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第一章 初恋の終わり
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「婚約を解消してはくれないだろうか?」
到頭オスカーからユリアーナは告げられてしまった。一番聞きたくない言葉を初恋の人から言われたのだ。
ユリアーナはその後も彼から延々とその出会いの話を聞かされた。オスカーの中ではきっと言い訳のつもりかもしれないが、ユリアーナには惚気たくて話してるとしか思えなかった。
だが確かめなければならないとオスカーの話を聞いて、ユリアーナは彼に最後に確認した。
「オスカー様、ではその時のメイドの言葉で名前を知ったのですね」
「あ、あぁそうなんだ」
「そうですか⋯メイドはなんと呼んでいましたか?」
「えっ?リーアお嬢様と呼んでいたよ。マリアンナの愛称だろう?」
「⋯⋯⋯⋯そうですか。先程の事、考えてみます。今日はもうお帰りになってください。申し訳ありませんがお見送りはここで」
「あぁよろしく頼みます。それでは失礼します」
オスカーはそう言って、最後は他人行儀に目上の人に話すような言葉で、挨拶をして帰っていった。
オスカーがサロンを出て行ったあと、ユリアーナは慟哭した。
違う!違うわ!マリアンナじゃない!
マリアンナの愛称は“マリ”よ!“リーア”は私なのに!
どうして初めての顔合わせで初めましてなんて挨拶してしまったのか、ユリアーナは後悔が止まらない。
泣いて泣いて、泣き崩れていた。
もうすっかり諦めていたはずのオスカーへの想いは、少しも色褪せずにユリアーナの中に存在していた事を、この日初めてユリアーナは実感した、思い知った。
こんなにも胸が苦しくて痛い。
どれくらい時間が経過したのか分からない。
すっかり日が落ちたように感じていたが、まだ日差しはサロンに差していた。
少しだけ眩しく窓から照りつける陽光に目を閉じて、オスカーと出会ったあの日をユリアーナは思い出していた。
◇◇◇
あれはユリアーナが7歳になって間もない頃だった。
1年前にユリシーズとエリーヌが再婚して、ユリアーナには一度に母と姉、妹が出来た。
父は公爵で広大な領地を王家から賜っているから、忙しさはかなりのもので、ユリアーナは母の事も絵姿でしか知らなくて寂しい思いをしていた。
エリーヌは一時期ユリアーナのシッターをしてくれていた女性で、優しい中にも厳しく、温かい人だったから二人の再婚をユリアーナは大歓迎した。
その再婚に影を差したのは、イザベラの意地悪だった。
再婚にあたってユリアーナは父から自分が嫡女である事を告げられた。何れは女公爵となって家と領地を守らなければならないのだと、その為の教育が始まるからと言われたのだ。
教育は厳しかった、それでも合間にエリーヌが慰めたり励ましたりしてくれたので、ユリアーナは頑張れた。そんなある日ユリアーナはイザベラに虐められるマリアンナを発見した。
イザベラはその時8歳、マリアンナは6歳だった。
自分よりも小さいのにイザベラはマリアンナに馬のような形を取らせ、その上に跨がってユリアーナの教育用の鞭でマリアンナの足を打っていた。
マリアンナは痛いのを我慢して泣きながら「ヒヒーン」と言っている。
ユリアーナは直ぐにマリアンナに跨がっていたイザベラを押した。
イザベラは不意を付かれ床にひっくり返って泣き始めたが、ユリアーナはそれを無視してマリアンナを抱き起こした。
「大丈夫?」
ユリアーナが聞くとマリアンナはそれでも声を出さずに泣いて嫌々をするように頭を左右に振っていた。声を上げるとイザベラに何かされるのかしら?そう思ったユリアーナはマリアンナを抱きしめて、いつもエリーヌがしてくれているように優しく背中を撫でながら「声を出してもいいよ」と言うと、マリアンナは大きな声を上げて泣き始めた。
きっとずっと我慢していたのだろうとユリアーナももらい泣きしてしまっていた。
子供達の鳴き声を聞きつけてエリーヌが部屋にやって来たとき、直ぐにイザベラはユリアーナに突き飛ばされたと訴えた。
だが、エリーヌは正しく裁いてくれた。
