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閑話 イタリア共同演習 15
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演習も最終日になった。
昨日は演習終了後、七海達にベルナルディ中佐とのやり取りを話すと、速攻で藤堂元帥の執務室に連れて行かれて、厳重注意を受けてしまった。
自分の未熟さを呪ってしまったが、それ以上に気になるのは、元帥が「枕元に嵐山が立ってしまう」と言っていたことだ。
なぜ、先生が枕元に立つのかが不明だが、それが自分でなく、元帥の所なのが更に理解が出来なかった。
そして、「明日は絶対、何かしらあるから気を引き締めろ!!」と念押しされる始末である。
そして迎える最終日、イタリア軍対日本軍のサバイバルゲームで、虎次郎のとんでも案「勝者は、相手国の人を誘って観光」をイタリア軍は採用して欲しいと事前通達があり、演習指揮者の虎次郎は喜んで採用していたのだ。
前半の演習でも、ベルナルディ中佐率いる隊は、色々な意味で危険だったが、今回の演習でも危ないと、既に虎次郎をはじめとする第一室のメンバーは危険視している。
「虎次郎が変な案件を提案するし、採用するからこんな事になったんじゃないの?」
一番の原因を作っているであろう人物に、夜神は真っ向から語りかける。
「うえ~~まじかぁ~~そんなつもりで今回も採用したんじゃねけどなぁ~~カルロの野郎、覚えておけよ」
自分の事を棚に上げて、相手を非難する七海に、第一室長の隊長クラスの全員がため息をしていた。
そんな不毛なやり取りをしていたが、時間も迫っていた為、互いが気を付ける事を確認しあって、それぞれ指定の場所にスタンバイする。
サバイバルゲーム用の刀を帯刀した夜神は、冬の冷たい風がよぎる中を、直立不動でたたずむ。
今日が終われば、このひと騒動も落ち着くのかもしれない。
共闘していくはずが、ここで袂を別れても虚しさしかない。出来れば、ベルナルディ中佐個人の暴走で片付けられたらいいが、それは難しいだろう。
ならば、何処まで知っているのだろうか?
夜神は首を押える。皇帝によって付けられた「スティグマ」の場所を。
「スティグマ」が皇帝の所有物の印の事や、皇帝によって身も心も陵辱されてしまったことなど、機密扱いされているものもある。
その機密が何処まで漏れて、そして何を知っているのか、悩んでしまう。
けど、昨日の護身用の鎖は考えられない。確かに鎖で相手にダメージを与える方法もあるが、あのタイミングで落とすことなど無理がある。わざとしか考えられない。
「あぁー考えるのがしんどい・・・・・本当にしんどい」
ため息混じりでぼやく以外、心のモヤモヤを吐き出すことが出来なかった。
しばらく葛藤していると、インカムから指示がくる。
『夜神大佐!そろそろ動いて大丈夫です。真っ直ぐ走って下さい。そうしたら二部隊いますので、気絶させて下さい』
『了解!』
『夜神大佐、もし他のイタリア軍に遭遇した場合は、全て気絶させるようにと七海少佐からの指示です』
『了解しました。気絶させればいいんですね?』
『そうです。お願いします』
まさかの全員気絶の指示に驚きを隠せなかった。それだけ色々な事を考えてくれた、結果なのかもしれない。
改めて、自分の事なのに背中がゾワゾワとしてくる。
指示通り、真っ直ぐ走っていくと、こちらに向かってくる二部隊を確認する。
向こう側も気づき、お互いが戦闘態勢に入る。
夜神は、刀の柄に手を置いて、いつでも抜刀出来るようにする。
そして、相手がハンドガンを構えながら射撃してくる。その弾を避けながら、抜刀した刀は相手の手から銃を弾くと、懐まで一気に詰め寄って、拳を叩き込んで気絶させる。
もちろん、相手は部隊で向かって来たので、複数人いる。一人を気絶させると、刀を納刀して次々と気絶させていく。
全員が地面に倒れるまでの時間は数分。その間、夜神は表情を変えることなく、指示をこなしていく。
『ふぅ━━・・・・こちら夜神!移動中の二部隊を気絶させました。このまま待機でしょうか?』
『こちら作戦本部。もうすぐ他の部隊と合流しますので、待機していて下さい』
『了解・・・・・・・・すみません。囲まれました。只今より全員気絶させます』
『了解。気を付けて下さい』
やり取りをきり上げて、周りを注意して見ていく。すると夜神を囲むようして、次々と現れる。
そこには、今一番会いたくないベルナルディ中佐もいた。
『流石です。けど、この人数は無理でしょう?』
『分かりませんよ?』
話しを楽しむ予定はない夜神は、返答したと同時に横に移動して、一人の首筋に手刀を当てる。
その時、後ろから使っていない手首に、冷たい何かが絡まり、引っ張られる。
「?!」
よく見ると分銅鎖が絡みつき、片腕の動きを封じられている。
「っ・・・・嫌っ!」
手首に巻き付き、逃げることも許されず、皇帝に何度も好き勝手に陵辱され続けた記憶がよぎる。
あれ程厳重注意され、気を引き締めてきたのに、突然の出来事に対応出来ない自分呪う。
周りのイタリア軍は一斉に銃を構えて、夜神に向かって撃ち込んでいく。
怯んでいた夜神だったが、銃を構える動きを見た瞬間、体が動き出す。それは無意識に、だが、体は積み重ねられた経験が覚えているのだ。
自分に向かって撃ち込まれた弾を躱すため、その場で跳躍する。高く飛んで自分に向かってきた銃弾を躱す。
けど、それを予測して撃ち込んでくる人物がいる。
その人物はベルナルディ中佐だ。飛んだ体に何発か撃ち込む。それは見事に命中する。
サバイバルゲーム用のペイント弾だが、当たると痛みはある。軽い衝撃を体に受けながら、体を捻り着地すると、手首を捕らえている鎖の方に向かって走り出す。
「最悪だよ」
そう言って、分銅鎖を握っていた人間に、拳を叩き込んで気絶させると、絡まった鎖を解いて握り込む。
背中を向けていたイタリア軍に向きを変えると、その分銅鎖をクルクル回しながら、一歩づつ近づいていく。
そして、目の前の人物の足に投げて、動きを封じると、素早く動いて、次々と相手を地面に倒れさせていく。
それを見ていたベルナルディ中佐は驚愕していた。
━━━━何故、ここまで動けるのだ?あんなに嫌がって、拒否反応まであったのに。
確かに、分銅鎖が捕らえた瞬間「嫌!」と反応はあった。
けど、その後はいつもの夜神大佐と変わらない動きだった。
それに反応し予測をして、空中に銃弾を撃ち込むと、見事に命中して、持ち点を減らすことは出来た。
だが、それ以上にこちらは痛手を被る。半分の人間が地面に倒れているのだ。
『流石ですね、ベルナルディ中佐。動きを予測して銃弾を撃ち込むのは』
『褒めてもらえて光栄だよ。動きが鈍いようだけど大丈夫かい?』
既にはったりに近い脅しだった。動きが鈍いのは最初だけで、いつ克服したのか分からないが、いつもの夜神大佐に戻っている。
『ベルナルディ中佐と鉢合わせしたからですよ。けど、「次」はありません。覚悟して下さい』
夜神は刀を抜いて構える。それを見たベルナルディ中佐も同じく剣を構える。
互いに牽制しあって、「その時」を待った。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メインイベントのサバイバルゲームです。ベルナルディ中佐は勝者になれるのか?
そして、夜神大佐と観光出来るのかはまだ分かりません。
昨日は演習終了後、七海達にベルナルディ中佐とのやり取りを話すと、速攻で藤堂元帥の執務室に連れて行かれて、厳重注意を受けてしまった。
自分の未熟さを呪ってしまったが、それ以上に気になるのは、元帥が「枕元に嵐山が立ってしまう」と言っていたことだ。
なぜ、先生が枕元に立つのかが不明だが、それが自分でなく、元帥の所なのが更に理解が出来なかった。
そして、「明日は絶対、何かしらあるから気を引き締めろ!!」と念押しされる始末である。
そして迎える最終日、イタリア軍対日本軍のサバイバルゲームで、虎次郎のとんでも案「勝者は、相手国の人を誘って観光」をイタリア軍は採用して欲しいと事前通達があり、演習指揮者の虎次郎は喜んで採用していたのだ。
前半の演習でも、ベルナルディ中佐率いる隊は、色々な意味で危険だったが、今回の演習でも危ないと、既に虎次郎をはじめとする第一室のメンバーは危険視している。
「虎次郎が変な案件を提案するし、採用するからこんな事になったんじゃないの?」
一番の原因を作っているであろう人物に、夜神は真っ向から語りかける。
「うえ~~まじかぁ~~そんなつもりで今回も採用したんじゃねけどなぁ~~カルロの野郎、覚えておけよ」
自分の事を棚に上げて、相手を非難する七海に、第一室長の隊長クラスの全員がため息をしていた。
そんな不毛なやり取りをしていたが、時間も迫っていた為、互いが気を付ける事を確認しあって、それぞれ指定の場所にスタンバイする。
サバイバルゲーム用の刀を帯刀した夜神は、冬の冷たい風がよぎる中を、直立不動でたたずむ。
今日が終われば、このひと騒動も落ち着くのかもしれない。
共闘していくはずが、ここで袂を別れても虚しさしかない。出来れば、ベルナルディ中佐個人の暴走で片付けられたらいいが、それは難しいだろう。
ならば、何処まで知っているのだろうか?
夜神は首を押える。皇帝によって付けられた「スティグマ」の場所を。
「スティグマ」が皇帝の所有物の印の事や、皇帝によって身も心も陵辱されてしまったことなど、機密扱いされているものもある。
その機密が何処まで漏れて、そして何を知っているのか、悩んでしまう。
けど、昨日の護身用の鎖は考えられない。確かに鎖で相手にダメージを与える方法もあるが、あのタイミングで落とすことなど無理がある。わざとしか考えられない。
「あぁー考えるのがしんどい・・・・・本当にしんどい」
ため息混じりでぼやく以外、心のモヤモヤを吐き出すことが出来なかった。
しばらく葛藤していると、インカムから指示がくる。
『夜神大佐!そろそろ動いて大丈夫です。真っ直ぐ走って下さい。そうしたら二部隊いますので、気絶させて下さい』
『了解!』
『夜神大佐、もし他のイタリア軍に遭遇した場合は、全て気絶させるようにと七海少佐からの指示です』
『了解しました。気絶させればいいんですね?』
『そうです。お願いします』
まさかの全員気絶の指示に驚きを隠せなかった。それだけ色々な事を考えてくれた、結果なのかもしれない。
改めて、自分の事なのに背中がゾワゾワとしてくる。
指示通り、真っ直ぐ走っていくと、こちらに向かってくる二部隊を確認する。
向こう側も気づき、お互いが戦闘態勢に入る。
夜神は、刀の柄に手を置いて、いつでも抜刀出来るようにする。
そして、相手がハンドガンを構えながら射撃してくる。その弾を避けながら、抜刀した刀は相手の手から銃を弾くと、懐まで一気に詰め寄って、拳を叩き込んで気絶させる。
もちろん、相手は部隊で向かって来たので、複数人いる。一人を気絶させると、刀を納刀して次々と気絶させていく。
全員が地面に倒れるまでの時間は数分。その間、夜神は表情を変えることなく、指示をこなしていく。
『ふぅ━━・・・・こちら夜神!移動中の二部隊を気絶させました。このまま待機でしょうか?』
『こちら作戦本部。もうすぐ他の部隊と合流しますので、待機していて下さい』
『了解・・・・・・・・すみません。囲まれました。只今より全員気絶させます』
『了解。気を付けて下さい』
やり取りをきり上げて、周りを注意して見ていく。すると夜神を囲むようして、次々と現れる。
そこには、今一番会いたくないベルナルディ中佐もいた。
『流石です。けど、この人数は無理でしょう?』
『分かりませんよ?』
話しを楽しむ予定はない夜神は、返答したと同時に横に移動して、一人の首筋に手刀を当てる。
その時、後ろから使っていない手首に、冷たい何かが絡まり、引っ張られる。
「?!」
よく見ると分銅鎖が絡みつき、片腕の動きを封じられている。
「っ・・・・嫌っ!」
手首に巻き付き、逃げることも許されず、皇帝に何度も好き勝手に陵辱され続けた記憶がよぎる。
あれ程厳重注意され、気を引き締めてきたのに、突然の出来事に対応出来ない自分呪う。
周りのイタリア軍は一斉に銃を構えて、夜神に向かって撃ち込んでいく。
怯んでいた夜神だったが、銃を構える動きを見た瞬間、体が動き出す。それは無意識に、だが、体は積み重ねられた経験が覚えているのだ。
自分に向かって撃ち込まれた弾を躱すため、その場で跳躍する。高く飛んで自分に向かってきた銃弾を躱す。
けど、それを予測して撃ち込んでくる人物がいる。
その人物はベルナルディ中佐だ。飛んだ体に何発か撃ち込む。それは見事に命中する。
サバイバルゲーム用のペイント弾だが、当たると痛みはある。軽い衝撃を体に受けながら、体を捻り着地すると、手首を捕らえている鎖の方に向かって走り出す。
「最悪だよ」
そう言って、分銅鎖を握っていた人間に、拳を叩き込んで気絶させると、絡まった鎖を解いて握り込む。
背中を向けていたイタリア軍に向きを変えると、その分銅鎖をクルクル回しながら、一歩づつ近づいていく。
そして、目の前の人物の足に投げて、動きを封じると、素早く動いて、次々と相手を地面に倒れさせていく。
それを見ていたベルナルディ中佐は驚愕していた。
━━━━何故、ここまで動けるのだ?あんなに嫌がって、拒否反応まであったのに。
確かに、分銅鎖が捕らえた瞬間「嫌!」と反応はあった。
けど、その後はいつもの夜神大佐と変わらない動きだった。
それに反応し予測をして、空中に銃弾を撃ち込むと、見事に命中して、持ち点を減らすことは出来た。
だが、それ以上にこちらは痛手を被る。半分の人間が地面に倒れているのだ。
『流石ですね、ベルナルディ中佐。動きを予測して銃弾を撃ち込むのは』
『褒めてもらえて光栄だよ。動きが鈍いようだけど大丈夫かい?』
既にはったりに近い脅しだった。動きが鈍いのは最初だけで、いつ克服したのか分からないが、いつもの夜神大佐に戻っている。
『ベルナルディ中佐と鉢合わせしたからですよ。けど、「次」はありません。覚悟して下さい』
夜神は刀を抜いて構える。それを見たベルナルディ中佐も同じく剣を構える。
互いに牽制しあって、「その時」を待った。
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そして、夜神大佐と観光出来るのかはまだ分かりません。
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