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15 幽閉されていた理由
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地下帝国の壁は、ミシェルフォンが目にした場所は全てクリーム色の乾いた土で出来ていた。
通路も、ミシェルフォンに用意された部屋も、そしてこの部屋も、だからなのか、薄暗さをまるで感じさせなくて、話の重さに反比例してチグハグな不思議な気持ちをミシェルフォンは感じていた。
目の前で自身の事を淡々と話すアレンディオからは、辛そうな印象を受けなかった。それも不思議に思えて、その話が現の事なのか?とミシェルフォンは、まだ夢の中にいる気持ちで話に耳を傾けていた。
(夢ならいいのに)
きっとミシェルフォンの身に起きた事も、その印象を持った理由なのかもしれなかった。
そんな夢現で聞いているミシェルフォンをアレンディオは次の言葉で現実に戻した。
「俺の体はね、大きな無限の魔石なのだよ」
「えっ?」
ミシェルフォンは伏せていた睫毛を開いてアレンディオを見つめた。
そして自分は、きちんと彼の話に向き合ってなかったのだと気付かされた。
「ごめんなさい」
「いや、無理もない。君の瞳に今日焼き付いた事は簡単には飲み込めないだろう。それでも聞いてもらわなければならないんだ。悪いがしっかりと聞いてほしい」
「はい」
「君のその片耳のピアスと俺のピアス。対の魔導具だと君は気づいていたかな?」
「⋯⋯⋯いえ、えっ?魔導具なのですか?」
「あぁ通信の魔導具だ。そのピアスで俺と君は繋がっているんだ。それが俺達が⋯特に君が狙われていた理由だよ」
「ごめんなさい、その⋯まだよくわからないわ。どうして?これ外れないの」
「体に埋め込まれているんだ。外れないよ耳を削ぎ落とさない限り」
「⋯⋯ひっ!」
アレンディオの言葉にミシェルフォンは恐怖を感じて、思わず口元を押さえ小さな悲鳴を上げた。
「あの国はね、魔導具で成り立っている国なんだ。だがその魔導具に注ぐ魔力を充分に持ち合わせてもいない国だった。それを誘拐や略奪色々な犯罪を国が行って治めている。魔石には量が決められているだろう?」
ミシェルフォンがその問いに頷くと、アレンディオは乾いた薄ら笑いを泣きそうな顔で浮かべた。
「一番高価な魔石でも国全体には行き渡らなかった。そして魔石には無理をさせると寿命が早くなるという不便さもあったんだ。それをあの国は俺で補う事を思いついた。そしてさっき言った雨を降らせる魔導具に俺を体毎埋めたんだよ」
「⋯⋯⋯」
その話を聞いたミシェルフォンは勿論だが、周りにいた男達も俯いて拳を握りしめていた。
そういえばこの方達は誰なんだろう?一緒にミシェルフォンを助けに来てくれたから、味方なのだという事は分かっても紹介を受けて居なかった。
それにしても魔導具に人間を埋め込むなんて、とんでも無い事を国家がやるなんて、どれ程の暴挙を犯しているのかとミシェルフォンは彼らの震える拳を見ながら、自分の中にも怒りが増されて行くのが分かった、体中の血が熱を持つように感じる。
「だが、俺は魔石だから魔力はない。わかるよね?俺を埋め込んでも魔力を俺に注がないと俺すらも意味がないんだよ」
「まさか⋯。」
「あぁそのまさかだよ。俺に注ぐ魔力は君の魔力を利用していたんだ。カイラッサ王国の繁栄は俺と君の体で成り立っていた」
信じられない話だったがミシェルフォンには漸く合点がいった。
ルコッタはミシェルフォンの魔力は無尽蔵だと母から知らされていた、それなのに実際に叔父の家で初めて魔石に魔力を注いだ時、ミシェルフォンは魔力切れを起こしかけ倒れたのだ。
きっと常に彼に魔力が送られていてその量は途轍もなく多く、ミシェルフォンが使用する程にはなかったのかもしれない。皆が無尽蔵にあると思われたミシェルフォンの魔力にも本当は限界があって、それを使用しないように父であるトラウスマ国王は、ミシェルフォンを幽閉したのだと彼女は理解した。
『魔力をお金に変える』母はそれを反対して父に処刑されたとルコッタは言っていた。
カイラッサ王国もトラウスマ王国も非道すぎる。
ミシェルフォンは叔父達の敵を知った。
だがここで疑問が湧いた
ではどうして2年前、金のなる木だったミシェルフォンをトラウスマ王国は手放すことにしたのだろうか?あんな冤罪をミシェルフォンになすりつけてまで。
それが解せなかった。
そこにもきっとカラクリがあるのかもしれないがミシェルフォンには検討がつかなかった。
自分はあまりにも知らなすぎるのだと情けなくなった。
もっと色んな事を知っていたら叔父達の世話にはきっとならなかっただろうと、そうしたら彼等は死ぬ事はなかったのだとミシェルフォンは、再び後悔に押しつぶされそうになった。
「ミシェルフォン、君のせいじゃないよ」
アレンディオの優しい口調に、俯いていたミシェルフォンは顔を上げた。彼はまたもや泣きそうな顔をしている。
「ごめんね、君が狙われたのは俺があの国から逃げたからなんだ」
「えっ?どういう事ですか?」
「君と俺はこのピアスで繋がっているから、君は俺を誘き寄せる人質と成り得るんだ。俺もそれを知ったのは、君がトラウスマ王国を追放になったと最近情報が入ってからだった。知っていたらもっと早くに君の前に現れて保護していた。魔力が流れてきていたから生きている事は知っていたし、魔力を探れば場所の特定も出来ていたのだから」
アレンディオのその言葉で、何度も彼が言っていた『自分を恨む』とは、その事かとミシェルフォンは思い至った。
通路も、ミシェルフォンに用意された部屋も、そしてこの部屋も、だからなのか、薄暗さをまるで感じさせなくて、話の重さに反比例してチグハグな不思議な気持ちをミシェルフォンは感じていた。
目の前で自身の事を淡々と話すアレンディオからは、辛そうな印象を受けなかった。それも不思議に思えて、その話が現の事なのか?とミシェルフォンは、まだ夢の中にいる気持ちで話に耳を傾けていた。
(夢ならいいのに)
きっとミシェルフォンの身に起きた事も、その印象を持った理由なのかもしれなかった。
そんな夢現で聞いているミシェルフォンをアレンディオは次の言葉で現実に戻した。
「俺の体はね、大きな無限の魔石なのだよ」
「えっ?」
ミシェルフォンは伏せていた睫毛を開いてアレンディオを見つめた。
そして自分は、きちんと彼の話に向き合ってなかったのだと気付かされた。
「ごめんなさい」
「いや、無理もない。君の瞳に今日焼き付いた事は簡単には飲み込めないだろう。それでも聞いてもらわなければならないんだ。悪いがしっかりと聞いてほしい」
「はい」
「君のその片耳のピアスと俺のピアス。対の魔導具だと君は気づいていたかな?」
「⋯⋯⋯いえ、えっ?魔導具なのですか?」
「あぁ通信の魔導具だ。そのピアスで俺と君は繋がっているんだ。それが俺達が⋯特に君が狙われていた理由だよ」
「ごめんなさい、その⋯まだよくわからないわ。どうして?これ外れないの」
「体に埋め込まれているんだ。外れないよ耳を削ぎ落とさない限り」
「⋯⋯ひっ!」
アレンディオの言葉にミシェルフォンは恐怖を感じて、思わず口元を押さえ小さな悲鳴を上げた。
「あの国はね、魔導具で成り立っている国なんだ。だがその魔導具に注ぐ魔力を充分に持ち合わせてもいない国だった。それを誘拐や略奪色々な犯罪を国が行って治めている。魔石には量が決められているだろう?」
ミシェルフォンがその問いに頷くと、アレンディオは乾いた薄ら笑いを泣きそうな顔で浮かべた。
「一番高価な魔石でも国全体には行き渡らなかった。そして魔石には無理をさせると寿命が早くなるという不便さもあったんだ。それをあの国は俺で補う事を思いついた。そしてさっき言った雨を降らせる魔導具に俺を体毎埋めたんだよ」
「⋯⋯⋯」
その話を聞いたミシェルフォンは勿論だが、周りにいた男達も俯いて拳を握りしめていた。
そういえばこの方達は誰なんだろう?一緒にミシェルフォンを助けに来てくれたから、味方なのだという事は分かっても紹介を受けて居なかった。
それにしても魔導具に人間を埋め込むなんて、とんでも無い事を国家がやるなんて、どれ程の暴挙を犯しているのかとミシェルフォンは彼らの震える拳を見ながら、自分の中にも怒りが増されて行くのが分かった、体中の血が熱を持つように感じる。
「だが、俺は魔石だから魔力はない。わかるよね?俺を埋め込んでも魔力を俺に注がないと俺すらも意味がないんだよ」
「まさか⋯。」
「あぁそのまさかだよ。俺に注ぐ魔力は君の魔力を利用していたんだ。カイラッサ王国の繁栄は俺と君の体で成り立っていた」
信じられない話だったがミシェルフォンには漸く合点がいった。
ルコッタはミシェルフォンの魔力は無尽蔵だと母から知らされていた、それなのに実際に叔父の家で初めて魔石に魔力を注いだ時、ミシェルフォンは魔力切れを起こしかけ倒れたのだ。
きっと常に彼に魔力が送られていてその量は途轍もなく多く、ミシェルフォンが使用する程にはなかったのかもしれない。皆が無尽蔵にあると思われたミシェルフォンの魔力にも本当は限界があって、それを使用しないように父であるトラウスマ国王は、ミシェルフォンを幽閉したのだと彼女は理解した。
『魔力をお金に変える』母はそれを反対して父に処刑されたとルコッタは言っていた。
カイラッサ王国もトラウスマ王国も非道すぎる。
ミシェルフォンは叔父達の敵を知った。
だがここで疑問が湧いた
ではどうして2年前、金のなる木だったミシェルフォンをトラウスマ王国は手放すことにしたのだろうか?あんな冤罪をミシェルフォンになすりつけてまで。
それが解せなかった。
そこにもきっとカラクリがあるのかもしれないがミシェルフォンには検討がつかなかった。
自分はあまりにも知らなすぎるのだと情けなくなった。
もっと色んな事を知っていたら叔父達の世話にはきっとならなかっただろうと、そうしたら彼等は死ぬ事はなかったのだとミシェルフォンは、再び後悔に押しつぶされそうになった。
「ミシェルフォン、君のせいじゃないよ」
アレンディオの優しい口調に、俯いていたミシェルフォンは顔を上げた。彼はまたもや泣きそうな顔をしている。
「ごめんね、君が狙われたのは俺があの国から逃げたからなんだ」
「えっ?どういう事ですか?」
「君と俺はこのピアスで繋がっているから、君は俺を誘き寄せる人質と成り得るんだ。俺もそれを知ったのは、君がトラウスマ王国を追放になったと最近情報が入ってからだった。知っていたらもっと早くに君の前に現れて保護していた。魔力が流れてきていたから生きている事は知っていたし、魔力を探れば場所の特定も出来ていたのだから」
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