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52(R-18)
しおりを挟む「優しくして下さいね?」
「貴女は男を煽るのが上手い。僕以外の前で決してそんなこと言わないで下さいね」
「……エドモンドにしか言いません」
ゴクリと唾の飲み込む音が聞こえる。
彼はもう我慢ならないとばかりに手際良くわたしの服を脱がせていく。
まだ明るい時間に肌を露わにしてしまうのは抵抗があり、腕で胸を隠そうとすると、それを阻むようにして不埒に胸を揉まれる。筋張った男の手によって、淫らに形を変えられるさまを直視することが出来なくて目を閉じる。そうするとより彼に触れられる感触が生々しく思え、背中を丸めて耐えることにした。
「……今まで肌を重ねてきたというのに、どうして貴女はそんなに初心なんでしょうね」
丸まった背中のラインを揶揄うようにして、なぞられると昂揚からゾクリと肌が泡立つ。耐え消えれずに目を開けると、まだほとんど刺激を受けていない乳頭が赤く色付き、与えられるであろう快楽を期待して硬く勃ち上がっていく。
幸いなのは抱きしめられる形で触れられていることだ。だからまだきっとエドモンドはわたしの身体がどのように反応しているか見えていないはずだ。ならばこそ、この興奮をもう暫くは隠せるだろうと思っていたのに、唐突に尖った胸の先を摘まれる。
「あっ」
洩れてしまった声は甘く、この先の快楽への期待に満ちていた。慌てて手で口を抑えたがきっと彼に聞かれてしまったと思うと恥ずかしくてたまらない。
「……もう硬くなっているじゃないですか」
意地悪く耳元で囁かれる。次いで息を吹きかけられるとビクビクと身体が小刻みに震えてしまう。
「耳まで赤い。少し舐めても良いでしょうか?」
そんな淫らな質問をしないで欲しい。どう答えれば良いのか分からなくて、沈黙を選べば、彼は催促するように名前を呼ぶ。
「答えて、フィオナ。優しくしてと言ったでしょう。今日は貴女の思うがままに抱きたいんです」
切なげに名前を呼ばれるだけで心臓がドキリとする。そして、やっとの思いでこう告げることにした。
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