11 / 36
11:残酷な彼
しおりを挟む「――な――なんで……?」
「べつに――久しぶりに道具使っても面白いかな、って」
起き上がったぼくは、カラー写真入りのそのレンタル表を見た。
……大きなイボイボのついたカラフルなバイブレーター、ピンクローター、馬並みという名前の巨大なディルドー……。
ことばを失ったぼくに、
「――どれがいい?」
ファストフードのメニューを選ぶような軽いノリで、早川くんは聞いてくる。
「このバイブなんてどうだ? 10段階に強さが調節できるらしいぜ」
「……――イヤ――」
「え?」
「――どれも――ヤだ……」
ぼくは、首を振り、早川くんを見上げる。
「こんなの使いたくない」
溢れそうになる涙を堪えながら、ぼくは言う。
「――こんな道具より、早川くんのおちんちんのほうがいい――……」
「………」
――数秒――いや、1分くらい、沈黙していただろうか。
「――わかったよ……」
レンタル表をもとの場所に戻した早川くんは、
「わるかった……」
くしゃくしゃと頭をかき、ぼくをそっと抱き寄せた。
「おまえさ――」
ぼくの目を覗き込み、
「おれのチンコ――好き?」
「うん……」
「じゃあ、おれの――――」
と言いかけて、「……いや――なんでもない」と首を振り、
「さとり――とか、あいつ、妙になれなれしかったから、つい――……」
「……子どものころからお世話になってるから、ああ呼ばれてるだけ。特にそんな――深い仲じゃないよ」
「そっか……」
ほっとしたように息をつくと、膝の上に置いたぼくの手にそっと手を重ね、
「……名前――なんていうの?」
と聞いてくる。
「――え?」
「あいつ――あのカテキョの――」
「ああ――[[rb:鏑木 > かぶらぎ]]――[[rb:鏑木啓司 > かぶらぎけいじ]]先生」
「……あいつも東大なのか?」
「いや、鏑木先生は一橋大学。東大より、家が近かったからそっちにしたみたい」
「でも、頭いいんだろ?」
「まぁね。難しい司法試験も一発合格してるし」
「……おまえの周りってそんなヤツばっかだよな。留学とか、弁護士とか――マジでエリートコースまっしぐらじゃん」
「でも早川くんだってすごいよ。バスケのプロ入りだって、夢じゃないし――……勉強より、スポーツでプロになるほうがずっと難しいよ」
「……おれの取柄はそれだけだから。勉強なんてほとんどしてこなかったな。数学どころか、九九だって8の段以降あやしいくらいだ。それに――」
フッと遠くを見る。
「バスケだって――もしも致命的な怪我をしたら、すべてが終わる。おれの価値なんて、いつまで続くかわからないんだ……」
――それはおそらく、ずっと心の奥底に抱えていた早川くんの本心だったと思う。
「……だいじょうぶだよ」
ぼくは言った。
「早川くんならぜったいプロになれる。ずっと……ずっと応援してるから」
「……サンキュー」
ふっと微笑んだ早川くんは、ぼくの髪を優しく撫でてくれる。
「おまえも東大行くんだろ?」
「あ……う――うん……お父さんとお母さんも東大だったから――」
「へぇ……だったらきっと行けるよ。遺伝子最強だし――あのカテキョにも教えてもらうんだろ?」
「そ……それは……」
「優秀なコーチに教えてもらうのは大事なことだからな。……がんばれよ」
……もしも早川くんが、鏑木先生にはもう会うなと言ってくれたら、ぼくはそうするつもりだった。
だけど、早川くんにとっては、それはどうでもいいことなのだろう。
「……どうした?」
早川くんが、黙り込んだぼくの顔を見つめる。
「なんでも……ない」
ぼくは、「ありがとう」と弱々しく微笑む。
ぼくの頬を軽くさすった早川くんは、唇に触れるだけのキスをする。
ほんのり香る――炭酸水のレモンの匂い。
早川くんは、ぼくのTシャツをめくり、乳首を舌先で舐めた。
「うっ……アッ……!」
片手だとやりづらいのか、持ち上げたシャツの裾をぼくの口に突っ込み、
「咥えてて」
と言う。
「……フッ……ウッ……」
「あ~なんかこういう感じもいいな……興奮する」
シャツを咥え、身悶えるぼくを、早川くんは満足そうに眺める。
もう片方の乳首を、ピンッ、ピンッ、とはじき、
「乳首責め好きだよなぁ、おまえ――……チクニーとか、してんの?」
図星をつかれ、耳朶まで真っ赤になるぼくに、
「……マジ?」
意外そうに眉を上げ、
「……じゃあさ、見せて」
「……?」
「チクニーしてるところ、見せてよ」
ぼくのハーフパンツを下着ごと脱がせ、床に落とし、
「すんげー、ギッチギチじゃん、こっちも」
ペニスをぎゅっと握ってくる。
「自分で乳首いじってみな。こっち扱いてやるから」
「…………ッ……!」
サオの部分をいきなりこすられ、口のなかのシャツを落としそうになる。
「ちゃんと咥えてろ」
「フッ……ゴォッ……」
喉の奥までシャツを突っ込まれたぼくは軽くえづく。
「ほら。チクニーしなかったらチンポさわってやらないぞ? どうするんだ?」
(あっ……あぁ――……)
ぼくはうっすらと涙を浮かべる。
だけど、ぼくのペニスは、早川くんの手のなかでプルプルうれしそうに揺れていて――いやらしい汁をダラダラと垂らし続けている。
乳首をつまんだぼくは、いつも自分でしているみたいに、クリクリこする。
膨らんできた先を爪でつぶし、もう片方の乳首を、ツンッ、ツンッ、とつつく。
ぼくの痴態をまじまじと見ていた早川くんは、ペニスを一気に扱き上げてきた。
(……ッ……! ……ぅっ……!)
咥えたシャツのあいだからダラダラ涎がこぼれる。
ビクンッ、ビクンッ、と魚みたいに跳ねるぼくに、
「手――とまってるぞ。ちゃんとチクニーしな」
早川くんは命じる。
ぼくは、けんめいに乳首をひっぱったり、こすったりする。
そのあいだもずっと、早川くんの手でペニスをシコシコされる。
やがて、絶頂を迎えたぼくは、咥えていたシャツから口を離し、
「……もっ……イッ……くっ……う―ッ……!」
とエビのように大きくのけぞった。
パンパンになったペニスから、精液が噴き出し、早川くんの手を汚す。
……ぐったりするぼくの前で、制服を脱いだ早川くんは、黒い下着姿になり、ぼくの前に立った。
ぼくは、その膨らみに顔を近づけ、下着を下ろす。
ブルンッと勢いよく飛び出してくる勃起。
「んじゃ、次はチンコハムハムしようぜ。オエッてなってもガマンしろよ」
鬼畜なセリフを吐いた早川くんは、ぼくの頭をつかんで股間に押し付ける。
グッと口のなかに突っ込まれるペニス。
「……ゥッ……! ――ッ……!」
ぼくは、喉の奥深く突いてくる早川くんのペニスを咥える。
心のなかで、ぼくらはやはりセフレなのだと、泣き出したい気持ちをこらえながら。
0
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの二人は、スキルを得た事で魔王討伐に旅立つ勇者と彼の帰還を待つだけのただの親友となる。
勇者と親友の無自覚両片想いのじれったい恋愛の物語。
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
12/10 5000❤️ありがとうございます😭
わたし5は好きな数字です💕
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
学校一のイケメンとひとつ屋根の下
おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった!
学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……?
キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子
立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。
全年齢
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる