ブラッドゲート〜月は鎖と荊に絡め取られる〜 《軍最強の女軍人は皇帝の偏愛と部下の愛に絡め縛られる》

和刀 蓮葵

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ルードヴィッヒはゆっくりと夜神に近づくと、手首を掴み椅子の背の方に持ってくると鎖で纏める。
夜神も大人しく従う気もないので、何とかして避けようとするが力差には勝てなかった。
呆気なく手が纏められると、胸を中心に上と下に鎖が、背もたれと一緒に巻きつけられる。胸を強調するようにも見える。胸縄縛りの一種だ。
椅子の背と一緒に巻きつけられたので、背なかを丸めることも出来ない。

それでも顔だけは必死に動かすが、結局両手が自由か不自由かの差で全てが決まったようなものだ。
ルードヴィッヒは夜神の両頬を掴むと、背もたれに押し付ける。すると、鎖が額に巻き付いて背もたれと一体化する。
全ての体の自由を奪ったルードヴィッヒは満足して見下ろす。

「解いて!もう、やめて!!」
以前にも受けた屈辱的行為を思い出し、涙が出てくる。頭がもげるぐらい振りたいのに頭は固定されて、嫌でも皇帝を見てしまう。
皇帝は、テーブルに置かれたスプーンを手に取るとリゾットを一口すくい、口の端を軽く上げながら夜神の口元にリゾットを持ってくる。
「ほら、あ~んして?食べさせてあげようね。凪ちゃん?ちゃんと食べないと・・・・・ここに来た意味がないでしょう?」
「なら、一人で食べらるから!だから、鎖をほどいてっ!!」
「だーめ。ちゃんと食べたか分からないでしょう?ほら、あ~んしてごらん?・・・・・昨日のベッドでも言ったけど私の命令は絶対だよ?ねぇ、世界を蹂躪して欲しい?」

蹂躪・・・・その言葉に夜神は恐れ慄いた。皇帝は言ったことは絶対にする。ここで、拒絶をしていたなら、嬉々として蹂躪するよう騎士団や以前、無理矢理見せられた軍の施設に命令する。そして、続々と吸血鬼が投入されるだろう。
そうなれば、今は二カ国だけの蹂躪で終わっている世界も、瞬く間に奴らに食い尽くされる。
「っぅ・・・・・」

忌々しいものを見るように、皇帝を見るとゆっくりと口を開いていく。
その開いた口の中にリゾットを流し込まれて、夜神は無意識に目を閉じて、全身を強張らせた。
体の中に皇帝の鎖が深々と埋め込まれ、これがいつ動き出すの分からないからだ。

口の中からスプーンだけが抜かれて、リゾットが口の中に残る。それを怖怖こわごわとしながらも、ゆっくりと噛み砕いて飲み込む。
「う・・・・」
「上手に食べれたね。さぁ、次だよ」
次のリゾットを準備して口元に運ぶ。それをもう一度口に入れられていく。

夜神は気が気でない。いつ動くのか神経が徐々にすり減っていく。
もし、この口に含んでいるものを吐き出したら・・・・
経験しているだけに怖い。それでも次々に運ばれる食事を食べていかなければならない。
動きを制限された体を震わせながら、いつ来るか分らない恐怖に慄きながら、夜神は皇帝からの食事を何とかして食べていった。

全てを胃に収めて、意味もなく安心してしまう。その間、圧迫はずっとあったが動き出すことのない鎖に神経をすり減らしていたのだ。
いつ来るか分らない恐怖と、それに伴い口の中にあるものを吐き出してしまった時にくる恐怖があり、それがなくなったことに安堵してしまう。
「偉いね。全部食べられたね~なら、デザートも食べようか?」
まだあるの?いい加減にして欲しい。
皇帝の言葉で更に不安が増す。リゾットで終わると思っていたのに、更にデザートまであるのだ。
この行為は更に続くことに絶望しかない。

ルードヴィッヒは今度は脚付きガラスに盛られた、半分の洋梨のコンポートを手に取り一口に切り分けていく
「凪ちゃんのお口は小さいから、切り分けてあげようね」
笑いながらフォークで分けて、コンポートを刺すとまた、口元に持ってくる。
「最後まで、ね?ほら、ちゃんと食べなきゃ、どうなるんだった?ん?」
「ぅ・・・・・・」
眉を寄せてしまう。けど、自分は何も出来ないことを十分に理解している。結局出来る事は皇帝に従い、口を開き食べさせて貰うしかないのだ。

再び、食事を皇帝から与えられる。切り分けたコンポートが少なくなっていき、残り一口になった時、皇帝は夜神の席にあった手つかずの水の入ったゴブレットを手に取ると一気に飲み干す。
そして、近くに居た給仕に差し出して告げる
「私の食事はこれに注いでくれ」
「っ!」
皇帝の食事・・・・それは血だ。皇帝は吸血鬼。吸血鬼の食事は血。目の前で飲まれるのも嫌なのに、近くで飲むのか!
顔を背けたいのに、鎖で動けないせいで、正面を見るしかない。有り難いことに目の前は誰もいない席があるだけだ。
その席の人物はすぐ隣りにいるが・・・・

