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二章
二話 家を燃やすはスレイヤー
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「確かこの辺だったはず。」
今俺たちは住宅街を走り回ってる。燃やされた家を確認するためだ。
「人が多くなってきやがった。」
なぜ火事現場には人が集まるのだろう。そう考えながら、目的地に到着した。
事件から数日がたった今も人がいるのは、この事件が普通ではないからだ。
家が本当に有ったのか。そう疑問に思うほど、そこには何もなかった。
「……。」
俺ら特殊事件解決部は、国から認められた国を守るための部活だ。そのため、警察などは俺らに全面的に協力してくれるらしい。
警察の話によると鑑識の結果、鍵は全て閉められていたそうだ。よって家の中は密室。外から火がつけられた可能性が高いと言う。
ライトと話した結果、やはりこれは不可解な事件という結論に至った。
まず、雨の日に火をつけることは可能か。これは別に可能だろう。雨に当たらない場所に火をつければ良い話だ。しかし、そうなると疑問が二つ生じる。
一つ目、家は燃えた。しかも全焼だ。そこまで火が強かったのか?雨が降っていたのに。
二つ目、何故わざわざ雨の日に火をつけるのか。放火犯は燃えているのを見て楽しむと聞く。事件の日までに放火しないといけない理由があったのか。
「まぁ一つ目は無視しても良いだろうな。」
ライトは言う。
「何でだ?どうやって燃やしたのか気にならないのか?」
「相手はスレイヤーだよ?家の内部に炎を生み出すことだって不可能ではないんだ。内側からなら全部燃やせるだろうね。」
そうだった。スレイヤーは俺らと同じ能力もち。少し不可解な点も納得できる理由ができてしまう。
「そもそも放火した理由もわからねぇからな。ライトはどう考える?」
「そうだなぁ……ぼ」
「ちょっとー!!」
ライトの声がかき消され、遠くの方からアサミの声がこだました。
「何二人で学校サボってんのよ!」
「現場が新しいうちに見ておきたくてね。」
いやそんな言い訳じゃ怒られるだろ。
「何で私も呼ばないのよ!」
「そっちかい!」
「当たり前でしょ。部活でここに来たんでしょ?なら私も呼ぶべきよ。」
「悪いねアサミ。なるべく急ぎたくて連絡する暇がなかったんだ。」
「……しょうがないわね。」
やっぱりライトに甘いよな。
「……で?続きを言ってくれ、ライト。」
「そうだね。あくまで仮説だけど、スレイヤーが放火したのは……僕らを誘き出すためじゃないかな?」
「「えっ…。」」
「不可解な事件となれば僕らは動く。それを知っている犯人は家を燃やし、僕らが到着するのを待っていた。遠くから見ているんじゃないかな?」
「何でそんなことをするのかしら?」
「それはね」
「俺らが復讐の邪魔だからってことか?」
「……当たり。」
「っ…じゃあ!」
「そう。僕らは狙われるだろうね。数日以内に。」
今俺たちは住宅街を走り回ってる。燃やされた家を確認するためだ。
「人が多くなってきやがった。」
なぜ火事現場には人が集まるのだろう。そう考えながら、目的地に到着した。
事件から数日がたった今も人がいるのは、この事件が普通ではないからだ。
家が本当に有ったのか。そう疑問に思うほど、そこには何もなかった。
「……。」
俺ら特殊事件解決部は、国から認められた国を守るための部活だ。そのため、警察などは俺らに全面的に協力してくれるらしい。
警察の話によると鑑識の結果、鍵は全て閉められていたそうだ。よって家の中は密室。外から火がつけられた可能性が高いと言う。
ライトと話した結果、やはりこれは不可解な事件という結論に至った。
まず、雨の日に火をつけることは可能か。これは別に可能だろう。雨に当たらない場所に火をつければ良い話だ。しかし、そうなると疑問が二つ生じる。
一つ目、家は燃えた。しかも全焼だ。そこまで火が強かったのか?雨が降っていたのに。
二つ目、何故わざわざ雨の日に火をつけるのか。放火犯は燃えているのを見て楽しむと聞く。事件の日までに放火しないといけない理由があったのか。
「まぁ一つ目は無視しても良いだろうな。」
ライトは言う。
「何でだ?どうやって燃やしたのか気にならないのか?」
「相手はスレイヤーだよ?家の内部に炎を生み出すことだって不可能ではないんだ。内側からなら全部燃やせるだろうね。」
そうだった。スレイヤーは俺らと同じ能力もち。少し不可解な点も納得できる理由ができてしまう。
「そもそも放火した理由もわからねぇからな。ライトはどう考える?」
「そうだなぁ……ぼ」
「ちょっとー!!」
ライトの声がかき消され、遠くの方からアサミの声がこだました。
「何二人で学校サボってんのよ!」
「現場が新しいうちに見ておきたくてね。」
いやそんな言い訳じゃ怒られるだろ。
「何で私も呼ばないのよ!」
「そっちかい!」
「当たり前でしょ。部活でここに来たんでしょ?なら私も呼ぶべきよ。」
「悪いねアサミ。なるべく急ぎたくて連絡する暇がなかったんだ。」
「……しょうがないわね。」
やっぱりライトに甘いよな。
「……で?続きを言ってくれ、ライト。」
「そうだね。あくまで仮説だけど、スレイヤーが放火したのは……僕らを誘き出すためじゃないかな?」
「「えっ…。」」
「不可解な事件となれば僕らは動く。それを知っている犯人は家を燃やし、僕らが到着するのを待っていた。遠くから見ているんじゃないかな?」
「何でそんなことをするのかしら?」
「それはね」
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「……当たり。」
「っ…じゃあ!」
「そう。僕らは狙われるだろうね。数日以内に。」
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