そこに転がっていた鞭とマリアンナの足を見て、瞬時に何が起きたのか理解してくれたようだった。
その日イザベラは罰として物置に閉じ込められた。
だがそれ以来イザベラの虐めはマリアンナだけではなく、ユリアーナにも及んだ。
本当はエリーヌに訴えたかった。だが今度イザベラは同じような事をしたら家を追い出されると、侍女達の噂をユリアーナは耳にしていたから、言うことが出来なかった。自分が言ったことでイザベラが追い出されてしまうのは、可哀想だと思ったのだ。そんなユリアーナの気持ちなどお構いなしで、イザベラは到頭彼女に最大の意地悪を仕掛けた。
その日はイザベラがマリアンナにピクニックに行こうと言っていた。ニヤつく顔で言うその言葉を聞いたユリアーナは、またイザベラがマリアンナに何かをするのではないかと、心配になってそこに割って入った。それがイザベラの罠とも知らずに「一緒に行く」と言ってしまった。
ピクニックにはメイドが一人付いてきた。
少しだけ歩くと森があってその先に広場があるのだとイザベラは言った。
4人で歩いていると突然マリアンナが転んだ。
膝から血が出ていたがマリアンナは唇を噛み締めて泣くのを我慢していた。メイドがマリアンナを抱き上げてくれたが、そのメイドにイザベラが言った。
「血が出てるわ、手当をしてあげてよ」
「では皆様お屋敷に戻りましょう」
「なぁに貴方こうしゃくれいじょうの私に指図するの?」
「おねえさま!」
居丈高なイザベラをユリアーナは諌めたが、ユリアーナの言葉などイザベラはどこ吹く風で聞き流す。
「私達はここで待ってるから貴方マリアンナを連れて帰って、そしてまたここに戻ってくればいいわ。私はピクニックに行きたいの!」
イザベラの我儘は今に始まった事じゃないとメイドは諦めて言う通りに公爵家に戻った。
そのまま待つはずのイザベラはユリアーナの手を引いて森の奥へと進む。
「おねえさま、メイドを待つんじゃないの?」
「何で待たなきゃいけないのよ!行くわよ!」
そう言ってズンズンズンズン奥へと進む。
そうしてどれくらい経ったか分からない頃、いきなりドンとイザベラにユリアーナは胸を押されてその場に尻餅をついた。
「ハハハザマァ見ろ!私達がいるからもうあんたは公爵家に必要ないのよ!ここにずっーといればいいわ。帰ってこないでね」
「何を言ってるの!私はあとつぎよ!」
「は?馬鹿じゃないの?私の方が姉なんだから継ぐのは私よ!お父様は貴方が嫌いだからあんな鞭とか使って教育するのよ!私はあんな物使われたことはないわ」
そう言ってイザベラはユリアーナを置いて走って何処かへ行ってしまった。
あとで知ったのだがイザベラはこの森を熟知していて目印等を知っていたそうだ。だがここに始めて来たユリアーナには右も左も分からなかった。
尻餅から起き上がり少し歩いたら大きな石があったので、そこに腰掛けて迎えを待つことにした。
だが森の中は所々に日が差すが圧倒的に薄暗い。時間経過も分からないユリアーナは心細さに涙が止まらなくなった。
その時、ガサッと音がした。
ユリアーナが音の方向を見ると身なりの良い子供が、ゆっくりとユリアーナに近づいてきた。
到頭オスカーからユリアーナは告げられてしまった。一番聞きたくない言葉を初恋の人から言われたのだ。
ユリアーナはその後も彼から延々とその出会いの話を聞かされた。オスカーの中ではきっと言い訳のつもりかもしれないが、ユリアーナには惚気たくて話してるとしか思えなかった。
だが確かめなければならないとオスカーの話を聞いて、ユリアーナは彼に最後に確認した。
「オスカー様、ではその時のメイドの言葉で名前を知ったのですね」
「あ、あぁそうなんだ」
「そうですか⋯メイドはなんと呼んでいましたか?」
「えっ?リーアお嬢様と呼んでいたよ。マリアンナの愛称だろう?」
「⋯⋯⋯⋯そうですか。先程の事、考えてみます。今日はもうお帰りになってください。申し訳ありませんがお見送りはここで」
「あぁよろしく頼みます。それでは失礼します」
オスカーはそう言って、最後は他人行儀に目上の人に話すような言葉で、挨拶をして帰っていった。
オスカーがサロンを出て行ったあと、ユリアーナは慟哭した。
違う!違うわ!マリアンナじゃない!
マリアンナの愛称は“マリ”よ!“リーア”は私なのに!
どうして初めての顔合わせで初めましてなんて挨拶してしまったのか、ユリアーナは後悔が止まらない。
泣いて泣いて、泣き崩れていた。
もうすっかり諦めていたはずのオスカーへの想いは、少しも色褪せずにユリアーナの中に存在していた事を、この日初めてユリアーナは実感した、思い知った。
こんなにも胸が苦しくて痛い。
どれくらい時間が経過したのか分からない。
すっかり日が落ちたように感じていたが、まだ日差しはサロンに差していた。
少しだけ眩しく窓から照りつける陽光に目を閉じて、オスカーと出会ったあの日をユリアーナは思い出していた。
◇◇◇
あれはユリアーナが7歳になって間もない頃だった。
1年前にユリシーズとエリーヌが再婚して、ユリアーナには一度に母と姉、妹が出来た。
父は公爵で広大な領地を王家から賜っているから、忙しさはかなりのもので、ユリアーナは母の事も絵姿でしか知らなくて寂しい思いをしていた。
エリーヌは一時期ユリアーナのシッターをしてくれていた女性で、優しい中にも厳しく、温かい人だったから二人の再婚をユリアーナは大歓迎した。
その再婚に影を差したのは、イザベラの意地悪だった。
再婚にあたってユリアーナは父から自分が嫡女である事を告げられた。何れは女公爵となって家と領地を守らなければならないのだと、その為の教育が始まるからと言われたのだ。
教育は厳しかった、それでも合間にエリーヌが慰めたり励ましたりしてくれたので、ユリアーナは頑張れた。そんなある日ユリアーナはイザベラに虐められるマリアンナを発見した。
イザベラはその時8歳、マリアンナは6歳だった。
自分よりも小さいのにイザベラはマリアンナに馬のような形を取らせ、その上に跨がってユリアーナの教育用の鞭でマリアンナの足を打っていた。
マリアンナは痛いのを我慢して泣きながら「ヒヒーン」と言っている。
ユリアーナは直ぐにマリアンナに跨がっていたイザベラを押した。
イザベラは不意を付かれ床にひっくり返って泣き始めたが、ユリアーナはそれを無視してマリアンナを抱き起こした。
「大丈夫?」
ユリアーナが聞くとマリアンナはそれでも声を出さずに泣いて嫌々をするように頭を左右に振っていた。声を上げるとイザベラに何かされるのかしら?そう思ったユリアーナはマリアンナを抱きしめて、いつもエリーヌがしてくれているように優しく背中を撫でながら「声を出してもいいよ」と言うと、マリアンナは大きな声を上げて泣き始めた。
きっとずっと我慢していたのだろうとユリアーナももらい泣きしてしまっていた。
子供達の鳴き声を聞きつけてエリーヌが部屋にやって来たとき、直ぐにイザベラはユリアーナに突き飛ばされたと訴えた。
だが、エリーヌは正しく裁いてくれた。
そこに転がっていた鞭とマリアンナの足を見て、瞬時に何が起きたのか理解してくれたようだった。
その日イザベラは罰として物置に閉じ込められた。
だがそれ以来イザベラの虐めはマリアンナだけではなく、ユリアーナにも及んだ。
本当はエリーヌに訴えたかった。だが今度イザベラは同じような事をしたら家を追い出されると、侍女達の噂をユリアーナは耳にしていたから、言うことが出来なかった。自分が言ったことでイザベラが追い出されてしまうのは、可哀想だと思ったのだ。そんなユリアーナの気持ちなどお構いなしで、イザベラは到頭彼女に最大の意地悪を仕掛けた。
その日はイザベラがマリアンナにピクニックに行こうと言っていた。ニヤつく顔で言うその言葉を聞いたユリアーナは、またイザベラがマリアンナに何かをするのではないかと、心配になってそこに割って入った。それがイザベラの罠とも知らずに「一緒に行く」と言ってしまった。
ピクニックにはメイドが一人付いてきた。
少しだけ歩くと森があってその先に広場があるのだとイザベラは言った。
4人で歩いていると突然マリアンナが転んだ。
膝から血が出ていたがマリアンナは唇を噛み締めて泣くのを我慢していた。メイドがマリアンナを抱き上げてくれたが、そのメイドにイザベラが言った。
「血が出てるわ、手当をしてあげてよ」
「では皆様お屋敷に戻りましょう」
「なぁに貴方こうしゃくれいじょうの私に指図するの?」
「おねえさま!」
居丈高なイザベラをユリアーナは諌めたが、ユリアーナの言葉などイザベラはどこ吹く風で聞き流す。
「私達はここで待ってるから貴方マリアンナを連れて帰って、そしてまたここに戻ってくればいいわ。私はピクニックに行きたいの!」
イザベラの我儘は今に始まった事じゃないとメイドは諦めて言う通りに公爵家に戻った。
そのまま待つはずのイザベラはユリアーナの手を引いて森の奥へと進む。
「おねえさま、メイドを待つんじゃないの?」
「何で待たなきゃいけないのよ!行くわよ!」
そう言ってズンズンズンズン奥へと進む。
そうしてどれくらい経ったか分からない頃、いきなりドンとイザベラにユリアーナは胸を押されてその場に尻餅をついた。
「ハハハザマァ見ろ!私達がいるからもうあんたは公爵家に必要ないのよ!ここにずっーといればいいわ。帰ってこないでね」
「何を言ってるの!私はあとつぎよ!」
「は?馬鹿じゃないの?私の方が姉なんだから継ぐのは私よ!お父様は貴方が嫌いだからあんな鞭とか使って教育するのよ!私はあんな物使われたことはないわ」
そう言ってイザベラはユリアーナを置いて走って何処かへ行ってしまった。
あとで知ったのだがイザベラはこの森を熟知していて目印等を知っていたそうだ。だがここに始めて来たユリアーナには右も左も分からなかった。
尻餅から起き上がり少し歩いたら大きな石があったので、そこに腰掛けて迎えを待つことにした。
だが森の中は所々に日が差すが圧倒的に薄暗い。時間経過も分からないユリアーナは心細さに涙が止まらなくなった。
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