装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

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本編

810 説教される。

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「とりあえずこんな場所でもなんだし、どこか別の場所に移ろうじゃないか」

「ああ、はい」

 ブルーの先導のもと、裏路地を抜け出して大通りへと進出した。

「どこ行くし?」

「ん? この街でも食べ物がすごくうまいと言われる場所だ!」

「えー、ご飯もう食べちゃったし……」

 捜索する前にすでにお腹いっぱい飯とデザートを食べていたジュノーは愚痴をこぼす。

「私がまだなんだ。お金を持っていないから、しばらく何も食べれていない」

 人の姿をしていた理由は、人の街に溶け込む為の策。
 そして、肌を大きく露出した服を着ている理由は、男に奢ってもらうため。
 なんともしたたかなスライムだこと。

「お金持ってないなら料理屋さんに入っても意味ないし?」

「ふむ……」

 ジュノーの一言に立ち止まったブルーは振り返りながら言った。

「ともすれば、お前に出していただくことになるな」

「ええ……」

「とんでもなく図々しいスライムね」

「そうだな」

 イグニールの言葉に頷いておく。
 だが、良いでしょう。

「腹が減ってるなら俺が出してやるから好きに食べて良いぞ」

「本当か! さすがは王と行動を共にする人間だ!」

 気分を良くしたブルーはスキップしながら大通りを歩いていった。
 バルンバルンと揺れる胸に、道ゆく男性の視線が集中している。

「ちょっとトウジ、良いの?」

「恩を売っておく分には、安いもんだろ」

 そう、許可した理由はただそれだけに尽きる。
 キングさんをチラつかせておけば物分かり良さげなスライムだからね。
 キングさんに命令してもらって、そのまま衛星に搭乗してもらおう。

「ってことで、その案どうっすか?」

 こっそり図鑑のキングさんとやりとりをした。

《太初だのなんだの、我には一片たりとも興味はない》

「ですよね」

《しかし、それなりに頭が回るタイプのスライムは使えると見た》

「ふむふむ?」

《我が命令すればいうことを聞くのならば、一役買ってやろう》

「おおっ!」

 珍しくキングさんが乗り気である。
 基本的に戦い以外では寝てばっかりのキングさんが、なんということだ。

《奴がこの世の目や耳となれば、さらなる強者を求めることができるはずだ》

 乗り気だな、と思っていたのだけど、そういう意味で乗り気だったのか。
 そもそもダンジョンコアとの戦いが終われば、戦いの道からは遠のくだろう。
 俺の人生はそれでようやく平穏を取り戻せるわけなのだから。

 まさかとは言わないが……。
 物事が解決したらキングさんに強者を求めて駆り出されたりするのだろうか?

 い、いやだ……。
 世界は広く、まだまだ見てない場所もたくさんあるんだけど。
 俺とイグニールとの未来とか今後の話もあるわけだからなあ。

 俺の考えを知ってか知らずか、キングさんは話を続ける。

《引き分けてしまったポセイドンとの再戦もそうだが、我もさらなる力を得たい》

「さらなる力っすか」

 それ以上となれば、カードを集めて金をかけるのも必要だな。
 すなわち、スライムキング狩りである。

《そのためには戦うことが最優先事項だ。1に戦い、2に戦い、3・4も戦い、5も戦い》

 やだぁっ!

《もっとも、今は速やかにやるべきことを終わらせるべきだろう。わかっているのか、主よ?》

「わ、わかってますよ……」

《色々と寄り道も多いかと思うが、やるべきことがどれだけ残されているか考えているのか?》

「うぐぐ」

 正直言えばめっちゃ残されている。
 漫画や小説で言えば、引き伸ばしに引き伸ばしを重ねて叩かれるレベルだ。
 ダンジョンコアとの戦いは、ほぼほぼ休載に近い状況といっても良い。

《スケジュール管理を別の誰かに任せても良いのだぞ、ポチとかな》

「……いやあ」

《言葉を濁すな。さっさとことに当たれという意味を込めて、我が戦い以外で手を貸そうと言っているのだ》

「ごもっともです」

《安全対策に躍起になるあまり、ことの準備が遅れてしまえば取り返しの使いことになるかもしれないぞ?》

 俺がこうしてゆっくりと準備をしている間も、敵だって準備を重ねているわけである。
 キングさんの説教に耳を痛めながら、俺は大通りを歩く羽目になった。

「まだ装備が全部整ってないから、それが終わればすぐにです……」

《いつだ? 早くしろ》

「はいい……」

 ゴッド等級の装備フルセット人数分とか、色々と手間がかかって仕方ないのである。
 絶対に死なないような装備効果を追加したりとか、色々とやるべきことは多々ある。
 今回のスライム衛星だって、全て同時進行で行なっている状況だった。

「でもですよ、全てがうまくいけば圧倒的に速やかに終わる予定なんです」

《ならば信じよう》

「お願いします。頑張りますので」

 寝たまま勇者を送還することとか、諸々あるんだ。
 骨の元の体を取り戻すとかさ。
 できれば問題ごとは一気に全部片付けてしまいたい。
 今はそのための準備をしているんです。

 もうぜーんぶ、そこで一気に収めてしまいたいんですよ俺は。
 効率厨だと罵られても、俺は胸を張って肯定するぞ?

 クエストごとは基本的にはクエストに必要なものを全て用意して。
 受けて速攻終わらせるタイプなんで。






=====
詰まり気味になってますので、
頑張って一気に駆け抜けれるように努力します。
そして腰はリハビリ中です。
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