしまったので、本来なら婚約する前に時を巻き戻すことが出来ればそれが一番よかったのですけれど、そんな事は神ではないわたくしには不可能です。けれどわたくしの場合は、寿命は変えられないけど見た目年齢は変えられる不老のエルフの血を引いていたお陰で、本当にやり直すことができました。一方わたくしから若いご令嬢に乗り換えた元婚約者は……。
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる