41 / 54
捜索許可 sideセルト
しおりを挟む
「陛下お願いがあります」
俺は寝込んでいる父の枕元で懇願した。
父は薄っすらと目を開けて俺の後ろにいる宰相を見ているようだった。
「殿下お話ください、口が痺れていらっしゃるので話しは出来ませんが耳の方は聞こえていらっしゃいます」
「なっ!何故そんな状態を報告しないのだ!」
「⋯お解りかと存じますが」
宰相の言葉に俺は唇を噛み締めた、おそらく俺が城に戻った事でまたぞろ王太子派が動き出したと考えて箝口令を敷いたのだと想像した。
今回は⋯どっちだろう。
狙いが王家なのか、ミランダなのか。
「父上側妃の部屋を調べる許可をください」
俺達は城中を捜索して残りは側妃の棟5部屋に絞られた。
だがそこに入る権限は父上のみで、兄である王太子も父の許可が無いと入れない。
これは父である陛下が側妃を寵愛してるからではない。
彼女が何をするか解らないから制限をかけているだけだった。
だが此方は自由に行けないがあちらは来ようと思えば来れる手段は幾らでもあるのが今回は仇になったように思う。
そう思いながら宰相を見た。
彼はおそらく気付いていたのではないだろうか?
だが身内の事で手心を加える筈はこの男には無い、その辺は信用している。
おそらくもう父に内緒で側妃の部屋を秘密裏に捜索しているはずだ。
父の許可さえあれば踏み込める。
宰相を睨んだあと父を見ると父は頷いてくれた。
その頷きを見た瞬間宰相が手を上げた、同時に少しだけ空いていた扉の外から複数の足音が遠ざかったように聞こえた。
「もう見つけていたのか?」
「先程報告がありました」
「また事後報告か」
「私に報告義務があるのは陛下のみですので」
「今回は連座になってもよいのか」
「昔から覚悟はしております、父が叔母を側妃にあげた時点で」
「そうか、兄上は⋯助けたい」
「畏まりました」
俺と宰相は話しながら側妃の部屋に向けて小走りで急いだ。
俺達が着いたときには既に側妃一派は捕縛していたが、もう一人椅子に座って佇む女性が居た。
誰だと思って見ていたが侍女部屋から運び出されたミランダが目に入った。
「ミランダ!」
彼女は生気のない真っ白な顔色で目を閉じていた。最悪な事態を予想して近付き手を握り、心臓の音を確認するため彼女の胸に耳を充ててみた。
トク⋯⋯トクン⋯⋯⋯⋯⋯トク
一定はしていないが心音が確認されて思わず天を仰いだ、ありがとう生きていてくれた。
俺は直ぐにミランダの父であるスチュート伯爵に報せるようにと指示を出して、未確認の婦人の前に移動した。
「殿下此方は私で十分ですよ」
宰相の言葉に俺は首を振る。
「駄目だ!お前も解ってるだろう」
「解りました」
そう言って彼は騎士に手を出していた、宰相が拘束されたのを確認して俺は皆を牢に入れるように指示を出した。
身元の確認できない女はある可能性を考えて貴族牢に入れるように伝えた。
そんな中、部屋の捜索をしていた騎士が俺の元に蝋をいくつか持ってきた。
「これは?」
「先程捕縛した侍女がこれを使ったと供述していたので」
それを持って俺は医務室へと急いだ。
俺は寝込んでいる父の枕元で懇願した。
父は薄っすらと目を開けて俺の後ろにいる宰相を見ているようだった。
「殿下お話ください、口が痺れていらっしゃるので話しは出来ませんが耳の方は聞こえていらっしゃいます」
「なっ!何故そんな状態を報告しないのだ!」
「⋯お解りかと存じますが」
宰相の言葉に俺は唇を噛み締めた、おそらく俺が城に戻った事でまたぞろ王太子派が動き出したと考えて箝口令を敷いたのだと想像した。
今回は⋯どっちだろう。
狙いが王家なのか、ミランダなのか。
「父上側妃の部屋を調べる許可をください」
俺達は城中を捜索して残りは側妃の棟5部屋に絞られた。
だがそこに入る権限は父上のみで、兄である王太子も父の許可が無いと入れない。
これは父である陛下が側妃を寵愛してるからではない。
彼女が何をするか解らないから制限をかけているだけだった。
だが此方は自由に行けないがあちらは来ようと思えば来れる手段は幾らでもあるのが今回は仇になったように思う。
そう思いながら宰相を見た。
彼はおそらく気付いていたのではないだろうか?
だが身内の事で手心を加える筈はこの男には無い、その辺は信用している。
おそらくもう父に内緒で側妃の部屋を秘密裏に捜索しているはずだ。
父の許可さえあれば踏み込める。
宰相を睨んだあと父を見ると父は頷いてくれた。
その頷きを見た瞬間宰相が手を上げた、同時に少しだけ空いていた扉の外から複数の足音が遠ざかったように聞こえた。
「もう見つけていたのか?」
「先程報告がありました」
「また事後報告か」
「私に報告義務があるのは陛下のみですので」
「今回は連座になってもよいのか」
「昔から覚悟はしております、父が叔母を側妃にあげた時点で」
「そうか、兄上は⋯助けたい」
「畏まりました」
俺と宰相は話しながら側妃の部屋に向けて小走りで急いだ。
俺達が着いたときには既に側妃一派は捕縛していたが、もう一人椅子に座って佇む女性が居た。
誰だと思って見ていたが侍女部屋から運び出されたミランダが目に入った。
「ミランダ!」
彼女は生気のない真っ白な顔色で目を閉じていた。最悪な事態を予想して近付き手を握り、心臓の音を確認するため彼女の胸に耳を充ててみた。
トク⋯⋯トクン⋯⋯⋯⋯⋯トク
一定はしていないが心音が確認されて思わず天を仰いだ、ありがとう生きていてくれた。
俺は直ぐにミランダの父であるスチュート伯爵に報せるようにと指示を出して、未確認の婦人の前に移動した。
「殿下此方は私で十分ですよ」
宰相の言葉に俺は首を振る。
「駄目だ!お前も解ってるだろう」
「解りました」
そう言って彼は騎士に手を出していた、宰相が拘束されたのを確認して俺は皆を牢に入れるように指示を出した。
身元の確認できない女はある可能性を考えて貴族牢に入れるように伝えた。
そんな中、部屋の捜索をしていた騎士が俺の元に蝋をいくつか持ってきた。
「これは?」
「先程捕縛した侍女がこれを使ったと供述していたので」
それを持って俺は医務室へと急いだ。
235
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。
旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。
クロユキ
恋愛
「君には悪いけど、彼女が身籠る間の妻でいて欲しい」
平民育ちのセリーヌは母親と二人で住んでいた。
セリーヌは、毎日花売りをしていた…そんなセリーヌの前に毎日花を買う一人の貴族の男性がセリーヌに求婚した。
結婚後の初夜には夫は部屋には来なかった…屋敷内に夫はいるがセリーヌは会えないまま数日が経っていた。
夫から呼び出されたセリーヌは式を上げて久しぶりに夫の顔を見たが隣には知らない女性が一緒にいた。
セリーヌは、この時初めて夫から聞かされた。
夫には愛人がいた。
愛人が身籠ればセリーヌは離婚を言い渡される…
誤字脱字があります。更新が不定期ですが読んで貰えましたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる