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鉢合わせ
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ファミレスは平日の夕方だというのにそれなりに盛況だった。私たちは窓際の席に案内された。
「お前は川原さんの隣がいいだろ。俺たちは」
「有野さんのとーなりー」
何故か双子に囲まれる形で座ることになった。が、これはチャンスだ。学年五位以内二人の隣。もうそれだけで頭が良くなる気がしてきた。
「で、何がわかんないの?」
仁が聞く。
「割と、全部」
「ぶっ、全部かーい」
ノリのいい双子である。向かい側ではみずきと優希が仲良く肩並べ英語の勉強を始めている。
「さっき数学わかんなかった。聞いてもいいかな?」
カバンからノートを取り出す。
「おうよ、何でも聞きたまえ」
「斉藤兄弟が全て解決してしんぜよう」
「ぷっ、なにそれ」
私はわからなかった問題を二人掛かりで教えてもらうという、なんとも贅沢な状況になっていた。しかもこの双子、教えるのもめちゃくちゃ上手い!
「なるほど、わかった!」
「お、偉いぞ有野~」
「頑張ったな~」
いつの間にか呼び捨てである。
「ちょっと飲み物取ってくるね」
「俺も」
みずきと優希が席を立つ。
「あ、私も、」
と言ったものの、双子に囲まれて立ち上がれない。
「取ってきてあげるよ、何がいい?」
「ありがと、じゃ、カフェオレで」
二人がフリードリンクの方に歩いていくと、仁がテーブルに肘を付き、じっと私を見つめてくる。
「ん?」
「いや、有野さ、マジで彼氏いんの?」
「はぁ? まだ言う?」
「だって気になるんだもん」
「俺も知りたーい」
反対側で蓮が同じポーズを取る。
「なによ、二人して」
「優希がさ、彼女がいるといいぞーいいぞーって毎日のように言うからさ」
「そうそう、毎日自慢話ばーっかり」
「へぇ、そうなんだ」
中学時代の彼からは考えられない感じだ。
「香苗もみずきも同じだな。私、毎日惚気話聞いてるもん」
「と、いうことは?」
「有野、フリー!」
イエーイ、などと、私の前でハイタッチなどしてみせる。
「ちょ、騒いじゃ駄目でしょっ」
たしなめる。
「有野、怖ーい」
「怖ーい」
「もぅ」
陽気な双子だ。
*****
「あれ? 大和君?」
みずきはドリンクコーナーで見知った顔を見つけ、声を掛けた。
「ああ、川原さん」
「偶然だね、来てたんだ」
「あ、うん。劇メンで勉強会。そっちは?」
「志穂と、その他で勉強会」
「え? 有野さん来てるの?」
パッと顔が明るくなる。が、ここでみずきは『しまった』と思う。志穂、双子に囲まれてるじゃん……。
「川原?」
優希が声を掛ける。
「あ、原君、こちら大和君」
「知ってるよ。有名な転校生でしょ?」
「あ、ども。……って、その他って、樋口さんじゃないの?」
「あー、うん、えっとー」
しどろもどろになるみずきを見て、タケルが何かを感じたのかパーテーションの向こう、窓際の席を見遣る。
志穂が男二人に囲まれるように座っていたしかもその男二人は片肘を付き、志穂を覗き込むように見上げているのだ。
「あれ、誰?」
心持ち声が低くなっている。みずきは何とか取り繕わねばと頭をフル回転させた。
「えっと、ほら、なんか勝負なんでしょ?」
「は?」
「中間の結果で勝負するんだって聞いたよ。それで、わかんないところ教えてもらおうってことで、あの二人は助っ人! 学年五位以内の秀才君たちでーす!」
なるべくおちゃらけたつもりだったが、タケルには伝わっていないようだった。今にも殴り込みをかけそうな雰囲気。だが、ナイスタイミングで邪魔が入る。
「大和君、まだぁ?」
つばさである。
「あれ、川原さん」
「あ、ども」
「大和君なに見てるの?」
つばさが窓際の席にいる志穂を確認した。
「なぁんだ、有野さんも来てるんだ。しかも男子二人に囲まれてるし。私たちも負けてられないぞっ、早く行こう!」
強引にタケルの腕を引っ張り連れて行ってしまった。
「……はー、焦った」
「なにそんな焦ってるの?」
事情を知らない優希には何のことかさっぱりなのである。
「彼が転校初日に告白ぶちかました相手、志穂なんだよ」
こっそり耳打ちをする。
「えっ、マジでっ?」
「うん」
「ほぇ~、まさかの、有野か~」
「焦るでしょ?」
「そりゃ焦るな」
「さ、行こう」
飲み物を持って席に戻る。
何も知らない双子は相変わらず志穂に絡んでいた。
「仁、蓮、有野は駄目だ」
きっぱり言い放つ。
「はー?」
「なんだよ、急に」
「生半可な気持ちでこいつに手を出すな」
至って真面目な顔で、そう言ってのける。
「なに、急に?」
私も驚いて訊ねる。優キング、お前は私の父親だったか?
