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「抜刀!!蒼月・紅月!」
夜神はかけ声と共に、二本の刀を抜く。
すると、その場から樹の幹伝いに跳んで、蜘蛛よりも高い位置に、その華奢な体を上げる。
そして、体を回転させながら、蜘蛛の頭から二本の刀で切り刻んでいく。
一体の蜘蛛を討伐すると、横にいるもう一体の蜘蛛に向かい駆け出すと
「喰らえ!紅月!」
と刀に指示をだす。すると脇差から赤い光が放たれると
「キィィ━━!!」と鳥の鳴き声がする。
放たれた光は赤い鳥になって夜神の肩に止まる。大きくて、尾の長い鳥だ。
その鳥は夜神の脇差の動きに合わせるように動く。
脇差を蜘蛛の腹に突き立てたと思ったら、突き立てたまま跳んで、腹から頭まで真っ二つに斬りつける。その鳥も合わせて、嘴を突き立てたら空に向かって羽ばたいていく。
「吠えよ!!蒼月!」
跳んでいた体勢から、命尽きて倒れる蜘蛛の頭を踏み台にして、体を捻りながら脇差を鞘に収めると、本差の蒼月をしっかりと構えて後ろにいる、最後の蜘蛛相手に蒼月を振るう。
青い光と共に虎が現れて、夜神の後を追う。
地面に着いたと思ったら、そのまま跳んで両手に握りしめた刀を水平に振り、蜘蛛の頭を落とす。
その時、青い虎も鋭い爪で蜘蛛に同じように、攻撃をする。
全てのDクラスのを討伐した夜神は息一つ乱さず、ただ、赤くなった瞳だけを暗くさせて自分が討伐したものを見ている。
暗く冷ややかにした瞳は先程まで、生きていた生物を何の感情もなく見ている。
弱い━━━━その一言に尽きる。
たが、学生は違う。コイツらを多く討伐し、少しずつ力をつけていく。そしていずれは自分達の後継者を見つけなくては行けない。
それが自分達の今しなくてはいけない事。
夜神は刀を振り、付いた汚れを落として鞘に納める。
その動きを見ていた者たちは、彼女についたあだ名の数々を思いうがべただろう。
「歩く最強」や「白の狂犬」など
庵もその一人だった。「双剣の舞姫」二刀流の夜神が刀を振るう動きはまるで踊っているようにも見えたのだ。
キレイだ・・・・
軍、最強などと言われて恐怖の存在のようにとらえられるが実際、自分も恐怖の対象として見ていたし、接していたが今の夜神からは恐怖は感じない。
ただ一言で言えば「綺麗」その一言のみだ
夜神に色々なあだ名があるのにも納得する。ここまで異彩を放つ人も中々いない。
瞳の色も相まって、まるで存在するする人なのかと疑ってしまうからだ。
離れて見ていた学生達が拍手を贈る。
中には「スゲ~」や「あれが噂の・・・」など称賛や疑問の声があがる。
刀を納めて、ため息をしていると周りから拍手があがる。だが、自分は拍手されるようなことをした覚えがない。
自分より上の階級・・・・直属の上司ではないにせよ、上からの命令は絶対だ。その相手が残りの討伐を任したのだ。
全て討伐するのはあたり前で、拍手される覚えはない。
たとえ相手がいなくとも、ここは戦場。不意の攻撃があるかもしれない状況だ。
「学生諸君!まだ任務中だよ。たとて相手が絶命して、周りに敵がいなくとも、気を緩めない。不意の攻撃を予測することも大事なことよ!」
夜神は大きな声で周りの学生達をたしなめる。すると拍手はすぐにやみ何名かは「失礼しました!!」と声がする。
夜神はその声に返事することもなく、庵の所まで行く。
「お疲れ様。とりあえず目標のDクラス討伐は出来て良かった。庵君意外と動けるんだね。良かった。これならもう少しハードモードな指導でも大丈夫そう」
なぜかクスクス笑いながら、黒革のグローブを桜色の唇にあてている。
素敵だ・・・・いや、まて!ハードモードとはなんぞや!あれ以上のことをされるやか?死ぬ!絶対死ぬ!
