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20 流血表現
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チラッと、長谷部少佐を見て夜神は手をクロスして刀の柄を握る。
二刀流で吸血鬼と戦う為だ。柄巻は青と赤の色を巻いている。この武器の名前でもある色にちなんでだ。
夜神の武器は「蒼月・紅月」本差しの蒼月と脇差の紅月で、同じ玉鋼から作られた兄妹刀である。
自分の相手を見る。WSが居るとの事だが実際どれがそのクラスかは分からない。
ただ、今までの経験から刺繍の多い上着や、クラバットにリングをしているのは、クラスが上の吸血鬼が多かったので、長谷部には悪いが「多分そうかも?」で振り分けた。
間違っていたら交代すればいいだけの話なのだから、あまり考えなくてもいいかもしれない。
そんなアバウト発言で長谷部は無表情になったが、気を引き締め治して、別の吸血鬼との距離を保ち、七海の合図を待っている。
夜神も同じく距離を縮め、合図待ちである。
七海の合図を確認して刀を抜く。
だが、相手もすぐさまに危険を察知し、同じく剣を抜く。
距離を縮め剣と刀の攻防を繰り広げる。間違いない、WSだ。
夜神はそう確信して、攻防から攻撃に変えていく。
「貴様ら!軍の奴らか。我々の邪魔をするな。たかが人間ごときが貴族に逆らうな」
「軍の人間で何か問題でも?あなた達が「狩り」の為に、人を狩るのであれば、我々軍人は守るために戦うの」
「「狩り」を知っていたか?ならば貴様らが我々の獲物になれ、死ね!!」
牙を見せながら、叫び、剣を喉元めがけて突いてくる。
その攻撃を往なして、相手がほんの僅かだが、体勢を崩す。
すかさず脇差で、太股を刺していく。少しでも動きを鈍くさせるためだ。
そうしてこちらの予測通り、動きが鈍くなったのを瞬時に判断すると相手から半歩下がり、腰を少し落とし脇差を素早く鞘に収めると、両手で本差の蒼月を持つ
「吼えよ!蒼月!!」
すると、獣が吼える声が聞こえてくる。虎や獅子のように大型の獰猛な獣の声だ。
刀から青い光が溢れ出す。溢れた光は夜神の体を包むとやがて虎の姿を形作る。
夜神は刀を吸血鬼の首めがけて振る。
その青い虎は刀と同じ方向から、その獰猛な爪で同じく首を裂く。
「おのれー!ガッハッ」
吸血鬼は信じられない目つきで、その攻撃を受ける。
相手の最後の叫びを聞きつつ、夜神は刀で首をはねた。
血飛沫を飛ばして首は飛び、頭のない胴体は白い服を赤く染めて地面に倒れてく。
その、倒れていくのを最後まで見届けて、血に塗られた刀を軽く振り、血を落とし鞘に収めていく。
夜神の瞳は赤くなっていた。いつもの白い瞳ではなく、倒れた吸血鬼の流す血と同じ赤色をしている。
色素が薄いため、普段は白い瞳なのだか、体を動かしたり、興奮状態になると体内の血液のめぐりが良くなり、その結果色素の薄い瞳は赤くなる。
庵にも説明したとき「あとは秘密」等、言っていたがこの状態を見たら一発で分かるだろう。
夜神は少しだけ口角を上げてそして、ため息をした。
どうせ、そのうち知られることなのは分かっていた事。それが早いか遅いかだけの差。ただ、この状態を果たしてどのように捉えるかで、自分の立ち位置が決まるような気がしてままならない。
(血を見て異常興奮でこうなったと思われたらどうしょう?体を動かしたり血流が良くなったからと言わないと。実際そうだし。けして興奮からこうなるのではないと知ってもらわないと、色々と恥ずかしいわ)
夜神は自分の任務が終わったのを確認して、急いで庵の元に行く。急ぐのには理由があるからだ。
学生達はD・Cクラスを討伐している。庵だけ出来ませんでした!では本人が可愛そうだ。
少しでも強くなるためには実戦あるのみ!
