セフレに恋をした

東雲ゆめ

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19:ケモノのSEX

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「だっておれたちはもともと、たんなるセフレだろ?」

 そのときのショックを――ぼくは忘れることができない。

 それまで少しずつ積み上げてきた大切なものが、ガラガラと音を立てて崩れ――ひび割れた地面の穴に、真っ逆さまに転げ落ちていくような絶望感。

「……もういいから――早く行こうぜ」
 早川くんは、長い足でスタスタと歩き出す。



           ☆☆


 ホテルの部屋に入るなり、床に荷物を放り投げた早川くんは、ぼくをベッドに引きずっていった。
 ベッドの横にある鏡の前に立たされ、コートとマフラーを脱がされる。
 壁に手を突き、ぼくを後ろから囲うと、
「脱げ」
 と言う。
「えっ……?」
「見ててやるから、ストリップみたいに脱いでみろよ」
「……な――なん……で……」
「してほしいんだろ?」
 ぼくの顎をつかんで持ち上げ、
「だったら――おれをその気にさせてみろ」
 ギラギラと燃える目でぼくを睨む。

「…………」

 覚悟を決めたぼくは、カーディガンのボタンを外した。
 ブラウスのボタンも外し、脱ぐ。
 ジーンズのジッパーを下ろし、膝までずり下げたところで、
「ストップ」
 早川くんは言う。
「くっそつまんねぇ」
「えっ……?」
「それじゃただ脱いでるだけだろ」
 呆れたようにドスッとベッドに腰を下ろし、
「そんなんじゃなくてもっと――イヤラシイことしてみろ」
 と命じる。

「そ――そんな――いやらしいことって……」
「……わからないのか?」
「……う……うん……」
 早川くんは、はぁ、とため息をついて立ち上がる。
「おまえもう――セフレ失格」
 
 頭から冷水をかけられたような思いに、ぼくは立ちつくしたまま動けなくなる。

「しかたねぇな」
「あっ……!?」

 くるっとひっくり返され、鏡に向かい、立たされる。

「ほら――こうするとちょっといやらしいだろ」

 ぼくのパンツをずり下げ、中からペニスをつまみ出し、

「タマも出てきたぞ。鏡で自分の姿見てみな」

 早川くんのことばに鏡を見たぼくは、「あっ……」と耳たぶまで赤くなる。

 上半身裸で、膝までジーンズを下げ、半勃ちになったペニスをパンツからピョコッとのぞかせた、恥ずかしい姿。

「こ――こんな――いや……」

「いやじゃねーだろ。チンポもうベトベトだぞ?」

 先走りの汁のしたたるペニスをしごかれ、こみあげてくる快楽にビクビクと震える。

「乳首もピンピン。どんだけ期待してんだよ」
 乳首を思いきりつまみ上げられ、「あッ!」と思わず声が出る。

「いっ、いたっ……やめて――早川く……」

「痛くされたほうが感じるんだろ、おまえは」

 ぼくの耳に口元を寄せ、

「ほら。チンポから汁が垂れて糸引いてんぞ? このドスケベ……」

 ゾクゾクッと背筋が凍るようなイケボでささやく。

「あっ……」

 鏡に映る――犬みたいに片足を上げ、プルンプルン揺れるペニスから先走りの汁を滴らせているぼく。

「ひどくされると感じるヘンタイなんだよな?」

「ち――ちがう……」

「どこがちがうんだよ――」

 イライラしながらぼくを鏡に押しつけた早川くんはカチャカチャッと制服のベルトを外し、中からつまみ出したペニスをぼくの太腿に押しつける。
 ヌチュッ、ヌチュッ、と素股みたいに太ももでペニスをこすってから、ぼくのアナルにペニスを突き立てる。
 ローションも何もなしにねじり込まれる――激しい怒張。

「うっ……! うぅっ!」

 ナマで入れられているからか、いつもより早川くんのペニスが熱い。
 立ちバックで容赦なく突き上げられ、膝裏を抱えて持ち上げられる。
 鏡に手を突いたぼくは、

「いっ、いやっ……こんなの――いやっ……」
 頭をブンブン振り、振り返って早川くんを見る。

「おまえをこんなふうにできるのは宇宙でおれだけなんだよ――」

 ――そのときの早川くんは、ぼくを見ていなかった。
 ただ、絶望の淵を覗き込んでいるような、とても苦しそうな表情をしていた。

「うっ……あぁっ……!」

 鏡に当たったぼくのペニスがひしゃげてガラスが白くボワッとけむる。


 クリスマスの夜、ぼくらが交わしたのは、ケモノのような、愛のないSEXだった。
 
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