セフレに恋をした

東雲ゆめ

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29:テレフォン〇〇X

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「おまえ――おれのこと思ってしたり――してる……?」

「……えっ――?」

「ぶっちゃけ、おれは毎日してる。3年になって寮が個室になったから、そういうことがしやすくなったのもあるけど――スマホのなかのおまえの写真見たり、ヤッてる最中のエロい顔思い出したりとかして抜いてる」
「…………」
「あ、でも、浮気はしてないからな。そこらへんはまぁ……自分で発散するというか――忍耐だな」
「…………」
「まぁ、いいたくなければいいよ。ごめん、ヘンなこと聞いて――」
「してる」
「えっ?」
「……さすがに毎日じゃないけれど、早川くんのこと考えて……ときどきオナニー……してる」

「……マジか」
 早川くんはごくりと息を呑む。

「うん……」
「どんなこと考えて、シてんの?」
「早川くんの顔――きれいな瞳を思い浮かべて――」
「うん」
「その目に見つめられながらいろんなところ触られるの想像して――ち……乳首とか、弄ったりなんかして……」
「……それから?」
「それから――早川くんのを……咥えて――ペロペロ舐めて……おっきくなったおちんちんが入ってくるのを考えながら……お尻を――」
 
 話しているうち、その部分がウズウズしてくるのを感じた。

「……やべぇ、勃ってきた……」
「ぼ――ぼくも……」
「ああ、くっそ、めっちゃ抜きてぇ……おまえ、いま、自分の部屋?」
「うん」
「ローションとか――ある?」
「あ……ある――」
 
 ぼくは、サイドテーブルの引きだしに入れている茶色い紙袋から、ピンク色のローションのボトルを取り出した。
 いつも、自分でお尻をほぐすとき、使っているものだ。

「ローション……出したよ」
「おれも――チンコ出した」
 電話の向こうで、ティッシュをガサガサ出す音がする。
「いつもしてるみたいにしてくれるか?」
「……わかった」

 通話をハンズフリーにし、スマホを脇に置く。
 ショートパンツと下着をベッドの下に落とし、下半身だけ裸になって、お尻の下にタオルを敷く。
 ベッドの端に腰かけ、M字に股を開き、指にとったローションを尻の窄まりにあてがう。

「……うっ……ンッ……」
 最初に入れるときは、やっぱり少し痛い。
 我慢して、指の第二関節まで一気に中指を入れる。
 人差し指も入れ、二本の指で前立腺を挟んでこすると、もう、「あっ、うっ、いっ……いっ……!」とエッチな声が出てしまう。

「どんな格好でしてる?」
「……ベッドに座って……下だけ脱いで、脚を大きく開いて――穴に――指入れてる……」
「指何本?」
「に……2本……」
「いつも2本?」
「ち――ちがう……」 

 ――2本だけでは、早川くんの逞しいペニスの感覚に追いつけなかった。

「も……もう1本入れるところ――」
 薬指も突き入れ、
「うっ……ゆっ……指3本でっ……早川くんのおちんちんに前立腺トントンされてるって思って――」
「おれも……」
 早川くんの息が乱れる。
「おまえんナカにチンコ入れて――ズコズコ出し入れしてるって想像しながらオナッてる」

「うっ……も――もっとっ……奥まで――ほしっ……」

 クチュッ、クチュッ、という淫らな音が漏れるソコを、自分の指で何度も何度も刺激する。
 足首が浮いて、後ろに倒れてしまいそうだ。

「音――聞こえてるぞ」
「ふっ……うッ……!」
「相変わらずエロいな、里李は――ほら、もっとおねだりするみたいにケツふってみせろ」

「うっ……うん……」
 片手を前に突き、下半身を突き出したぼくは、後ろをグチュグチュ弄りながら、お尻を左右に振った。

「やっ……もっ……恥ずかしいっ……」

 ギンギンに勃起したペニスを、からだの下にあるタオルにこすりつけ、
「おっ……おちんちん……タオルでこすって……あっ……ジンジン……してるッ……」
 夢中でオナニーする。

「いっ……いいっ……! おちんちんもっ……お尻も……よすぎて――イキそっ……ぅっ……」

「この――ドスケベ」
 早川くんの声は笑っていた。
「この半年でどんだけ成長してんだよ」

「……もっ……イくっ……」
「おれも――」
 切羽詰まった早川くんの声。
「――おまえんナカ……出すっ……ぞ――ッ……」

(あぁっ……)

 お腹のなかが、早川くんのザーメンでいっぱいに満たされる――そう妄想したぼくは、抜き取ったティッシュに精液を放った。
 早川くんもまた、イッたようで、しばらく口をきかなかった。

 下半身を丸出しにしたまま、スマホのスピーカーをオフにし、耳に当てる。

「……ありがとうな」
 早川くんの満足そうな声。
「やっぱおまえ、すごい――エロくてサイコー。目の前にいたらきっと抱き潰しちまうな」

「いいよ……」
 ぼくはいった。

「早川くんになら――なにをされてもいい……」

「……里李――」
「大好き……」
「おれも――」
 早川くんは言う。
「愛してる。ずっと、ずっとおまえだけだ」
「うん」
「里李……」
「うん?」
「会いたい」
「……ぼくも……」
「……一分でも、一秒でも早く――会って、抱きしめたい……」

 ――でもいま会ったら、ぼくらはまたこんなふうに、愛欲の海に溺れてしまうだろう。
 
「……次に会ったら、いっぱいセックスしような」
「うん……」

 サイドテーブルに手を伸ばし、そこに置いていた、去年の誕生日にもらったイルカのぬいぐるみと、今日もらったうさぎのキーチェーンを胸に抱く。

 
 そのぬくもりを早川くんの体温のように錯覚したぼくは、早川くんに気づかれぬよう、声を殺し、ほんの少しだけ――泣いた。

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