ルードヴィッヒは給仕から赤黒い血液が入ったゴブレットを受け取ると、夜神に見せつけるようにしてゴブレットを目の前に持ってくる。
「っ・・・・いい加減にして」
「ふふふっ、頂きます・・・・・」
笑ってゴブレットの中の物を飲んでいく。喉が動き嚥下していくのが分かる。夜神は何故か目が離せなくなった。
見たくもない筈なのに、何故か見てしまう。何故?疑問しか残らない。そんな中、皇帝は全てを飲み切ると、一口だけ残していた洋梨コンポートを口に含んで、夜神の口を塞ぐ。

「?!んっ!!ん、ん!!」
余りにも急だったので簡単に舌だけで唇を抉じ開けられてしまう。
そして、甘いコンポートと一緒に鉄の味が口の中に広がる。
誰か分らない、きっと無理矢理採られた血の味が・・・・
頭が可笑しくなりそうだった。血の味は慣れている。それは自分の血だけだ。
それが、甘い味と鉄の味が一緒に口の中に入ってきて、更に・・・・・
「ん、ん~~・・・・ん!」
皇帝の舌がコンポートを転がしながら、夜神の舌も同じように嬲っていく。

気持ち悪い。やだ。やめてよ・・・・

逃げ出したいのに何も出来なくて、只々受け入れるしかない。頭の中が可笑しくなりそうになった時、蜜壷をみっちりと埋めていた鎖がぐりぐりと振動していく。
「ゔゔぅ、ん!ん───ん!!」
椅子の足に括り付けられた足は爪先立ちになりはじめる。後ろで纏められた手も指先まで、真っ直ぐと伸びていく。
背中も鎖で動けないが、それでも限界までビクビクとしながら仰け反ってしまう。

いつの間にか顎は捉えられ、あいたもう片方の手は筋の出た首筋をつっーぅと辿り、鎖骨を飽きるまで何度も指が伝い、剥き出しの肩を撫でていく。
口の中は皇帝の舌とコンポートが何度も、行ったり来たりしていく。そして、ジュルと舌を吸われ、擽ったい硬口蓋を何度も舐められる。
けど、それよりも一番感じてしまうのは自分の中に埋められたものだ。

「ん゛んん!ふぅ、ん、ん────?!ん゛ん゛ん゛つ!!」
蜜壷に満遍なく振動を与えながら、皇帝が突くような衝撃はないが、それでも確実に子宮口を突いていくのだ。
ずっと曖昧な刺激だけを受け続けていた体は、すぐに皆楽を拾ってしまう。
簡単に皆楽を拾った体は、すぐに昂られ、そして、弾ける。
「ん゛!ん!!!!んんん゛──────────っ!!」
閉じた目から涙が溢れていく。頭の中は簡単に真っ白になる。
弾け終わると、何故か震えだす。人の目があるところで好き勝手されて、声は皇帝の口に塞がれていたけど、絶頂を迎え感じている声を出してしまった。
その羞恥に耐えられなくて震えてしまった。

そして、口の中を満たす甘いコンポートの味と、鉄の味。
二つの混ざった物が口いっぱいに広がる。
吐き出したいのに、それを許されることはなく、更に皇帝の舌が散々動いて、煽っていく。
息が満足に出来なくて、苦しくて・・・・・

一際強く舌を吸って、口の中を何度も行き来したたコンポートをルードヴィッヒの舌が、無理矢理喉奥に押し込まれる
「う゛・・・ぐぅ~」
ゴクッ・・・・自分の喉が動く。
甘い味と血の味が一緒に喉を通り胃に収められ。
その、ちぐはぐした味に背中が粟立つ。

「うぅぅ・・・・・ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・」
「美味しかったかい?それにしてもはとっても甘いね・・・・凪ちゃん、ご馳走さましなきゃ?ちゃんとご挨拶しないとね?・・・・ほら、言って?」
口の中に残った、血と唾液を嚥下してルードヴィッヒは笑いながら夜神に挨拶を促す。

唇を塞がれ、絶頂を迎えされられた体は、空気を求めていたので、やっと開放されて何度も荒い息を繰り返す。
息も絶え絶えなのに、無理矢理物を嚥下して、更に挨拶を強要する。
けど、ここで命令を聞かないと、更に自分の首を絞める事になる。
それは、今まで十分に経験したことなので、不本意だが従うしかなかった。

「・・・・・ごちそう・・・さまでした」
繰り返す深呼吸の合間に何とか声を絞り出す。皇帝の勝ち誇ったような満面の笑みの顔など、まともに見ることなど出来なくて、視線を彷徨わせる。
その悔しそうな顔を見て、ルードヴィッヒは悦楽した顔を夜神に向けた。
暗く揺らめく視線は、絶頂のせいで赤くなった瞳の夜神を見て満足していった。
拘束されて、食事を食べさせられて、鎖の楔が動いて皆楽を無理矢理与えられ、血の味がする唇で口を塞がれ、そして、人が居るところで絶頂を迎える。

そんな理不尽な行為をされた夜神の心情は、荒れ狂っていたと分かるから笑ってしまった。
心の底から笑ってしまった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

食べさせて貰うのは、大佐にとっては苦い思い出しかないです。
再び、体験して大佐も大変だったでしょうね・・・・
けど、一番の被害者は同じ空間にいる給仕の方々でしょう。
朝っぱらから何見せられてるねん!!とツッコミしてるかもしれませね?知らんけど・・・・・・
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