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本編
699 かっこいいところ見せたいじゃんじょん
全部が全部、平等理論でいくと……。
ドロップアイテム集めと称して、魔物を大量に狩りまくっている俺。
恐らく骨の言う通り、とんでもないカルマを背負っているのだろう。
しかし、それは悪意があるかないかではなく。
個人的な倫理の問題ではないだろうか?
生物が生きていく限り、必ずそこに消費は存在する。
毎日の食事の前に、必ずいただきますと感謝の気持ちを込めること。
それが大事なのではないだろうか、基本。
まあ、あくまで個人的な見解で、他人がどう思うかはわからない。
魔物愛護団体とか、そんなものが存在していたら目の敵にされそうだ。
鼻を覆いたくなりそうな聖人の死体。
それを見つつ、そんなことを考えていると。
「プルァ」
キングさんが後ろから声をかけてきた。
何にせよお疲れ、と言っているのだろうかね。
「とりあえず、死亡も確認したし、これで一件落着かな?」
「プルァ」
うむ、と頷くキングさん。
何となく、猟奇的な視線がいつもとは違って見えた。
子供の成長を確認した父親の様な、そんな視線。
少しだけ、いや、かなり……それが嬉しく感じた。
「キングさん、ハイオークとエルフを埋葬しよう」
こっちも俺とキングさんだけでやっておく。
それにしても……。
「間に合わなかったなあ……」
もっと早くから動き出していれば、この状況を回避できたかもしれない。
そう思った。
「プルァ」
俺の呟きを聞いたキングさんが、一筆啓上。
地面に水弾で器用に描かれた文字を読む。
ヒーローは、遅れてやってくるとよく言う。
しかし、それは待つ側の話だ。
「ふむむ」
「プルァ」
ボシュボシュ。
文字は続く。
どこで、何が起きているかなんて。
そもそもわかりうるはずがない。
先手を取られるのが常である以上。
「うん」
間に合うこと……。
──それは奇跡的なことである。
「それもそうか」
「プルァ」
「回避するしない以前に、こんなことになるなんて思わなかった」
でも、少しだけ思うんだ。
聖人が言っていた一言である。
「あいつ、俺がピーちゃんを保護してることを知ってた」
「プルァ?」
「前に、C.Bファクトリーと教団が繋がって裏で何かやっているって話をオカロから聞いたんだけど」
その中に人身売買の話も存在していた。
飛空船は由緒正しい貴族だけの乗り物となる、ということ。
そのほかには陸路だとバレかねないものを飛空船に乗せる。
つまり、人であって人でない様な、そんな扱いを受ける者たちだ。
空を直線でつなぐと、全員分の食料などを大いにコストダウンできる。
まったく、つくづく腐ってやがんな、勇者を担ぎ上げる教団ってのは。
「そっからさ、ピーちゃんってこの連中にさらわれてたんじゃないかな……なんて思うんだ」
この聖人が、この場所を知っていた理由はそこにある。
つまり俺が関わらなきゃ……と、少しだけ思ったのだ。
「プルァ!」
地面に文字。
そんなこと、主には関係のないことだ。
巡り逢いの中、小さなハイオークを保護した。
そこから先の未来は、無限に枝分かれしている。
全てを予測し、全てを未然に回避するなど。
我でもできないことを、悔やんでどうする?
「……なんか、キングさんだったらできそう」
「プルァ」
できるわけがない。
我にできることは、目の前の相手に打ち勝つ。
ただ、それのみ。
答えは、単純明快にして一つしか存在しない。
「プルゥァ」
主は、未だに色々とくだらないことで悩み過ぎだ。
見ていてまどろっこしいから、さっさと結論を出せ。
図鑑のみんなは、ずっとそう思っている。
あと、ジュニアが調子こいてたからシメといた。
「結論て……なんか話変わってないか、それ……」
何となくキングさんの表情から、俺とイグニールの関係性について言っている様に感じた。
「プルァ!」
「あっ、そのことなんすね、はい」
でも、出せたら苦労しないってば!
「プルァ」
「え? さっさと告白しろって? そんなもんムードもへったくれもねえ、ダメだ!」
やっぱこう、なんかこう。
そういう雰囲気っていうか、決めたい時は決めたいって感じじゃん。
ノリでいったれとか、大学生か!
「ダメだダメだ、かっこいいところ見せたいじゃん!」
「……プルァ」
=====
最後の「プルァ」は「お前、さっきの戦いでも締まってないだろ」とか。
そんな感じです。
図鑑のみんな、それは読んでくださるみなさまのことです。
2巻収録、エリカ討伐の時から、図鑑の意見には感想での反応もちろっといれてます。
キングさんは代弁者です。
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