「お前たち、例の転校生知ってるだろ?」
「ああ、」
「あのイケメンサッカー部な」
「相手、コレだ」
優希が私を指した。
「ええっ?」
「マジでっ?」
ザッと二人がのけぞる。
「志穂、大和君も来てるよ、ここに」
「え? そうなの?」
「あんたが双子に絡まれてるの見て鬼の形相してた」
「……え、」
安易に想像できてしまう。それは、
「ちょっと待って、確認だけど有野、付き合ってるの?」
仁が改めて尋ねてくる。
「付き合ってはないよ」
「は? なんだよ~」
蓮も安堵の息を吐いた。
「じゃ、別に問題ないじゃん」
「いや、問題なくはないだろ。あの、転校生だぞ?」
優希が言うも、双子は
「有野はまだフリー。早いもん勝ちだろ?」
「……って、え?」
みずきが双子を交互に指差す。
「ちょっとその気になってきちゃったな~」
「俺も~」
ニコリ、と意味深な笑顔を志穂に向ける。
「は? 何言ってるの? からかうのやめてよね、みんなして」
私は手を振りながら全否定した。
「ふふん、有野、なんかいいんだよねぇ」
「そうだねー、なんかいいんだよねぇ」
「やだ、四角関係になるのぉ~?」
みずきはワクワクしちゃっていた。つい、煽ってしまう。
「……もうこれ以上は無理! 私は帰る!」
私はノートをパッとまとめ、カバンに乱暴に仕舞い込む。財布から小銭を取り出すと、机に並べた。
「斉藤君たち、今日はありがとう。明日からは自力で頑張ります。ではごきげんよう」
通路側にいた蓮を力一杯押し出すと、一礼して駆け出した。
「……やっぱ、」
「有野、なんかいいんだよな」
双子はまったく懲りていないようだった。
「お前は川原さんの隣がいいだろ。俺たちは」
「有野さんのとーなりー」
何故か双子に囲まれる形で座ることになった。が、これはチャンスだ。学年五位以内二人の隣。もうそれだけで頭が良くなる気がしてきた。
「で、何がわかんないの?」
仁が聞く。
「割と、全部」
「ぶっ、全部かーい」
ノリのいい双子である。向かい側ではみずきと優希が仲良く肩並べ英語の勉強を始めている。
「さっき数学わかんなかった。聞いてもいいかな?」
カバンからノートを取り出す。
「おうよ、何でも聞きたまえ」
「斉藤兄弟が全て解決してしんぜよう」
「ぷっ、なにそれ」
私はわからなかった問題を二人掛かりで教えてもらうという、なんとも贅沢な状況になっていた。しかもこの双子、教えるのもめちゃくちゃ上手い!
「なるほど、わかった!」
「お、偉いぞ有野~」
「頑張ったな~」
いつの間にか呼び捨てである。
「ちょっと飲み物取ってくるね」
「俺も」
みずきと優希が席を立つ。
「あ、私も、」
と言ったものの、双子に囲まれて立ち上がれない。
「取ってきてあげるよ、何がいい?」
「ありがと、じゃ、カフェオレで」
二人がフリードリンクの方に歩いていくと、仁がテーブルに肘を付き、じっと私を見つめてくる。
「ん?」
「いや、有野さ、マジで彼氏いんの?」
「はぁ? まだ言う?」
「だって気になるんだもん」
「俺も知りたーい」
反対側で蓮が同じポーズを取る。
「なによ、二人して」
「優希がさ、彼女がいるといいぞーいいぞーって毎日のように言うからさ」
「そうそう、毎日自慢話ばーっかり」
「へぇ、そうなんだ」
中学時代の彼からは考えられない感じだ。
「香苗もみずきも同じだな。私、毎日惚気話聞いてるもん」
「と、いうことは?」
「有野、フリー!」
イエーイ、などと、私の前でハイタッチなどしてみせる。
「ちょ、騒いじゃ駄目でしょっ」
たしなめる。
「有野、怖ーい」
「怖ーい」
「もぅ」
陽気な双子だ。
*****
「あれ? 大和君?」
みずきはドリンクコーナーで見知った顔を見つけ、声を掛けた。
「ああ、川原さん」
「偶然だね、来てたんだ」
「あ、うん。劇メンで勉強会。そっちは?」
「志穂と、その他で勉強会」
「え? 有野さん来てるの?」
パッと顔が明るくなる。が、ここでみずきは『しまった』と思う。志穂、双子に囲まれてるじゃん……。
「川原?」
優希が声を掛ける。
「あ、原君、こちら大和君」
「知ってるよ。有名な転校生でしょ?」
「あ、ども。……って、その他って、樋口さんじゃないの?」
「あー、うん、えっとー」
しどろもどろになるみずきを見て、タケルが何かを感じたのかパーテーションの向こう、窓際の席を見遣る。
志穂が男二人に囲まれるように座っていたしかもその男二人は片肘を付き、志穂を覗き込むように見上げているのだ。
「あれ、誰?」
心持ち声が低くなっている。みずきは何とか取り繕わねばと頭をフル回転させた。
「えっと、ほら、なんか勝負なんでしょ?」
「は?」
「中間の結果で勝負するんだって聞いたよ。それで、わかんないところ教えてもらおうってことで、あの二人は助っ人! 学年五位以内の秀才君たちでーす!」
なるべくおちゃらけたつもりだったが、タケルには伝わっていないようだった。今にも殴り込みをかけそうな雰囲気。だが、ナイスタイミングで邪魔が入る。
「大和君、まだぁ?」
つばさである。
「あれ、川原さん」
「あ、ども」
「大和君なに見てるの?」
つばさが窓際の席にいる志穂を確認した。
「なぁんだ、有野さんも来てるんだ。しかも男子二人に囲まれてるし。私たちも負けてられないぞっ、早く行こう!」
強引にタケルの腕を引っ張り連れて行ってしまった。
「……はー、焦った」
「なにそんな焦ってるの?」
事情を知らない優希には何のことかさっぱりなのである。
「彼が転校初日に告白ぶちかました相手、志穂なんだよ」
こっそり耳打ちをする。
「えっ、マジでっ?」
「うん」
「ほぇ~、まさかの、有野か~」
「焦るでしょ?」
「そりゃ焦るな」
「さ、行こう」
飲み物を持って席に戻る。
何も知らない双子は相変わらず志穂に絡んでいた。
「仁、蓮、有野は駄目だ」
きっぱり言い放つ。
「はー?」
「なんだよ、急に」
「生半可な気持ちでこいつに手を出すな」
至って真面目な顔で、そう言ってのける。
「なに、急に?」
私も驚いて訊ねる。優キング、お前は私の父親だったか?
「お前たち、例の転校生知ってるだろ?」
「ああ、」
「あのイケメンサッカー部な」
「相手、コレだ」
優希が私を指した。
「ええっ?」
「マジでっ?」
ザッと二人がのけぞる。
「志穂、大和君も来てるよ、ここに」
「え? そうなの?」
「あんたが双子に絡まれてるの見て鬼の形相してた」
「……え、」
安易に想像できてしまう。それは、
「ちょっと待って、確認だけど有野、付き合ってるの?」
仁が改めて尋ねてくる。
「付き合ってはないよ」
「は? なんだよ~」
蓮も安堵の息を吐いた。
「じゃ、別に問題ないじゃん」
「いや、問題なくはないだろ。あの、転校生だぞ?」
優希が言うも、双子は
「有野はまだフリー。早いもん勝ちだろ?」
「……って、え?」
みずきが双子を交互に指差す。
「ちょっとその気になってきちゃったな~」
「俺も~」
ニコリ、と意味深な笑顔を志穂に向ける。
「は? 何言ってるの? からかうのやめてよね、みんなして」
私は手を振りながら全否定した。
「ふふん、有野、なんかいいんだよねぇ」
「そうだねー、なんかいいんだよねぇ」
「やだ、四角関係になるのぉ~?」
みずきはワクワクしちゃっていた。つい、煽ってしまう。
「……もうこれ以上は無理! 私は帰る!」
私はノートをパッとまとめ、カバンに乱暴に仕舞い込む。財布から小銭を取り出すと、机に並べた。
「斉藤君たち、今日はありがとう。明日からは自力で頑張ります。ではごきげんよう」
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