装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

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本編

833 超獣捜索

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「レヴィアタン……?」

「ずっと大昔からいる超獣だよ」

「超獣? 知らんワードだけど」

「竜じゃないけど、竜みたいに強いからみんなそう呼んでる」

 海の中にはでかい生き物はたくさんいる。
 海地獄とか、サンダーソールとか。
 俺の知らない強力な魔物も探せばいるだろう。
 それでも竜並みに強いって、とんでもないな。

「魚でもないし、巨大な口で海水ごとみんな丸呑みにするから、海の中でも災害扱いさ」

 その言葉を聞いて、なんとなくクジラじゃねって思った。

「長時間潜るくせに、なんで息継ぎが必要なんだろうな? 俺みたいにエラも肺ももちゃいいのに」

 クジラじゃん。
 もしくは海洋哺乳類。

「大きさはどのくらい?」

「わかんないけど100メートルくらいあるよ、多分」

 ……でかすぎる。
 シロナガスクジラの4倍くらいあるじゃないか。
 異世界クジラじゃん。

「この辺を運行してた貿易船は災難だよね。息継ぎのタイミングと重なるなんて」

 なるほど、そのくらいの巨体が海面に出る際の衝撃は計り知れない。
 クジラみたいに潮吹きしたら、キングさんの逆瀑布みたいになりそうだ。
 キングさんの逆瀑布ってのは、上に向かって水流ビーム攻撃をすること。
 まさに逆さに流れる滝って感じ。

「そいつは人間も食べるのか?」

「当たり前じゃん。漁りに来た感じ、物資がすごい少ないかったから、たぶん丸呑みされてるよ」

「丸呑みか……咀嚼したりする?」

「そんなことまで知らねーよ……たぶんしないんじゃない? だいたい丸呑みするから、あいつ」

 ならばギリギリのところで生きている可能性が湧いてきた。
 マイヤーには俺の装備、そしてアイテムをめちゃくちゃストック持ちできるカバンがある。
 アンドロイドだって預けてるし、その気になれば回復し続けるという対策も取れるのだ。

 消化されてないでくれ、とはなんともギャグチックな言葉である。
 だが、状況が状況だけにそう願うしかなかった。

「よし、シーモンク。そのレヴィアタンのところに案内してくれ」

「えっ! やだよ!」

「金が欲しいって言ってたよな? 白金貨やるから」

「やだよ! なんだよ白金貨って!」

 こいつ、白金貨しらないのか。
 金貨100枚分だぞ?

「すごい金貨なんだぞ?」

「ちなみに牛肉どれくらい食えるのそれで」

「お前が食ったこともないような最高品質の肉をたくさん食える」

 100グラム金貨1枚だとしたら、10キロ可能だ。
 貿易船漁りといっても、物資を売るところがそもそも問題だろう。
 人間相手にぼったくられてる可能性もあるんだ。

「いちいち売りに行くよりも、白金貨1枚はでかいはずだぞ」

「……うーん」

 金につられて揺れているな。
 そんな様子を見て、コレクトと水島がため息をついていた。

「それに追加して、またお前んところのポチが牛丼くれるってんなら……」

「3食やろう」

「なら……どうしよっかな……」

「え、2食でいい? 食べきれない?」

「なんで減らすんだよ! この交渉は一応俺がされてる側じゃないのか!」

「あんまり時間かけたくない。なら牛丼3食渡すから白金貨はいらないね?」

「わかった! 案内する! でも、やばくなったら逃げるからな?」

「いいぞ」

「いや……逃げるの無理だな、俺も守ってくれよ」

「いいぞ」

 戦いになれば、それなりの規模の波が発生するだろう。
 さすがにその状況で放置する気は無い。
 上空に避難してもらう。

「で、どう探すんだ? 俺にも何か手伝えることはある?」

「無い。今から海のみんなに聞いて場所と泳いだ方向を聞く」

「そんなことできるんだ?」

「すごく下に見てるけどさ、ポセイドンだって呼べるんだぞ……」

 海の中に暮らす生き物すべてと、種族関係なく意思疎通。
 さらには、海中に残った思考の読み取りなど、それがシーモンクの能力のようだ。

「伊達に海の魔術師とは呼ばれてないぜ」

「屁理屈ばっかり言って、海の文句野郎って言われてなかった?」

「いちいちうるさいよ!」

 そう言いながら、シーモンクはワシタカくんの上から海に飛び込む。

「海の者たちよ、俺に色々と教えておくれー!」



=====
「……レヴィアタンの思考を直接読めば先回りできるのでは?」
「やだよ。なんか察知されてこっちに来たら怖いじゃん」
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