14 / 36
chapter.02
同性とセックスをする仕事
しおりを挟む
金曜日の夜七時。冬をイメージした寒色系の青いイルミネーションがきらめく幻想的な空間は、多くの家族連れや若い男女でにぎわっていた。
そんな街の光景に目もくれず、航は寒気を頬で感じながら人々の流れに逆らって進む。
今夜は雪の予報ではあったが、曇り空は風に飛ばされ星空が垣間見えた。もっとも、無数に輝く発光体のそのほとんどは人工衛星なのだろうが。
本当の星を最後に見たのはいつだったか──記憶にはもうない。
指定された赤坂にあるホテルの前で立ち止まると、航は口に含んでいたミントガムを銀色の包み紙に戻してダッフルコートの前ポケットに入れた。
*
509号室。ここが目的地だ。
リズミカルに、されど短くノックをする。それが共通の合図だった。
ドアがひらく。
現れた初老の男は、ネクタイを外した痕がうかがえる白のくたびれたワイシャツと鈍い光沢を放つ濃紺のスラックスを身につけていた。
「やあ。本当にハンサムなんだね。会えるのが待ち遠しくて、今日は一日が長く感じられたよ」
抑揚のない穏やかな口調とは裏腹に、男の右手はスラックスのファスナーを大胆にも下ろし、前開きの白いブリーフから半起ちになった性器を露出させる。部屋からは一歩も出てはいないので、目の前の航にしかソレは見えない。
この無礼で破廉恥な年上の男がなにを求めているのか、航にはもちろん理解できていた。その場で両膝を着いた航は、手を使わずに初対面の男のぺニスを口に含んだ。
「おおっ……! キミ、なかなか上手じゃないか。ウッ、くっ……溜め込んでいたから、すぐに射精てしまいそうだよ」
男はしゃぶられたまま、後ろ歩きでゆっくりと室内へと戻る。航も男の腰を両手で捕らえ、貪欲にむしゃぶりつきながら膝歩きの卑猥な姿で部屋へと入った。
オートロックの扉が背後で静かに施錠されると、男は低い声で呻き、口内の陰茎は情けなく二三度程ひくついてすぐに射精を行った。やがて静寂の室内には、咽喉を鳴らす音が短く響いた。
滲み出る精液を一滴も残すまいと頬をすぼめた航は、念入りに唾液にまみれた舌で器用に亀頭や裏筋を洗浄する。
ほんの数ヵ月前では想像ができないことを、今の自分は躊躇いなく淡々とこなせられる。どれだけの男と寝てきたのか──高級男娼となった当初は嫌でも人数を記憶していたが、その苦痛すら消えて感じられなくなっていた。考えることを放棄するすべを無意識に学んだのかもしれない。
「ははは……〝即尺〟で呆気なく果てた早漏オヤジだと思わないでくれよ。シャワーは浴びなくていいから、今度はベッドの上で二回戦だ」
機械的に奉仕活動を続けている航を見下ろす男はそう言いながら、股間で前後に蠢く頭を愛しそうに撫でた。
そんな街の光景に目もくれず、航は寒気を頬で感じながら人々の流れに逆らって進む。
今夜は雪の予報ではあったが、曇り空は風に飛ばされ星空が垣間見えた。もっとも、無数に輝く発光体のそのほとんどは人工衛星なのだろうが。
本当の星を最後に見たのはいつだったか──記憶にはもうない。
指定された赤坂にあるホテルの前で立ち止まると、航は口に含んでいたミントガムを銀色の包み紙に戻してダッフルコートの前ポケットに入れた。
*
509号室。ここが目的地だ。
リズミカルに、されど短くノックをする。それが共通の合図だった。
ドアがひらく。
現れた初老の男は、ネクタイを外した痕がうかがえる白のくたびれたワイシャツと鈍い光沢を放つ濃紺のスラックスを身につけていた。
「やあ。本当にハンサムなんだね。会えるのが待ち遠しくて、今日は一日が長く感じられたよ」
抑揚のない穏やかな口調とは裏腹に、男の右手はスラックスのファスナーを大胆にも下ろし、前開きの白いブリーフから半起ちになった性器を露出させる。部屋からは一歩も出てはいないので、目の前の航にしかソレは見えない。
この無礼で破廉恥な年上の男がなにを求めているのか、航にはもちろん理解できていた。その場で両膝を着いた航は、手を使わずに初対面の男のぺニスを口に含んだ。
「おおっ……! キミ、なかなか上手じゃないか。ウッ、くっ……溜め込んでいたから、すぐに射精てしまいそうだよ」
男はしゃぶられたまま、後ろ歩きでゆっくりと室内へと戻る。航も男の腰を両手で捕らえ、貪欲にむしゃぶりつきながら膝歩きの卑猥な姿で部屋へと入った。
オートロックの扉が背後で静かに施錠されると、男は低い声で呻き、口内の陰茎は情けなく二三度程ひくついてすぐに射精を行った。やがて静寂の室内には、咽喉を鳴らす音が短く響いた。
滲み出る精液を一滴も残すまいと頬をすぼめた航は、念入りに唾液にまみれた舌で器用に亀頭や裏筋を洗浄する。
ほんの数ヵ月前では想像ができないことを、今の自分は躊躇いなく淡々とこなせられる。どれだけの男と寝てきたのか──高級男娼となった当初は嫌でも人数を記憶していたが、その苦痛すら消えて感じられなくなっていた。考えることを放棄するすべを無意識に学んだのかもしれない。
「ははは……〝即尺〟で呆気なく果てた早漏オヤジだと思わないでくれよ。シャワーは浴びなくていいから、今度はベッドの上で二回戦だ」
機械的に奉仕活動を続けている航を見下ろす男はそう言いながら、股間で前後に蠢く頭を愛しそうに撫でた。
20
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる