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王都
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しおりを挟む翌日の対象は、すでに決まっていた。
先日の討伐で、腕に浅い傷を負った第二騎士団の騎士――マーク。
「正直、こんな小さな傷……
セナさんに見せるほどでもないんですが」
そう言って笑う彼は、どこか緊張している。
「だが今回は“練習”だ。
お前の協力が必要だ」
アルバートの言葉に、マークは姿勢を正した。
「はっ。
……はる様の、お役に立てるなら」
はるは、その言葉に慌てて首を振る。
「そ、そんな……!
失敗するかもしれないし……」
「それでもです」
マークは穏やかに微笑んだ。
「俺は第二騎士団の騎士です。
守る側が、守られることを学ぶのも……悪くありません」
そのやり取りを、アルバートは静かに見守っていた。
(……大丈夫だ)
はるの隣に立ち、確かな存在として。
翌日。
魔力塔で行われる、小さくて――
けれど、この国にとって大きな一歩となる“最初の治癒”。
それは、はる自身が
“黒の力に飲まれる存在”ではなく、
“黒の力を扱おうとする存在”へ変わる、始まりでもあった。
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