セフレに恋をした

東雲ゆめ

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30:久しぶりの再会

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エピローグ:


 少女の手を離れた風船が、雲一つない青空へとのぼっていく。
 うっかり手離してしまったそれを取り返そうと、少女がジャンプしたそのとき、横から伸びてきた大きな手が風船の紐をつかんだ。

「――はい」
 サングラス姿のその手の主が、少女に風船を差し出す。
 ぱぁっと笑顔を見せた少女は、傍らにいた母親の手をぎゅっと握ってから、「ありがとう」と言う。


 ――3月。

 流れる群衆がせわしく行き交う渋谷の駅前のオーロラビジョン。
 ビジョンのコマーシャル。

 金髪のバスケットボール選手が、試合の後、ロッカールームでユニフォームを脱ぎ私服に着替える。
 Tシャツの下から現われるシックスパッドの見事な腹筋と、クローズアップされたアンダーウェアのブランドロゴ……。

 はじめて見た、男性用下着のCMに、待ち合わせ場所の広場に立っていたぼくは釘付けになる。
 そんなぼくに、後ろからそっと近づいてくる――大きな影。

「……ねぇ、かわいいおにーさん。いまヒマ?」
 軽い口調のナンパ。

 最愛のその声に、ぼくは、「ううん」と首を大きく振る。

「――久しぶりに会う彼と待ち合わせてるから――」

「――彼ってどんなヤツなの?」

 オーロラビジョンに大映しになった、上半身裸でポーズを取る早川くんをぼくは指さす。

「あんな……人」

「へぇ――けっこう、チャラそうなヤツじゃん」

「そんなこと――ない……」
 あふれそうになる涙をこらえながら、
「見た目よりもずっと――真面目で優しい人――」
 ぼくは後ろに立っている彼――早川くんを振り返る。

 サングラスを外した早川くんは、トパーズ色の瞳でじっとぼくを見つめ、
「――里李……」
 ぼくの名を、じっくりと味わうように呼ぶ。

 駅前のイベントで配布されている風船が、ひとつ、またひとつ、と大空に吸い込まれていく。
 その光景を、ぼくは、抱きついた早川くんの大きな背中越しに見た。
 

         ☆☆☆


 バスケの全国大会で優勝した早川くんは、高校3年生の秋、プロのバスケットボール選手になった。
 モデルのようなルックスとその強さでまたたくまにスターになり、雑誌に載ったり、テレビに出演するようになった。
 
 学校帰り、本屋で早川くんの出ている雑誌を全部買った。
 バスケの専門誌だけでなく、女性向けの週刊誌まで。
 その肉体美を強調するグラビアを家で見て、それをおかずに何度もオナニーした。

 ぼくは高校3年生の夏、将棋の全国大会で準優勝した。
 あと一歩のところで優勝はできなかったけれど、見に来てくれたお父さんは「よくがんばったね」とほめてくれた。

 そしておとといの、大学の合格発表。
 ぼくは合格した。
 


「……会いたかった――」

 ――以前よく使っていた道玄坂のラブホテル。

 はじめて早川くんとセックスしたときと同じ、かび臭いベッドと、小さな冷蔵庫と、シャワーブースしかない、いちばん安い部屋。
 早川くんは「もっといいホテルにしないか」と気にしてくれたけれど、ぼくはどうしてもこの部屋で早川くんに抱かれたかった。

 古いスプリングの軋むベッドに腰かけ、手を握り、キスをする。
 差し込まれた早川くんの舌が、ずっとくすぶっていたぼくの劣情に火を灯す。
 早川くんは、ぼくのシャツのボタンを外し、はだけた前から手を入れて探り当てた乳首を、キュッとつまみあげた。

「……あッ……」
「……すげぇ、もう尖ってる、おまえの乳首――」
「……あっ、うっ……」
「キスだけでこんなに感じんのか?」

 軽くうなじを舐めてから、ぼくのシャツを脱がせ、乳首を交互に吸う。

「うっ……! ……あぁっ……!」
 唾液でベトベトになるまで、ぼくの乳首を愛撫してから、
「ん、だんだんおっきくなってきたな」
「ひっ、いっ……!」
 膨らんだ突起を、ピンッ、と指ではじく。

「好きなんだろ? こうされんの」
 両方の乳首をピンピンされ、

「うっ……んっ――すきっ……すごくっ、すきっ……!」
 ハァハァと息を荒げながら、ぼくはうなずく。

「まったく。相変わらずエロかわいいな、おまえは」
  
 頭をぽんぽんと撫でてから、ぼくのジーンズのベルトを抜き取り、
「……膝まで脱いで。チンコ見せてみな」
 と言う。

「……ふっ……う……ん――」
 腰を浮かせ、ジーンズと下着をまとめてずり下げる。

 先走りの汁を垂らしながら反り返ったペニスが、早川くんの目の前で、プルンッ、プルンッ、と物欲しそうに揺れる。
「やっ……」 
 脚を閉じようとして、
「だーめ。里李ちゃんの可愛いおちんちん、ちゃんと見せて」

 膝裏に手をかけられ、脚をぐいっと持ち上げられる。

「キンタマせりあがってきてる。野球のボールみたいだ」
「やっ……あまり見ないでっ……!」
「汁すごいぞ、里李。太腿まで垂れてきてる」
「……いっ――やっ、はずかしい……」

「ケツ穴、魚の口みたいにパクパクしてる。自分でわかるか?」
「うっ……わっ――わかる……」

 ツウッ、と蜘蛛の糸のように垂れたぼくのザーメンを、前かがみになった早川くんが舐めとる。

「……うっ、うぅっ……!?」
 そのまま、パクッとペニスを咥えられ、フェラをされ、
「……ウッ……そっ――そんなっ……!」
 とのけぞる。

「……アッ、いっ、いくっ……! もうっ……イッちゃッ……!」

 イく瞬間、ぼくは早川くんの肩をつかんで頭を外そうとした。
 だけど早川くんはぼくのモノを咥えたまま、離さなかった。

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