「庵君!!いまから急いで学生達の所に行くよ!!」
夜神は急いで指示を出して、隠れて討伐を見ていた庵の元に駆けていくのであった。
二刀流で吸血鬼と戦う為だ。柄巻は青と赤の色を巻いている。この武器の名前でもある色にちなんでだ。
夜神の武器は「蒼月・紅月」本差しの蒼月と脇差の紅月で、同じ玉鋼から作られた兄妹刀である。
自分の相手を見る。WSが居るとの事だが実際どれがそのクラスかは分からない。
ただ、今までの経験から刺繍の多い上着や、クラバットにリングをしているのは、クラスが上の吸血鬼が多かったので、長谷部には悪いが「多分そうかも?」で振り分けた。
間違っていたら交代すればいいだけの話なのだから、あまり考えなくてもいいかもしれない。
そんなアバウト発言で長谷部は無表情になったが、気を引き締め治して、別の吸血鬼との距離を保ち、七海の合図を待っている。
夜神も同じく距離を縮め、合図待ちである。
七海の合図を確認して刀を抜く。
だが、相手もすぐさまに危険を察知し、同じく剣を抜く。
距離を縮め剣と刀の攻防を繰り広げる。間違いない、WSだ。
夜神はそう確信して、攻防から攻撃に変えていく。
「貴様ら!軍の奴らか。我々の邪魔をするな。たかが人間ごときが貴族に逆らうな」
「軍の人間で何か問題でも?あなた達が「狩り」の為に、人を狩るのであれば、我々軍人は守るために戦うの」
「「狩り」を知っていたか?ならば貴様らが我々の獲物になれ、死ね!!」
牙を見せながら、叫び、剣を喉元めがけて突いてくる。
その攻撃を往なして、相手がほんの僅かだが、体勢を崩す。
すかさず脇差で、太股を刺していく。少しでも動きを鈍くさせるためだ。
そうしてこちらの予測通り、動きが鈍くなったのを瞬時に判断すると相手から半歩下がり、腰を少し落とし脇差を素早く鞘に収めると、両手で本差の蒼月を持つ
「吼えよ!蒼月!!」
すると、獣が吼える声が聞こえてくる。虎や獅子のように大型の獰猛な獣の声だ。
刀から青い光が溢れ出す。溢れた光は夜神の体を包むとやがて虎の姿を形作る。
夜神は刀を吸血鬼の首めがけて振る。
その青い虎は刀と同じ方向から、その獰猛な爪で同じく首を裂く。
「おのれー!ガッハッ」
吸血鬼は信じられない目つきで、その攻撃を受ける。
相手の最後の叫びを聞きつつ、夜神は刀で首をはねた。
血飛沫を飛ばして首は飛び、頭のない胴体は白い服を赤く染めて地面に倒れてく。
その、倒れていくのを最後まで見届けて、血に塗られた刀を軽く振り、血を落とし鞘に収めていく。
夜神の瞳は赤くなっていた。いつもの白い瞳ではなく、倒れた吸血鬼の流す血と同じ赤色をしている。
色素が薄いため、普段は白い瞳なのだか、体を動かしたり、興奮状態になると体内の血液のめぐりが良くなり、その結果色素の薄い瞳は赤くなる。
庵にも説明したとき「あとは秘密」等、言っていたがこの状態を見たら一発で分かるだろう。
夜神は少しだけ口角を上げてそして、ため息をした。
どうせ、そのうち知られることなのは分かっていた事。それが早いか遅いかだけの差。ただ、この状態を果たしてどのように捉えるかで、自分の立ち位置が決まるような気がしてままならない。
(血を見て異常興奮でこうなったと思われたらどうしょう?体を動かしたり血流が良くなったからと言わないと。実際そうだし。けして興奮からこうなるのではないと知ってもらわないと、色々と恥ずかしいわ)
夜神は自分の任務が終わったのを確認して、急いで庵の元に行く。急ぐのには理由があるからだ。
学生達はD・Cクラスを討伐している。庵だけ出来ませんでした!では本人が可愛そうだ。
少しでも強くなるためには実戦あるのみ!
「庵君!!いまから急いで学生達の所に行くよ!!」
夜神は急いで指示を出して、隠れて討伐を見ていた庵の元に駆けていくのであった。
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