推し活ぐー!

明日葉

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「おいしーーーー!!」
「ね、美味しい!!」
白いふわふわのクリームに、苺にクランベリーがちょこんと乗ったハート型のケーキ。
ブルーベリーのソースの酸味が、クリームの甘さを中和して、甘すぎずに爽やかな風味だ。
「美味しいっ!!って、この味、これ、もしかして黒白星ホテルのケーキじゃありません!?」
野々原さんは、目をくわっと見開いて、事務員さんに問いかける。
「はい、黒白星学園は同系列経営ですので。食事もホテルの料理人が作っていますよ」
「えーー、そんなの絶対美味しいじゃないですかっ!!」
「なーー、俺も住みてえくらいだわ」
美味しいケーキをもう食べ終えたらしい東園寺さんは、ホットコーヒーをあおるように飲んでいた。
おまけに携帯電話を取り出し、何やらタンタンと文字を打ち込みだした。
私達はまだ半分も食べ終わっていないから、すごい早食いだ。
「全校生徒がこちらに住んでいるので、時間を分けるように食事時間を設けていますが、食堂が少し込み合ってしまうんです。そちらだけがこちらの学園の残念な点で、他は自信をもっておすすめできますよ」
いいところだけじゃなくて、問題点も伝えてくれる人ってめずらしいなって思いながら、紅茶を飲む。
この紅茶もなんか、すごくおいしい!!
「芸能科、普通科、特進科、それに総合エンタメ科ですもんね。」
「ええ、小学部は、普通科のみで各学年150人が定員。こちらは、遠方者以外は自宅からの通学です。
中学部、高等部からすべての科が揃い、各学年200人が定員。その内芸能科、総合エンタメ科が1学年50人の設定ですね。なので、最大1500人がこの寮の定員です。」
「すごいたくさんーーー!」
口の端にケーキのクリームをつけながら、李衣菜ちゃんが話す。
私は、鞄からティッシュを取り出し、李衣菜ちゃんに差し出した。
「ん?何??」
「李衣菜ちゃん、ケーキついてるよ。ほら、ここ」
「えー、わかんない!穂香、拭いて―!!」
「もう、仕方ないなぁー」
私はティッシュを一枚とり、李衣菜ちゃんの口元を拭おうとした。
それなのに、李衣菜ちゃんはポカンと口を大きく開きだす。
「もー。口開けなくても大丈夫だよ」
「あっ、あっ!」
……なんか様子が変。
李衣菜ちゃんが見つめる視線の先を追おうと、そこには

「見ぃーーーつけたっ!!」
見るものを圧倒するほどの光輝くオーラを放つ、
樹林棋王君が立っていた。
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