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理性の言い訳――崩落 前編
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──夢だった、と言い切るには、生々しすぎた。
肌に残る熱。太腿の内側に貼りつくような湿り気。
そして、指の奥で震えながら絶頂に達したあの瞬間の記憶は、いまも胸の奥を疼かせていた。
目が覚めたとき、私はすでに汗ばんだ寝衣の中で、自分の胸を抱くようにして身を縮めていた。
どこか甘い、でも引きつるような快楽の余韻が、下腹部に残っている。
──思い出してしまう。
あの瞳。あの声。
そして、指の感触。
エリアス殿下の手が、私のショーツの奥にまで滑り込み、何度も、何度も掻き回した。
「勉強だから」と言われれば、拒めなかった。
でも本当は、あのときすでに──私は、自分から彼を招き入れていた。
「っ……」
羞恥で熱を持った顔を冷ますように、私は両手で頬を覆う。
こんな姿、誰にも見せられない。
……それなのに。
「お嬢様、朝の身支度をお手伝いしますね」
侍女のマリナが扉の外から声をかけてきた。慌てて寝具を直しながら、私は努めて平静を装う。
「ええ……お願い」
鏡台の前に座り、髪を梳かれているあいだも、身体のどこかが敏感なままだった。
ブラウスの布が乳首に擦れるたびに、ごく微かに反応してしまう。
下着を履き替えたとき、下着の中央に滲んでいた痕跡を見たときの、あの鈍い快感の記憶が、まだ拭えない。
「……お嬢様、今日は顔色がほんのりと。頬が赤いような」
「……そう? 気のせいよ」
必死に平静を装いながら、心は乱れていた。
先生として、もう一度向き合わなくてはいけない。
けれど……あのとき、あの瞬間。
私のどこに、先生らしい理性が残っていただろうか?
彼の指を受け入れ、濡れて、感じて、泣きそうなほどの快感に喘いだのは──
紛れもなく、クラウディアというひとりの女だった。
それでも。私は今日も、王子の性教育係として王宮へ向かう。
心臓が、さっきからずっと痛いくらいに打っている。
足元が落ち着かない。
何も始まっていないのに、もう身体が熱を持ち始めている。
だが、扉を開けた瞬間、その不安は別の形に変わった。
「クラウディア先生。お待ちしておりました」
部屋の中央に立っていた彼──エリアスは、まるで昨夜のことなどなかったかのように微笑んでいた。
指先ひとつ、私の肌を知り尽くした少年の、まっすぐで澄んだ笑顔。
それが、ひどく残酷に思えた。
* * *
「本日は、どのようなことを学びましょうか?」
椅子に腰かけながら、穏やかな声でそう問いかける彼は、いつも通りだった。
物腰柔らかく、目元には無邪気な笑み。
けれどその奥に潜む熱は、私だけが知っている。
あの指が、私の秘所をどれほど丁寧に愛撫したか──
あの瞳が、どれほど淫らに私の奥を覗き込んだか。
そのすべてを思い出すたび、心臓がどくんと跳ねた。
「……今日は、女性器の構造について、実地を交えて説明しようと思います」
声がかすれていた。意識して整えようとしても、のどの奥が乾いてうまく回らない。
「嬉しいです。僕……昨日のこと、ずっと反芻してましたから」
「なっ……」
口元を押さえて反射的に俯く。
彼は何気ない顔をしているけれど、その言葉の意味を私は、痛いほど知っている。
「クラウディア先生。今日は……触れるだけではなく、ちゃんと見て学びたいです」
まっすぐな言葉に、私は一瞬、息を止めた。
拒絶の言葉は、喉まで出かかったのに──舌先で止まった。
──この子に、見られるの?
羞恥に腹の奥がひりついた。
けれど、それ以上に身体が、あの熱を求めていた。
私はそっと椅子から立ち上がり、長椅子の前に腰を下ろす。
スカートの裾を自ら膝上まで引き上げ、ゆっくりと足を開いていく。
「……見るだけよ。ほんの少し、だけ」
震える声でそう言うと、エリアスは真剣な面持ちで膝をつき、私の脚の間にすっと滑り込んだ。
「失礼します……」
そっとショーツの縁に指をかけ、ためらいがちに下ろされていく布。
湿った空気が肌に触れた瞬間、ひたりと蜜が零れ落ちた。
彼の吐息が、熱を帯びて私の太腿に触れる。
「……すごい。昨日より、ずっと濡れてる」
「やっ……そんなこと……言わないで……っ」
潤んだ花弁が、彼の視線に晒される。
広げられることはなかったのに、自然と開いてしまっていた。
花芯が、ぷくりと膨らみ、蜜壺の奥からはぬるりとした滴が伝う。
「ここが……クリトリス?」
言葉と同時に、舌先がそっと触れた。
瞬間、腰が跳ねた。
「……あぁっ!」
息が詰まり、目の前がぐらりと揺れる。
「舌で触ると……先生、こんなに感じるんですね」
くちゅっ……と音を立てて、舌が敏感な粒を撫でていく。
円を描き、上下に擦り、吸うように、転がすように──
「っ、だ、だめ……やめて……そんなにしたら、また……」
「また……って、どうなりますか?」
問いかけに、私は答えられなかった。
ただ、唇を震わせ、彼の髪にすがるように手を置いた。
舌先が、愛撫の合間に蜜壺の縁をなぞり、時折、ほんの浅く、差し込まれていく。
「中……とろとろで、熱いです。ここ、指じゃなくて舌で感じると……すごく、甘い」
「っ、ひ……あ、ああっ……っ!」
もう無理。
何も考えられない。
腰が浮き、彼の口にもっと深く押しつけてしまう。
彼の舌に導かれながら、私は蜜を垂らし、快感に溺れていた。
「先生……いただきます――」
次の瞬間、クリトリスをきゅっと吸われ──
「っっ……あぁあぁ……っ……!」
声にならない悲鳴と共に、全身が弾けた。
震える脚の間にいる彼は、ただ穏やかに微笑んでいた。
それが、妙に眩しくて、私は思わず目を逸らす。
私が教えているはずだった。
けれど、いま確かに、私は教えられていた。
──快楽の味も、心のほどき方も。
この少年に、私はすべてを、奪われ始めている。
肌に残る熱。太腿の内側に貼りつくような湿り気。
そして、指の奥で震えながら絶頂に達したあの瞬間の記憶は、いまも胸の奥を疼かせていた。
目が覚めたとき、私はすでに汗ばんだ寝衣の中で、自分の胸を抱くようにして身を縮めていた。
どこか甘い、でも引きつるような快楽の余韻が、下腹部に残っている。
──思い出してしまう。
あの瞳。あの声。
そして、指の感触。
エリアス殿下の手が、私のショーツの奥にまで滑り込み、何度も、何度も掻き回した。
「勉強だから」と言われれば、拒めなかった。
でも本当は、あのときすでに──私は、自分から彼を招き入れていた。
「っ……」
羞恥で熱を持った顔を冷ますように、私は両手で頬を覆う。
こんな姿、誰にも見せられない。
……それなのに。
「お嬢様、朝の身支度をお手伝いしますね」
侍女のマリナが扉の外から声をかけてきた。慌てて寝具を直しながら、私は努めて平静を装う。
「ええ……お願い」
鏡台の前に座り、髪を梳かれているあいだも、身体のどこかが敏感なままだった。
ブラウスの布が乳首に擦れるたびに、ごく微かに反応してしまう。
下着を履き替えたとき、下着の中央に滲んでいた痕跡を見たときの、あの鈍い快感の記憶が、まだ拭えない。
「……お嬢様、今日は顔色がほんのりと。頬が赤いような」
「……そう? 気のせいよ」
必死に平静を装いながら、心は乱れていた。
先生として、もう一度向き合わなくてはいけない。
けれど……あのとき、あの瞬間。
私のどこに、先生らしい理性が残っていただろうか?
彼の指を受け入れ、濡れて、感じて、泣きそうなほどの快感に喘いだのは──
紛れもなく、クラウディアというひとりの女だった。
それでも。私は今日も、王子の性教育係として王宮へ向かう。
心臓が、さっきからずっと痛いくらいに打っている。
足元が落ち着かない。
何も始まっていないのに、もう身体が熱を持ち始めている。
だが、扉を開けた瞬間、その不安は別の形に変わった。
「クラウディア先生。お待ちしておりました」
部屋の中央に立っていた彼──エリアスは、まるで昨夜のことなどなかったかのように微笑んでいた。
指先ひとつ、私の肌を知り尽くした少年の、まっすぐで澄んだ笑顔。
それが、ひどく残酷に思えた。
* * *
「本日は、どのようなことを学びましょうか?」
椅子に腰かけながら、穏やかな声でそう問いかける彼は、いつも通りだった。
物腰柔らかく、目元には無邪気な笑み。
けれどその奥に潜む熱は、私だけが知っている。
あの指が、私の秘所をどれほど丁寧に愛撫したか──
あの瞳が、どれほど淫らに私の奥を覗き込んだか。
そのすべてを思い出すたび、心臓がどくんと跳ねた。
「……今日は、女性器の構造について、実地を交えて説明しようと思います」
声がかすれていた。意識して整えようとしても、のどの奥が乾いてうまく回らない。
「嬉しいです。僕……昨日のこと、ずっと反芻してましたから」
「なっ……」
口元を押さえて反射的に俯く。
彼は何気ない顔をしているけれど、その言葉の意味を私は、痛いほど知っている。
「クラウディア先生。今日は……触れるだけではなく、ちゃんと見て学びたいです」
まっすぐな言葉に、私は一瞬、息を止めた。
拒絶の言葉は、喉まで出かかったのに──舌先で止まった。
──この子に、見られるの?
羞恥に腹の奥がひりついた。
けれど、それ以上に身体が、あの熱を求めていた。
私はそっと椅子から立ち上がり、長椅子の前に腰を下ろす。
スカートの裾を自ら膝上まで引き上げ、ゆっくりと足を開いていく。
「……見るだけよ。ほんの少し、だけ」
震える声でそう言うと、エリアスは真剣な面持ちで膝をつき、私の脚の間にすっと滑り込んだ。
「失礼します……」
そっとショーツの縁に指をかけ、ためらいがちに下ろされていく布。
湿った空気が肌に触れた瞬間、ひたりと蜜が零れ落ちた。
彼の吐息が、熱を帯びて私の太腿に触れる。
「……すごい。昨日より、ずっと濡れてる」
「やっ……そんなこと……言わないで……っ」
潤んだ花弁が、彼の視線に晒される。
広げられることはなかったのに、自然と開いてしまっていた。
花芯が、ぷくりと膨らみ、蜜壺の奥からはぬるりとした滴が伝う。
「ここが……クリトリス?」
言葉と同時に、舌先がそっと触れた。
瞬間、腰が跳ねた。
「……あぁっ!」
息が詰まり、目の前がぐらりと揺れる。
「舌で触ると……先生、こんなに感じるんですね」
くちゅっ……と音を立てて、舌が敏感な粒を撫でていく。
円を描き、上下に擦り、吸うように、転がすように──
「っ、だ、だめ……やめて……そんなにしたら、また……」
「また……って、どうなりますか?」
問いかけに、私は答えられなかった。
ただ、唇を震わせ、彼の髪にすがるように手を置いた。
舌先が、愛撫の合間に蜜壺の縁をなぞり、時折、ほんの浅く、差し込まれていく。
「中……とろとろで、熱いです。ここ、指じゃなくて舌で感じると……すごく、甘い」
「っ、ひ……あ、ああっ……っ!」
もう無理。
何も考えられない。
腰が浮き、彼の口にもっと深く押しつけてしまう。
彼の舌に導かれながら、私は蜜を垂らし、快感に溺れていた。
「先生……いただきます――」
次の瞬間、クリトリスをきゅっと吸われ──
「っっ……あぁあぁ……っ……!」
声にならない悲鳴と共に、全身が弾けた。
震える脚の間にいる彼は、ただ穏やかに微笑んでいた。
それが、妙に眩しくて、私は思わず目を逸らす。
私が教えているはずだった。
けれど、いま確かに、私は教えられていた。
──快楽の味も、心のほどき方も。
この少年に、私はすべてを、奪われ始めている。
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