専属契約 ~俺はおまえの愛玩奴隷~

黒巻雷鳴

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chapter.02

専属契約

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 航は葛城の元で働いていた。
 葛城の金まわりが良い理由は、高級な娼婦・男娼を特定の富裕層(権力者や著名人たち)に斡旋する元締めだったからだ。
 ただし、彼が紹介するのは一夜限りの相手ではなく、場合によっては年間契約も交わされる専属の愛人パートナーたちだ。
 それは、性交渉が主体の恋愛関係。定期検査で性病の不安もない、選りすぐりの美男美女が利用者ユーザーの願望・命令にほとんどNGもなく忠実に従う姿は好評で、彼らの独占欲を多いに刺激した。
 愛人側にいろいろと負担は大きいが、その分報酬も高額なために年俸が三千万を超える仲間もざらにいる。それに、契約期間中の相手はひとり。風俗や水商売よりは接客のストレスが別次元で少ない。

 本日の客は〝お試し〟らしく、翌朝までには解放された。ホテルを出て深夜のネットカフェに向かった航は、狭い個室の中でエナジードリンクを飲みながら漫画を読んでいた。
 始発を待たなくてもタクシー代に困らない稼ぎは十二分ある。だが、こんな他愛もない一時ひとときも航にとっては自由でいられる貴重な時間で、ほかの仲間も案外似たような過ごし方をしているそうだ。
 と、常時マナーモードのスマートフォンに着信がきた。この振動バイブパターンは葛城だ。
 大きなため息を漏らしてから、トイレへ向かう。通話目的で個室に入った航は、さっきの個室よりも落ち着くなと、ふと思った。

「……もしもし?」
『アオイ、おいしい話が来たぞ。長期ロングの客で、爺さんの大金持ちだ』

 アオイ──葛城は航の本名を知っても、相変わらずそう呼んでいる。そしてそれは、そのまま航の通り名になっていた。もっとも、仲間内で本名を知っている間柄なんて誰もいないはずだが。

「ふーん……で、いつからいつまで?」
『フフフッ、聞いて驚けよ。無期限だ』
「えっ」

 無期限とは、まさかの夢の数字だ。それも、悪いほうの夢の。
 実際は年間契約の随時更新になるそれは、相当な金を消費する。葛城が言うように大金持ちの老人であれば、そこまで長い年数を更新できないだろうが……。

「無期限って、マジかよ?……で、開始スタートはいつ?」
『もう始まってる。そのうち非通知がくるだろうから、その指示に従え。……アオイ、大丈夫そうか?』
「ああ」
『ありがとう、愛してるよ』

 いつもの別れの言葉を一方的に残して、葛城は通話を切った。

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