専属契約 ~俺はおまえの愛玩奴隷~

黒巻雷鳴

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chapter.02

同性とセックスをする仕事

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 金曜日の夜七時。冬をイメージした寒色系の青いイルミネーションがきらめく幻想的な空間は、多くの家族連れや若い男女でにぎわっていた。
 そんな街の光景に目もくれず、わたるは寒気を頬で感じながら人々の流れに逆らって進む。
 今夜は雪の予報ではあったが、曇り空は風に飛ばされ星空が垣間見えた。もっとも、無数に輝く発光体のそのほとんどは人工衛星なのだろうが。
 本当の星を最後に見たのはいつだったか──記憶にはもうない。
 指定された赤坂にあるホテルの前で立ち止まると、航は口に含んでいたミントガムを銀色の包み紙に戻してダッフルコートの前ポケットに入れた。


     *


 509号室。ここが目的地だ。
 リズミカルに、されど短くノックをする。それが共通の合図だった。
 ドアがひらく。
 現れた初老の男は、ネクタイを外した痕がうかがえる白のくたびれたワイシャツと鈍い光沢を放つ濃紺のスラックスを身につけていた。

「やあ。本当にハンサムなんだね。会えるのが待ち遠しくて、今日は一日が長く感じられたよ」

 抑揚のない穏やかな口調とは裏腹に、男の右手はスラックスのファスナーを大胆にも下ろし、前開きの白いブリーフから半起ちになった性器を露出させる。部屋からは一歩も出てはいないので、目の前の航にしかソレは見えない。
 この無礼で破廉恥ハレンチな年上の男がなにを求めているのか、航にはもちろん理解できていた。その場で両膝を着いた航は、手を使わずに初対面の男のぺニスを口に含んだ。

「おおっ……! キミ、なかなか上手じゃないか。ウッ、くっ……溜め込んでいたから、すぐに射精てしまいそうだよ」

 男はしゃぶられたまま、後ろ歩きでゆっくりと室内へと戻る。航も男の腰を両手で捕らえ、貪欲にむしゃぶりつきながら膝歩きの卑猥な姿で部屋へと入った。
 オートロックの扉が背後で静かに施錠されると、男は低い声で呻き、口内の陰茎は情けなく二三度程ひくついてすぐに射精を行った。やがて静寂の室内には、咽喉を鳴らす音が短く響いた。
 滲み出る精液を一滴も残すまいと頬をすぼめた航は、念入りに唾液にまみれた舌で器用に亀頭や裏筋を洗浄する。
 ほんの数ヵ月前では想像ができないことを、今の自分は躊躇いなく淡々とこなせられる。どれだけの男と寝てきたのか──高級男娼となった当初は嫌でも人数を記憶していたが、その苦痛すら消えて感じられなくなっていた。考えることを放棄するすべを無意識に学んだのかもしれない。

「ははは……〝即尺〟で呆気なく果てた早漏オヤジだと思わないでくれよ。シャワーは浴びなくていいから、今度はベッドの上で二回戦だ」

 機械的に奉仕活動を続けている航を見下ろす男はそう言いながら、股間で前後に蠢く頭を愛しそうに撫でた。

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