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12話 初めての付き添い
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朝食を終えると、僕はランス様に付いて屋敷の外へと出ていた。
キャシー姐様を始め、屋敷中の人たちに盛大に見送られてしまった。ランス様を見送ってはいるのだろうが、皆口を揃えて「ランス様、ルミエル様、行ってらっしゃいませ」って僕の名前もちゃんと呼んでくれるもんだから、ちょっと恥ずかしくなって縮こまってしまった。
「今からセネト卿の屋敷の事を国王陛下に聞きに行く。もう一度聞くが、一緒に聞いてしまって大丈夫なのだな? お前にとってショックな話が出るかもしれん」
「はい、大丈夫です。ちょっと怖いですが、でもあの屋敷の事は僕も気になっていたので、一緒に行かせてください」
「分かった。なら、飛ばしていくぞ」
「うわっ!」
ランス様は僕をひょいっと抱き上げ、目の前で控えていた馬の後ろの方へと跨がらせた。すぐに自身も僕の前へと跨がる。
「しっかり掴まっていろ」
「は、はい!」
ランス様の腰にギュッとしがみつくと、馬は勢い良く走り出し、あっという間に王都へと到着した。
馬車だと1時間くらいかかるらしいけど、今は15分乗っただろうか……。流石"魔道将軍"、普段はこうやって移動しているんだ。
⸺⸺王都レイガディア⸺⸺
「うわぁ、ここも広くて賑わってますね。楽しそうなお店がたくさん並んでいます」
ディオールの首都も賑わっていたけど、王都もそれ以上の賑わいだった。閑散としているセネトの首都とはどちらも大違いだ。
「そうだな。帰りに時間があればゆっくり店を回っても良いだろう」
「えっ、本当ですか!? うわぁ、楽しみだなぁ……」
今から帰りの想像をして、満面の笑みを浮かべた。
「……そんな顔をされたら時間がなくても回る羽目になるだろうが……」
「ん? ランス様、今なんとおっしゃいましたか? すみません、良く聞き取れなくて」
「いや、ただの独り言だ。では、早速城へ向かおう」
「? はい!」
⸺⸺レイカルド城、玉座の間⸺⸺
「伯父上、ディオールのランス、参りました」
ランス様のお辞儀に合わせて、僕も深く頭を下げる。玉座に座っていた髭もじゃの国王様はゆっくりと頷いた。
「うむ、ランスよ、良く来た。そちらが例の女装をしていた……」
うぅ、女装の事、国王様にまで知れ渡ってる……!
「はい、名をルミエルと申します。本日は私の付き人として連れて参りました」
僕は「初めまして」と再びお辞儀をする。
「左用か。良い良い、ルミエルよ、顔を上げなさい」
「はい……」
僕が顔を上げると、国王様はニコッと微笑んだ。
「さて、昨夜、余の密偵をセネト伯爵の屋敷へと侵入させた。状況はルミエルにとって良好ではあるが、同時にお主にとってショックな事実も判明した。お主はこのまま一緒に聞くか? 嫌なら外で待っていても構わない」
密偵を、セネト伯爵の屋敷に!? 国王様は、そんな事も出来るんだ……。
「覚悟は出来ています。私もこのまま伺います」
「うむ。良いだろう」
僕はドキドキしながら、国王様の次の言葉を待った。
キャシー姐様を始め、屋敷中の人たちに盛大に見送られてしまった。ランス様を見送ってはいるのだろうが、皆口を揃えて「ランス様、ルミエル様、行ってらっしゃいませ」って僕の名前もちゃんと呼んでくれるもんだから、ちょっと恥ずかしくなって縮こまってしまった。
「今からセネト卿の屋敷の事を国王陛下に聞きに行く。もう一度聞くが、一緒に聞いてしまって大丈夫なのだな? お前にとってショックな話が出るかもしれん」
「はい、大丈夫です。ちょっと怖いですが、でもあの屋敷の事は僕も気になっていたので、一緒に行かせてください」
「分かった。なら、飛ばしていくぞ」
「うわっ!」
ランス様は僕をひょいっと抱き上げ、目の前で控えていた馬の後ろの方へと跨がらせた。すぐに自身も僕の前へと跨がる。
「しっかり掴まっていろ」
「は、はい!」
ランス様の腰にギュッとしがみつくと、馬は勢い良く走り出し、あっという間に王都へと到着した。
馬車だと1時間くらいかかるらしいけど、今は15分乗っただろうか……。流石"魔道将軍"、普段はこうやって移動しているんだ。
⸺⸺王都レイガディア⸺⸺
「うわぁ、ここも広くて賑わってますね。楽しそうなお店がたくさん並んでいます」
ディオールの首都も賑わっていたけど、王都もそれ以上の賑わいだった。閑散としているセネトの首都とはどちらも大違いだ。
「そうだな。帰りに時間があればゆっくり店を回っても良いだろう」
「えっ、本当ですか!? うわぁ、楽しみだなぁ……」
今から帰りの想像をして、満面の笑みを浮かべた。
「……そんな顔をされたら時間がなくても回る羽目になるだろうが……」
「ん? ランス様、今なんとおっしゃいましたか? すみません、良く聞き取れなくて」
「いや、ただの独り言だ。では、早速城へ向かおう」
「? はい!」
⸺⸺レイカルド城、玉座の間⸺⸺
「伯父上、ディオールのランス、参りました」
ランス様のお辞儀に合わせて、僕も深く頭を下げる。玉座に座っていた髭もじゃの国王様はゆっくりと頷いた。
「うむ、ランスよ、良く来た。そちらが例の女装をしていた……」
うぅ、女装の事、国王様にまで知れ渡ってる……!
「はい、名をルミエルと申します。本日は私の付き人として連れて参りました」
僕は「初めまして」と再びお辞儀をする。
「左用か。良い良い、ルミエルよ、顔を上げなさい」
「はい……」
僕が顔を上げると、国王様はニコッと微笑んだ。
「さて、昨夜、余の密偵をセネト伯爵の屋敷へと侵入させた。状況はルミエルにとって良好ではあるが、同時にお主にとってショックな事実も判明した。お主はこのまま一緒に聞くか? 嫌なら外で待っていても構わない」
密偵を、セネト伯爵の屋敷に!? 国王様は、そんな事も出来るんだ……。
「覚悟は出来ています。私もこのまま伺います」
「うむ。良いだろう」
僕はドキドキしながら、国王様の次の言葉を待った。
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