「や、夜神中佐!冗談ですよね。動けたのもまぐれです。お気になさらず・・・・ハッハハハハァ~」
声が裏返るが気にしない!全力で阻止したい!まさに、生きた心地がしない。
庵は夜神の一挙一動を注意深く観察し、これ以上間違った答を出さないように努めた。
夜神はかけ声と共に、二本の刀を抜く。
すると、その場から樹の幹伝いに跳んで、蜘蛛よりも高い位置に、その華奢な体を上げる。
そして、体を回転させながら、蜘蛛の頭から二本の刀で切り刻んでいく。
一体の蜘蛛を討伐すると、横にいるもう一体の蜘蛛に向かい駆け出すと
「喰らえ!紅月!」
と刀に指示をだす。すると脇差から赤い光が放たれると
「キィィ━━!!」と鳥の鳴き声がする。
放たれた光は赤い鳥になって夜神の肩に止まる。大きくて、尾の長い鳥だ。
その鳥は夜神の脇差の動きに合わせるように動く。
脇差を蜘蛛の腹に突き立てたと思ったら、突き立てたまま跳んで、腹から頭まで真っ二つに斬りつける。その鳥も合わせて、嘴を突き立てたら空に向かって羽ばたいていく。
「吠えよ!!蒼月!」
跳んでいた体勢から、命尽きて倒れる蜘蛛の頭を踏み台にして、体を捻りながら脇差を鞘に収めると、本差の蒼月をしっかりと構えて後ろにいる、最後の蜘蛛相手に蒼月を振るう。
青い光と共に虎が現れて、夜神の後を追う。
地面に着いたと思ったら、そのまま跳んで両手に握りしめた刀を水平に振り、蜘蛛の頭を落とす。
その時、青い虎も鋭い爪で蜘蛛に同じように、攻撃をする。
全てのDクラスのを討伐した夜神は息一つ乱さず、ただ、赤くなった瞳だけを暗くさせて自分が討伐したものを見ている。
暗く冷ややかにした瞳は先程まで、生きていた生物を何の感情もなく見ている。
弱い━━━━その一言に尽きる。
たが、学生は違う。コイツらを多く討伐し、少しずつ力をつけていく。そしていずれは自分達の後継者を見つけなくては行けない。
それが自分達の今しなくてはいけない事。
夜神は刀を振り、付いた汚れを落として鞘に納める。
その動きを見ていた者たちは、彼女についたあだ名の数々を思いうがべただろう。
「歩く最強」や「白の狂犬」など
庵もその一人だった。「双剣の舞姫」二刀流の夜神が刀を振るう動きはまるで踊っているようにも見えたのだ。
キレイだ・・・・
軍、最強などと言われて恐怖の存在のようにとらえられるが実際、自分も恐怖の対象として見ていたし、接していたが今の夜神からは恐怖は感じない。
ただ一言で言えば「綺麗」その一言のみだ
夜神に色々なあだ名があるのにも納得する。ここまで異彩を放つ人も中々いない。
瞳の色も相まって、まるで存在するする人なのかと疑ってしまうからだ。
離れて見ていた学生達が拍手を贈る。
中には「スゲ~」や「あれが噂の・・・」など称賛や疑問の声があがる。
刀を納めて、ため息をしていると周りから拍手があがる。だが、自分は拍手されるようなことをした覚えがない。
自分より上の階級・・・・直属の上司ではないにせよ、上からの命令は絶対だ。その相手が残りの討伐を任したのだ。
全て討伐するのはあたり前で、拍手される覚えはない。
たとえ相手がいなくとも、ここは戦場。不意の攻撃があるかもしれない状況だ。
「学生諸君!まだ任務中だよ。たとて相手が絶命して、周りに敵がいなくとも、気を緩めない。不意の攻撃を予測することも大事なことよ!」
夜神は大きな声で周りの学生達をたしなめる。すると拍手はすぐにやみ何名かは「失礼しました!!」と声がする。
夜神はその声に返事することもなく、庵の所まで行く。
「お疲れ様。とりあえず目標のDクラス討伐は出来て良かった。庵君意外と動けるんだね。良かった。これならもう少しハードモードな指導でも大丈夫そう」
なぜかクスクス笑いながら、黒革のグローブを桜色の唇にあてている。
素敵だ・・・・いや、まて!ハードモードとはなんぞや!あれ以上のことをされるやか?死ぬ!絶対死ぬ!
「や、夜神中佐!冗談ですよね。動けたのもまぐれです。お気になさらず・・・・ハッハハハハァ~」
声が裏返るが気にしない!全力で阻止したい!まさに、生きた心地がしない。
庵は夜神の一挙一動を注意深く観察し、これ以上間違った答を出さないように努めた。
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