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chapter.03
青白い夜明け
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黒塗りのセダンやSUV車の群れが夜明けと共に去ってゆく。
最後の招待客の車を最敬礼で見送り終えた谷村は、無表情のまま背筋を正した。
颯爽とスロープを引き返して玄関扉を開けて後ろ手に閉めると、あくびをしながら大階段の側にある柱時計を見る。
今日は彼女の出社日だった。少しだけなら仮眠をとれなくはない時刻ではあったが、どうしたものかと考えを巡らせていた。
「眠らなくていいのか? 今日は会社があるんだろ」
食堂から現れたのは、帯が解けたガウン姿の堤だ。股間の熱は鎮まり、右手には無塩のトマトジュースが入ったグラスが握られていた。
「んー……送ってくれるなら、車内で寝られるんだけど」
「夜会の翌日はオフだ。悪いが自力で向かえ」
「お休みだからこそ、送ってくれなきゃ。そういう優しさをたまには見せなさいよ」
「おまえは男に優しさを求める型ではないだろう。それに、どうせ休むに決まっている。俺たちの代わりはいくらでも居るんだ、やりたいようにすればいい」
視線を合わさずに堤はそう言うと、深紅に満たされたグラスを口に運びながら大階段を昇っていった。
期待はしていなかったものの、言葉にされると多少なりとも心が傷つく。おまけに、自分たちの存在意義もあらためて考えさせられてしまった。
もう一度あくびをした谷村は、スマートフォンを取り出してメールを手早く作成する。そして、欠勤理由を簡潔にまとめて送信した。
最後の招待客の車を最敬礼で見送り終えた谷村は、無表情のまま背筋を正した。
颯爽とスロープを引き返して玄関扉を開けて後ろ手に閉めると、あくびをしながら大階段の側にある柱時計を見る。
今日は彼女の出社日だった。少しだけなら仮眠をとれなくはない時刻ではあったが、どうしたものかと考えを巡らせていた。
「眠らなくていいのか? 今日は会社があるんだろ」
食堂から現れたのは、帯が解けたガウン姿の堤だ。股間の熱は鎮まり、右手には無塩のトマトジュースが入ったグラスが握られていた。
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期待はしていなかったものの、言葉にされると多少なりとも心が傷つく。おまけに、自分たちの存在意義もあらためて考えさせられてしまった。
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