永久に響くは復讐の唄

ランドル

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二章

一話 梅雨のとある日大事件

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 「本当にこの学校にいるんですか?」
 礼儀の正しい少年は聞く。
 「ええ、もちろん。私たちが求めている人はここにいる。」
 「で、その人を殺せば……。」
 「あなたの家族は戻ってくる。簡単な契約よ。」
 「わかりました。全力を出します。」












 『今日から一週間、雨の日が続くでしょう。傘を毎日持ち歩くようにしましょう。』
 「憂鬱だ。」
 スマホで天気予報を見て俺は呟く。
 「どうしたんだ?マサト。」
 「お前はいちいち爽やかだな。ライト。」
 教室の中でのとある会話。
 「雨は嫌いなんだよな。外で走れなくなるから。」
 「僕はそもそも走りたくもないけどね。」
 「よく言うよ。」
 俺より体力があるくせに。
 今日は六月の一日。四月、五月とずっとリベンジャーと戦っていたからか時間の流れがとても早い。そのなかで気付かされたのはライトはやはり天才だということ。
 的確な指示。正確無比な攻撃防御。冷静な頭。俺らの部活のリーダーは彼以外にあり得ない。なのに…。
 「なぁ何でお前リーダーやらんの?」
 「面倒。」
 と、この有り様だ。こいつは二重人格で、普段は猫を被り、優等生を演じるが、気の知れた人だけになると、とたんに怠惰の化身になる。
 「めんどくさいことはお前に任せた。」
 「てめぇ…。」
 「星影君。」
 「なんだい?」
 クラスメイトへの変わり身がもはやプロだな。
 「今度の土日みんなで遊びに行くんだけど行かない?」
 「うーん……部活がなかったら行けるよ。」
 「わかった。みんなに伝えとくね。」
 そう言い女子は去っていった。
 「「……。」」
 突然ライトが笑い始めた。
 「いや…ふっ……ははは。」
 「笑うんじゃねぇ!」
 「まさかマサトを無視とは。」
 「言うな!悲しくなるだろ。」
 やっぱりいじめられてるな俺。

 その時だ。
 ウーーーーウウーーー

 「サイレンか?」
 「そうみたいだな。火事か?」
 クラスメイトは気にしていないようだった。火事が自分の家では絶対に起きないとでも言うように。そんなわけがない。クラスメイトの家が全焼となりの家は半焼。この事件はクラスのなかでも話題になった。
 「やばくない?」
 「うん。家族は死ななかったみたいだけど自分達の全てのものがなくなるのは辛いだろうね。」
 「家には誰もいなかったらしいよ。」
 「放火じゃない?」


 「マサト、おかしいよな?」
 言ってる意味がわからなかった。
 「何がだ?放火されたのだったらやるせないとは思うけど。」
 「あの日の天気は?」
 「あ」
 そうだ。今は梅雨。事件の日雨が降っていた。単純な放火だとすぐに消えるだろう。じゃあ……。
 「ついに来たようだな。」
 ライトは笑う。
 「スレイヤーが。」
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