剣術世界最強、魔術世界最強、錬金術世界最強、精霊術世界最弱の俺が精霊族から教わる精霊術!

bakauke16mai

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序章

人外圏で、精霊族の――(2)

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スタイルは抜群で、胸も決して小さく無く、大き過ぎず。
何よりも雰囲気が良く、居るだけで何でも良くなる。

俺は、目前に佇む『精霊族エルフ』の”ユイ”という少女を見ながら、そう思った。
基本、というよりも俺にとって”愛情”という感情は理解し難い環境にある。
まだ普通の人間と同じ20歳くらいだった頃だろうか。

一度だけ、婚約者という人が居た時期があった。
しかしそれも、俺が最初の極限、剣術を極める頃には彼女は帰らぬ人になっていた。
それからだ。

時の流れを理解したのは。

俺が何かをするための”努力”は、人間にとってあまりにも長い時間だった。
俺が何かを達成する頃には、何時しか同期だった人々は1人として残ってはいない。
それを理解してからか、俺は愛情というものが理解出来なくなってしまった。

あんなに辛いだけの感情は、だからだ。

少女の瞳を見ると、そこには複雑そうな感情が込められていた。
結婚するに当たる感情に関してはあまりなさそうだが、俺個人への感情は隠しきれていない。

恐怖、怒り、敵意、畏怖、驚愕、嫉妬・・・・・・・何だろうな、と思ってしまう。

(心と接するのに俺は、余りにも長い年月を経てしまっているのだろうな)

何かしらの感情を向けられても、それに正しい応えが出来ない。
だからといって、どうにかするつもりは無い。
俺は俺で、今の俺を望んだからこうなっているのだから。

(そうだな・・・・・・・・・・・なら)

どうせ、目前の少女も気付けば居なくなるうちの1人だ。
ならば、少しだけ何時もとは違う日常を体験してみるのも良いのかもしれない。

「良いだろう。お前の覚悟を買って、許してやる。おい小娘」

「なっ!私は小娘じゃないよっ。もう立派な淑女レディだよっ!」

「こらユイ!気を損ねることをしては駄目だろうが!」

「だって・・・・・・・・」

「大丈夫。悪い人では無いのだから」


―――?

(どういうことだ?)

此処で初めて、俺は困惑させられた。
この老人から発せられた言葉は、無条件に俺を信用しているような言葉。
そして、それが心の底からだということくらいは理解出来る。

だからこそ、理解が出来ない。

(まあ、後で聞けば良いか)

とりあえず、今すぐに必要な答えではない。

「お前、名前は?」

「ユーリ・イスト・アーニアント・・・・・・・・・貴方の名前は?」

「そうだな・・・・・・・・・・俺の名前は――ブレイクとしよう」






奇妙な出来事だった。
何時もと変わらない何気無い理由で来たこの場所で、何時もとは違う関係性が出来た。
それは、300年間の中で一度も無かった空白を埋めるような運命。

終わりの無いの人生の中であった、たった200年しか続かない2人の物語。
けれど確かに、それは俺に何かの変化を与えた。



   プロローグ 完



<tips>

『ブレイク(偽名)という人』

剣術において世界1位、魔術において世界1位、錬金術において世界1位、けれど、精霊術において世界で最も劣った人物。赤子すら可能な場合もある技術を行使することが出来ない。
また、???という??であり、??に??しか???、??の無い??である。

『人外圏』

”人類”と呼称する生物圏よりも外に存在する世界。
人類では決して歯の立たないような生物が、生物カーストで最下位に位置するなど、常識の当て嵌まらない場所。
また、特殊な耐性系を持つ敵も多く、例えば生物も存在する。
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