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chapter.02
新しい御主人様
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航は現在、山間部にある湖畔近くの邸宅にいた。
黒を基調とした外観、そして、八角形状の張り出し窓が印象的なヴィクトリアン様式のこの建造物は、避暑地としての好立地からも別荘であることが容易に想像できる。陽が高い今でこそ深緑の世界に際立っているが、宵闇に呑まれれば、その姿を何事もなかったかのようにすっかりと消し去るだろう。
谷村に導かれ、数ある部屋のなかから八角形状の一階サンルームに通される。邸内は靴のままで構わないと言われていたが、入るや否や、全裸になるよう指示を受けた航は、躊躇わずに衣服と下着をその場で脱ぎ捨てた。
傍にいる谷村の視線を強く感じる。先ほどの車内のような穏やかな雰囲気はここに存在しない。ジョークは交わされず、航も見向きもせずに、直立して次の指示をおとなしく待つ。
「そろそろ御対面の時間だけど、あなたはプロフェッショナルだから、警告なんて要らぬ心配かしらね」
「そんな自覚はありませんよ。ただ、客相手に無礼を働いた記憶はあまりないです」
「フフッ、本当にあなたって子は……洲崎クン、新しい御主人様のお出ましよ」
谷村の緊張感に促され、大客間の奥から微かに聞こえてきたドアがひらく音に注意を向ける。やがて、堤が車椅子の老夫を押して静かに現れた。
その男は、ひどく痩せ衰えた印象を受けるが、肩に少し掛かるほどの長い白髪はオールバックに整えられて髭もなく清潔だった。年輪が深く刻まれた瞼の下の両目には、猛禽類を思わせる獰猛な生気が宿っているものの、車椅子とナイトガウンの見てくれからして、ベッドの住人であることに間違いはないだろう。
「ふーん、画像よりも顔が小さくてイケメンじゃねぇーか。それに肉づきが良くて穴も健康そうだ。俺は着痩せする型が好きでねぇー……よし、気に入った。あとは鳴き声とよがり具合だな。おい堤、やれ」
男が背後の堤に命じると、彼もまた、着衣を脱ぎ始める。
背広のジャケットから始まったストリップ・ショーは、ネクタイからワイシャツへと優雅に移行し、タンクトップ、革のベルト、スラックス、靴下、ビジネスシューズの順に木床の上に落とされてゆく。そして最後には、黒のブーメランパンツが虚空に放り投げられた。
露になった全身の筋肉は、鍛え抜かれた格闘家のようにいっさい無駄がなく、男性器もその浅黒い肉体美に相応しい理想的なサイズだった。平常時でコレならば、世界を相手にしても恥ずかしくはなかろう。
全裸となった堤が航の目の前にやって来た頃には、すっかりと完全な勃起を終えていた。
(こいつ……ただの運転手じゃなくて竿師だったのか)
航は思う。余興として人前でセックスをさせられるのはめずらしくない。だが、堤のようなプロフェッショナルを身近に置く客は初めてだった。どうやら新しい御主人様は、かなりの曲者のようだ。
航の引き締まった腰とヒップに手がまわされる。下腹部に熱く反り返った肉棒が押し当てられたかと思えば、何度も脈打ちながら、ぬめった先走り汁を潤滑油がわりに臍穴の上を通過した。
「久しぶりのセックスだ。楽しませてくれよ」
返事をする暇も与えられずに唇を奪われる。
航はいつものように、無我となって舌先の愛撫に応えた。
黒を基調とした外観、そして、八角形状の張り出し窓が印象的なヴィクトリアン様式のこの建造物は、避暑地としての好立地からも別荘であることが容易に想像できる。陽が高い今でこそ深緑の世界に際立っているが、宵闇に呑まれれば、その姿を何事もなかったかのようにすっかりと消し去るだろう。
谷村に導かれ、数ある部屋のなかから八角形状の一階サンルームに通される。邸内は靴のままで構わないと言われていたが、入るや否や、全裸になるよう指示を受けた航は、躊躇わずに衣服と下着をその場で脱ぎ捨てた。
傍にいる谷村の視線を強く感じる。先ほどの車内のような穏やかな雰囲気はここに存在しない。ジョークは交わされず、航も見向きもせずに、直立して次の指示をおとなしく待つ。
「そろそろ御対面の時間だけど、あなたはプロフェッショナルだから、警告なんて要らぬ心配かしらね」
「そんな自覚はありませんよ。ただ、客相手に無礼を働いた記憶はあまりないです」
「フフッ、本当にあなたって子は……洲崎クン、新しい御主人様のお出ましよ」
谷村の緊張感に促され、大客間の奥から微かに聞こえてきたドアがひらく音に注意を向ける。やがて、堤が車椅子の老夫を押して静かに現れた。
その男は、ひどく痩せ衰えた印象を受けるが、肩に少し掛かるほどの長い白髪はオールバックに整えられて髭もなく清潔だった。年輪が深く刻まれた瞼の下の両目には、猛禽類を思わせる獰猛な生気が宿っているものの、車椅子とナイトガウンの見てくれからして、ベッドの住人であることに間違いはないだろう。
「ふーん、画像よりも顔が小さくてイケメンじゃねぇーか。それに肉づきが良くて穴も健康そうだ。俺は着痩せする型が好きでねぇー……よし、気に入った。あとは鳴き声とよがり具合だな。おい堤、やれ」
男が背後の堤に命じると、彼もまた、着衣を脱ぎ始める。
背広のジャケットから始まったストリップ・ショーは、ネクタイからワイシャツへと優雅に移行し、タンクトップ、革のベルト、スラックス、靴下、ビジネスシューズの順に木床の上に落とされてゆく。そして最後には、黒のブーメランパンツが虚空に放り投げられた。
露になった全身の筋肉は、鍛え抜かれた格闘家のようにいっさい無駄がなく、男性器もその浅黒い肉体美に相応しい理想的なサイズだった。平常時でコレならば、世界を相手にしても恥ずかしくはなかろう。
全裸となった堤が航の目の前にやって来た頃には、すっかりと完全な勃起を終えていた。
(こいつ……ただの運転手じゃなくて竿師だったのか)
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