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堕としの序章 後編
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夢の中の王女は、何のためらいもなく――その舌を、ラグリナの秘裂に這わせた。
最初は優しく。表面をくすぐるように、繊細な舌先が花弁をなぞる。
やがて指先で左右に割り広げ、肉芽を露出させると、そこへ唇を寄せ、吸い上げるように口づけを落とす。
「あっ……ぁ……だ、めぇ……っ」
潤んだ瞳を見開いたまま、ラグリナは震える。
受け入れたくない。認めたくない。だが――
乳房を吸われ、腰を撫でられ、秘部をしゃぶられながら、ラグリナの身体はもう、何度も小刻みに跳ねていた。
夢の中で与えられた感触に、身体の奥が応えてしまう。
下腹部がきゅうっと収縮し、膣壁がひくひくと痙攣するようにうねりはじめる。
心は叫んでいた。「やめろ」「こんなものに屈しない」と。
だが、身体はもう――
「やっ……あ、あああっ……!」
腰が浮いた。
頭の中で、何かが弾ける音がした。
呼吸が止まり、胸がきつく締めつけられ、そこから解き放たれるように、甘い熱が下腹から全身へ駆け抜ける。
夢の中の王女は、優しく微笑んだまま言った。
「可愛いわ、ラグリナ。あなたのそういう声、初めて聞いた」
――視界が、白く染まる。
……気がつけば、ラグリナは現実の牢に戻っていた。
鎖に吊られたまま、汗ばんだ身体を震わせていた。
そして、気づく。
(いま……わたし、絶頂して……?)
太腿の間が、ぬるりと濡れていた。
下腹から蜜がこぼれ落ちて、脚を伝い、石床にぽたりと音を立てて滴る。
「うそ……っ」
思わず、声が漏れた。
誰にも触れられていない。男に抱かれたわけでもない。
ただ、夢を見て――王女に、愛されたような幻に浸って――
勝手に、達してしまった。
(そんな、そんなはず……これは、幻術のせい、薬のせいで……)
心が否定するたび、身体の中で甘い痺れが残響のように疼く。
太腿を閉じたくても、鉄枷がそれを許さない。蜜がその間を伝って、また一滴、足元に落ちていった。
嗚咽のような息が漏れる。羞恥。困惑。そして、恐怖。
――自分の意志じゃなかった。それは確かだ。
だが、ではどうして。
(本当に……わたしの身体なの、これが?)
誓い。忠義。矜持。
そのすべてが、快楽に塗れた一瞬で――霧のようにぼやけていく。
ラグリナは、気づきはじめていた。
身体の奥から、崩れている。
自分の核だと思っていた誇りが、甘く蕩けている――そんな実感に。
* * *
その夜、地下牢の観察室。
魔晶石に映し出されるラグリナの姿を、ザイグルは椅子に腰掛けたまま眺めていた。
鎖に吊られた女騎士の身体は、絶頂の余韻に濡れていた。太腿には蜜が伝い、指一本触れられていないというのに、女の部分が赤く腫れて艶めいている。
「美しいな……心はなお抗っていようが、身体はすでに女として出来上がっている」
グラスの中の葡萄酒を一口。
隣に控える魔女の助手が口を開く。
「これ以上の幻術刺激は不要かと。既に身体の受容は済みました」
「そうだな。次は――忠義を折る段階だ」
ザイグルは立ち上がり、魔晶に指を伸ばした。
「ラグリナ。お前が唯一、心の盾としてすがっていた存在……そろそろ、それを解いてやる時だ」
その言葉は、魔力に変換され、霧のように魔晶石の奥へと染み込んでいく。
同時に、牢の中のラグリナが――かすかに眉をひそめた。
ぼんやりと揺れる意識の底。
さっきまでの夢は、確かに幻だった。
けれど、いま響いた声は――幻ではなかった。
「……ラグリナ……」
耳の奥に、囁くように響く。
それは懐かしく、優しく、心の深いところにしみ込む声。
それだけで、頬が熱くなるような。
胸の奥が疼くような。
(王女様……?)
彼女の声が、確かにした。
でも、どこから?
死んだはずの、あの方が。
私の腕の中で血を流し、笑って――「あなたは、生きて」と言ってくれたあの夜のことが、また蘇る。
(いや……これは、違う)
ラグリナの中で、言葉にならない不安が生まれる。
幻術の夢ではなかった。もっと現実的な、もっとこちらに近い声だった。
頭が混乱する。忠義の象徴であった王女が、いま、どこかで生きているかのような――そんな気配が、皮膚の奥を這いまわる。
そして、牢の外では。
ザイグルが静かに、暗き廊下を進んでいた。
その手には、銀鎖の首輪をつけられ、緩やかな呼吸で跪く――一人の女。
長い金髪。可憐な面立ち。だがその瞳は、とろりと濁り、口元には笑みを浮かべている。
「出番ですよ、王女殿下。あなたの愛しき騎士に、次の段階を教えてやってください」
彼女はうなずいた。
「はい、ザイグル様……わたくしの、かわいいラグリナに……雌としての悦びを、教えてあげますね」
最初は優しく。表面をくすぐるように、繊細な舌先が花弁をなぞる。
やがて指先で左右に割り広げ、肉芽を露出させると、そこへ唇を寄せ、吸い上げるように口づけを落とす。
「あっ……ぁ……だ、めぇ……っ」
潤んだ瞳を見開いたまま、ラグリナは震える。
受け入れたくない。認めたくない。だが――
乳房を吸われ、腰を撫でられ、秘部をしゃぶられながら、ラグリナの身体はもう、何度も小刻みに跳ねていた。
夢の中で与えられた感触に、身体の奥が応えてしまう。
下腹部がきゅうっと収縮し、膣壁がひくひくと痙攣するようにうねりはじめる。
心は叫んでいた。「やめろ」「こんなものに屈しない」と。
だが、身体はもう――
「やっ……あ、あああっ……!」
腰が浮いた。
頭の中で、何かが弾ける音がした。
呼吸が止まり、胸がきつく締めつけられ、そこから解き放たれるように、甘い熱が下腹から全身へ駆け抜ける。
夢の中の王女は、優しく微笑んだまま言った。
「可愛いわ、ラグリナ。あなたのそういう声、初めて聞いた」
――視界が、白く染まる。
……気がつけば、ラグリナは現実の牢に戻っていた。
鎖に吊られたまま、汗ばんだ身体を震わせていた。
そして、気づく。
(いま……わたし、絶頂して……?)
太腿の間が、ぬるりと濡れていた。
下腹から蜜がこぼれ落ちて、脚を伝い、石床にぽたりと音を立てて滴る。
「うそ……っ」
思わず、声が漏れた。
誰にも触れられていない。男に抱かれたわけでもない。
ただ、夢を見て――王女に、愛されたような幻に浸って――
勝手に、達してしまった。
(そんな、そんなはず……これは、幻術のせい、薬のせいで……)
心が否定するたび、身体の中で甘い痺れが残響のように疼く。
太腿を閉じたくても、鉄枷がそれを許さない。蜜がその間を伝って、また一滴、足元に落ちていった。
嗚咽のような息が漏れる。羞恥。困惑。そして、恐怖。
――自分の意志じゃなかった。それは確かだ。
だが、ではどうして。
(本当に……わたしの身体なの、これが?)
誓い。忠義。矜持。
そのすべてが、快楽に塗れた一瞬で――霧のようにぼやけていく。
ラグリナは、気づきはじめていた。
身体の奥から、崩れている。
自分の核だと思っていた誇りが、甘く蕩けている――そんな実感に。
* * *
その夜、地下牢の観察室。
魔晶石に映し出されるラグリナの姿を、ザイグルは椅子に腰掛けたまま眺めていた。
鎖に吊られた女騎士の身体は、絶頂の余韻に濡れていた。太腿には蜜が伝い、指一本触れられていないというのに、女の部分が赤く腫れて艶めいている。
「美しいな……心はなお抗っていようが、身体はすでに女として出来上がっている」
グラスの中の葡萄酒を一口。
隣に控える魔女の助手が口を開く。
「これ以上の幻術刺激は不要かと。既に身体の受容は済みました」
「そうだな。次は――忠義を折る段階だ」
ザイグルは立ち上がり、魔晶に指を伸ばした。
「ラグリナ。お前が唯一、心の盾としてすがっていた存在……そろそろ、それを解いてやる時だ」
その言葉は、魔力に変換され、霧のように魔晶石の奥へと染み込んでいく。
同時に、牢の中のラグリナが――かすかに眉をひそめた。
ぼんやりと揺れる意識の底。
さっきまでの夢は、確かに幻だった。
けれど、いま響いた声は――幻ではなかった。
「……ラグリナ……」
耳の奥に、囁くように響く。
それは懐かしく、優しく、心の深いところにしみ込む声。
それだけで、頬が熱くなるような。
胸の奥が疼くような。
(王女様……?)
彼女の声が、確かにした。
でも、どこから?
死んだはずの、あの方が。
私の腕の中で血を流し、笑って――「あなたは、生きて」と言ってくれたあの夜のことが、また蘇る。
(いや……これは、違う)
ラグリナの中で、言葉にならない不安が生まれる。
幻術の夢ではなかった。もっと現実的な、もっとこちらに近い声だった。
頭が混乱する。忠義の象徴であった王女が、いま、どこかで生きているかのような――そんな気配が、皮膚の奥を這いまわる。
そして、牢の外では。
ザイグルが静かに、暗き廊下を進んでいた。
その手には、銀鎖の首輪をつけられ、緩やかな呼吸で跪く――一人の女。
長い金髪。可憐な面立ち。だがその瞳は、とろりと濁り、口元には笑みを浮かべている。
「出番ですよ、王女殿下。あなたの愛しき騎士に、次の段階を教えてやってください」
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