専属契約 ~俺はおまえの愛玩奴隷~

黒巻雷鳴

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chapter.02

ブロンズ色の野獣

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 口づけを交わしながら、眠りについたままのペニスに触れられる。
 航は、いまだに男が相手では最初から勃起することがなかった。
 それでも、これまでの主人あるじたちは不満を漏らすのは稀で、むしろ徐々に反応して硬くなっていく若いペニスの恥態に興奮しているようだった。
 いずれにせよ彼らは、しもべの身体を意のままに貪ることに変わりない。爪先までしゃぶり尽くさんばかりの勢いで己の欲望を満たし、宴の最後には必ず身勝手に体内で爆ぜてベッドから降りてゆく。

 そして、この男も──薄目を開けたまま巧みな舌で唾液を送り込んでくる堤もまた、そうなのだろう。航はふと、そう思っていた。
 逆手で掴まれた亀頭がしごかれる。
 武骨な手のひらの刺激と熱、口内の愛撫によって股間に血流が集まる。とうとう航も勃起した。

「ほう……」

 とくに感想を告げぬまま、堤は力強く航のペニスを握りしめると、口角をほんのわずかに上げながら抱き寄せていた腰を直後に解放した。

「ウッ……」

 今度は航が小さく声を洩らす。
 甘い痛みを感じながら様子もうかがう。
 間近にある瞳を見上げ、このゲームの行方を探る。
 それに応えるかのように、ふたたび堤は航を抱きしめて耳元でささやいた。

「ノンケでも感じるんだな」
「……え?!」

 どうしてそれを?
 聞き返す間も驚く暇も与えられず、裸体が反転させられて尖りきった両方の乳首を摘ままれる。思わず上体をあずけた尻の割れ目に、熱く硬い亀頭の先端部が容易くめり込む。

「いい弾力だ。上も下も」

 うなじから始まったフレンチキスは、乳首責めと平行して首筋から耳朶へとテンポ良く進んでいく。
 尻肉に押しつけられた怒張も、割れ目に沿った卑猥な前後運動に勤しんでいた。

「オッサンは尻コキが好きなの? それとも、あのふたりにオナニーを見ててもらうのが大好きで仕方ないのかな」
「フフッ、おまえはやっぱり面白いヤツだ。ここからが本番だ。壊れないように我慢しろよ……いくぞ、航!」

 その言葉の真意を理解出来ぬまま肩口を噛みつかれた航は、声を上げるよりも先に背後から貫かれる。
 それは、一瞬だった。
 数知れない同性たちを受け入れてきた肛門アヌスは、堤の長大なペニスですら難なく呑み込んでゆく。

「うっ、クッ……! ああッ!」
「ローション要らずのやらしい穴だ。ますます気に入ったぞ」

 腰を掴む爪先が肉に容赦なく食い込む。
 ほぼ同時に肩口の噛みつきも再開された。
 野獣だ。
 人間が一匹のケモノに変わっていた。
 これは、ただのセックスではない。
 無防備な獲物に襲い掛かる獣と人間の交尾。そんなショーを特等席で眺めるのは、車椅子の主人と召し使いの女だけ。
 腕組みをして高みの見物をしていた谷村が、壁際にひっそりと置かれていたバーカートに近づく。
 ステムの無いゆったりとした膨らみのウイスキーグラスをひとつ手に取り、セルフサービスで咽喉のどを熱く潤すと、薄いリムに唇を当てたまま振り返って男たちの交尾を目を細めて言葉なく見つめた。

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