6 / 6
新たなる伝説
しおりを挟む
◆
「参集!」
私の呼びかけに、闇に潜んでいた者たちが姿を現す。
魔王の玉座を見守りし、魔王曰く『健気な一族』のその全てが今ここに集っている。
たとえ、その表情見えずとも一族の皆が魔王の雄々しき姿に歓喜を振るわせていることがわかる。
「ほう、これが我が先兵となる者達か。
しかし驚いた。その体躯を見るに、童や老体も混ざっているものと見受けられる。
にも関わらず、その全てが類まれなる技を有していることがわかる。いったいどれほどの鍛錬を積み犠牲を払えば、このような一団が築けようか」
「それを、お見せすべく。私たちは、いまここに集うております」
私が、鞘より剣を抜き、その切っ先を魔王へと向けると一族がそれに続いた。
「……どういうつもりだ。いくら、礼より剣を貴ぶ一族と言えど我に剣を向けるなど無礼極まりないぞ」
「それが、我らに与えられた使命ゆえ」
魔王の表情が曇る。
「謀ったのか?」
「よもや」
場が剣呑な空気で満ちる。
魔王の眉根が寄り、見る見るうちに怒りの形相へと変貌していく。
「死ぬことになるぞ」
「覚悟の上」
玉座より立ち上がった魔王が、クロークのピンを弾き肩を慣らす。
「なにゆえだ」
「我ら、勇者の一族でありますれば」
―――――
おわり
―――――
「参集!」
私の呼びかけに、闇に潜んでいた者たちが姿を現す。
魔王の玉座を見守りし、魔王曰く『健気な一族』のその全てが今ここに集っている。
たとえ、その表情見えずとも一族の皆が魔王の雄々しき姿に歓喜を振るわせていることがわかる。
「ほう、これが我が先兵となる者達か。
しかし驚いた。その体躯を見るに、童や老体も混ざっているものと見受けられる。
にも関わらず、その全てが類まれなる技を有していることがわかる。いったいどれほどの鍛錬を積み犠牲を払えば、このような一団が築けようか」
「それを、お見せすべく。私たちは、いまここに集うております」
私が、鞘より剣を抜き、その切っ先を魔王へと向けると一族がそれに続いた。
「……どういうつもりだ。いくら、礼より剣を貴ぶ一族と言えど我に剣を向けるなど無礼極まりないぞ」
「それが、我らに与えられた使命ゆえ」
魔王の表情が曇る。
「謀ったのか?」
「よもや」
場が剣呑な空気で満ちる。
魔王の眉根が寄り、見る見るうちに怒りの形相へと変貌していく。
「死ぬことになるぞ」
「覚悟の上」
玉座より立ち上がった魔王が、クロークのピンを弾き肩を慣らす。
「なにゆえだ」
「我ら、勇者の一族でありますれば」
―――――
おわり
―――――
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる