平凡な男娼は厳つい軍人に恋をする

朏猫(ミカヅキネコ)

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本編

13 中佐のほうが変態かもしれません

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「や、ぁ……っ!」
「っく、はは、いまのは、危なかった」
「や、やだぁ、も、イケ、な……ひ、ひぃ……っ!」
「それは、嘘だな……くっ、ほら、また、締まった」
「やァん! おく、おく、も、や、あぁぁァァッ!」

 向かい合うように抱き合っている中佐の大きな手が僕の腰を掴み直した。そうして逸物をガツン! と奥深くに押し込んでくる。
 久しぶりにアララギ中佐しか届かない奥深くを抉られて、何度も目の前がチカチカした。いまだって激しい快感に耐えるため、中佐の肩に爪を立てながらヒィヒィ泣いている状態だ。

「……あぁ、やっぱり可愛いな」

 中佐の低くていやらしい声が聞こえた瞬間、後ろをギュウウッと締めてしまった。僕から誘ったのに、あっという間に中佐が主導権を握ってしまっている。
 中佐が僕を好きだと知り、僕も好きだと告げたところで我慢できなくなった僕は、なだれ込むように中佐をベッドに押し倒した。中佐もギラギラした目で僕を見ていることに気づいて、ますます興奮した。
 僕はすぐさま中佐の服を剥ぎ取った。同時に自分も服を脱ぎながら、すでにいきり勃っている逸物にしゃぶりついた。本当はそのまま一度飲みたかったけど「早く挿れたい」という中佐の言葉に潤滑油でほぐすのもそこそこに騎乗位で迎え入れた。
 二人とも興奮していたからか、あっという間に昇り詰めた。ドクドクと脈打つ逸物にうっとりしながら、すぐさま後背位に移った。そのまま背面座位になり、正常位になり、気がつけば対面座位になっている。
 僕自身、もう何度イッたのかわからない。中佐も抜かずの何発目なんだろう。でも、ナカを押し広げている逸物はガチガチで元気なままだ。グチュグチュと大きな音も聞こえるし、立派すぎる逸物が僕のナカをずっと擦っているのがたまらなく気持ちいい。

(すごく、気持ち、いい……けどッ! もぅ、つらい……ッ)

 イキすぎてもつらいということを、僕は初めて知った。こんなに連続でイッたのも初めてだ。
 イキすぎた僕の性器は半勃ち状態で、揺すられるたびに中佐と僕のお腹の間でペチペチと情けない音を立てている。そのたびによくわからない液体が飛び散って、お腹や胸が濡れるのがわかった。後ろはずっと熱いままで、ちょっと擦られるだけでビリビリした。擦られすぎてジンジンするから縁が腫れているかもしれない。
 ナカを擦られるたびにグジュ、ジュブと精液が泡立ってこぼれるのもわかった。途中からずっと漏れているようだから、僕のお尻も中佐の下生えも汚れているはずだ。それにグチャグチャになっている敷布もベトベトに汚してしまったに違いない。

(こんなの、初めてだけど……すごい、よぅ!)

 つらいのに求められているのが嬉しくて、僕のナカはますます中佐の逸物をおいしそうにしゃぶった。気持ちいいのに苦しくて、でも求められるのが嬉しくて腰もナカも止まらない。まるで快感の輪をグルグル回っているような感覚に、体も頭もおかしくなっていく。

「やァ……も、くるし、……ひうっ、あァン!」
「じゃあ、あと一回イッたら、一度休む、か」

 ズン! と突き入れられて「ヒィッ!」と悲鳴が漏れた。中佐の肩を掴んでいた腕に力が入り、胸を突き出すように仰け反る。
 すると中佐の僕の乳首をベロリと舐め上げた。たったそれだけの刺激も気持ちがよくて「ヒッ」と声が漏れてしまう。ピリッとした痛みも感じたはずなのに、その痛みでさえいまの僕には苦しいほどの快感だった。

「あぁ、俺のものだという感じがして、たしかにいいな」

 中佐のうっとりした声に、思わず自分の乳首に視線を落とした。
 そこには細くて小さな金色の輪っかが付いていて、側面にはごくごく小さい水色の碧玉が光っている。付けたばかりだからか左の乳首は真っ赤に膨らんでいて、右側よりひと回りくらい大きいようにも見えた。
 この輪っかは中佐が買って来たもので、一度騎乗位でイッて少し落ち着いたときに付けてくれたものだ。その買い物をするために小柄なあの女性に付き合ってもらったのだと聞いた。

「指輪も考えたんだが、軍人である俺は普段、指輪や装飾品を身につけない。お揃いでないのなら指輪である必要はない。それなら、ほかにツバキに似合う物をと考えて作ったんだが……付けてもいいだろうか?」

 小さな輪っかを手のひらに乗せたままそう言った中佐は、緊張しているのか眉がへにょりとしていた。

(どうしよう、可愛すぎる)

 眉尻を下げた中佐は、耳と尻尾が垂れ下がったワンコにしか見えない。あまりに可愛くて、まだ挿入はいったままの逸物を締め上げてしまったくらいだ。
 僕は頬が赤くなるのを感じながら「付けてください」と答えた。そうしてゆっくりと腰を上げて逸物を抜き、ベッド脇に常備してある薬箱を取った。箱の中から消毒薬を取り出し、綺麗な布も一緒に中佐に手渡す。

「少し痛いかもしれないが……」
「中佐がすることなら、何でも平気ですよ?」

 ニコッと笑ったら中佐がちょっと頬を染めた。それが可愛くて、キュッと締まった後ろからトロッと少し漏れてしまった。それをごまかすように「どうぞ」と胸を突き出す。
 中佐の手が消毒薬を浸した布で僕の乳首を丁寧に拭い始めた。それから小さな輪っかの留め金部分を外し、大きな指がそうっと乳首に触れるのをじっと見つめる。

(中佐の手つき、なんだかすごくエロいなぁ)

 尖りきっていた乳首はとても敏感になっていたのに、輪っかの冷たさも、ツプリと貫かれたときの痛みも不思議と平気だった。

「……痛くないか?」
「ジンジンしますけど平気です。僕、痛いことは苦手なんですけど不思議ですよね」

 もっと痛いのかと思って身構えていたから拍子抜けしたくらいだ。そう思うくらい何ともなかった。
 僕の持っている消毒薬には、ほんの少し麻酔の成分が入っている。それは受け身の男娼なら大体が用意しているもので、僕も最初の頃は腫れあがった後ろを消毒するのによく使っていた。きっとその効果が乳首の痛みを和らげてくれたんだろう。

(ううん、違う。中佐がしてくれたから平気だったんだ)

 僕はお礼の気持ちを込めて肉厚な唇に吸いついた。そのまま口を開けて中佐の舌を招き入れる。クチュクチュと音を立てながら熱心にキスをしているうちに後ろがまた疼いてきて、前も完全に勃起してしまった。キスをしながら中佐の逸物に手を伸ばしたら、中佐のモノもギンギンに元気になっていた。

「ね、気持ちいいことの続き、しませんか?」

 そうして元気になりすぎた中佐に何度も体位を変えながら挑まれて、出るものも出なくなった僕は悲鳴を上げることになった。
 対面座位になってから、中佐は輪っかの付いている左の乳首を熱心に舐めている。もちろん腰も動いていて、体のあちこちに感じる刺激に頭の中が真っ白になってきた。声は出ているけど何を言っているのか自分でもよくわからない。それなのに、不思議と中佐の声だけははっきりと聞こえた。

「これ、引っ張ったらどうなるんだろうな」

 そう言って付けたばかりの輪っかを口で咥えたかと思ったら、ほんの少しクイッと引っ張った。

「ひっ」
「腫れが引いたら輪っかごと舐めしゃぶって……もう少し引っ張ってみたい」

(え? 中佐って、そういうことが好きだったの……?)

「本当はこちらにも付けたいんだが……。さすがに痛そうだから、こっちは諦めたほうがいいか」

 そう言いながら、中佐の大きな手が僕の半勃ちの性器をユルユルと撫で回した。

「はぁ、駄目だな。いくら抱いても俺のものだと実感できないし、何を付けても可愛くなるだけでますます心配になる」
「へ? ちょ、中佐、なに、ぁ、ァッ! ちょ、待って、アッ、そんな、奥、も、入らな、からァ!」

 中佐の腰がさらに激しく動き出した。僕の腰をしっかり掴んで、これでもかと突き上げ始める。

「もっと、奥に……もっと奥まで俺を迎えて……クッ、く、ハ、は……ッ」
「ひ、ひぃ、むり、も、むりィ……ッ! や、ぁ、ぁ、あ、アッ、ひ、あ、アァァ――――ッ」

 グプゥとひどい音を立てながら、いきり勃った逸物が奥に挿入はいり込んだ。
 奥のほうをツプンと逸物が通り抜けたのは随分前だ。そのまま奥の壁をトントン突いていたのが、それよりもっと奥に挿入はいり込む。ビリビリしてゾクゾクする突き当たりを信じられないくらいの勢いで押し潰されて、頭のどこかがピカピカ点滅し始めた。
 あまりのことに口は開きっぱなしなのに、逆に目は開けられない。ぎゅうっと瞼を閉じたままどこかに思い切り爪を立ててしまったけど、中佐の肩か二の腕あたりだろうか。

(傷……ついてない、と、い……いんだけ、ど……ッ)

 中佐に傷をつけたくないと思っているのに、しがみついていないと飛んでいきそうで怖くなった。僕は必死にしがみつきながら動かされ続けた。腰が落ちるたびにフサフサした下生えがお尻に擦れるということは、それだけ逞しい逸物が奥深くに挿入はいっているということだ。

「さぁ、奥で、俺をイカせて、くれ……ッ」
「ア、ァ…………ッ、ァ……!!」

 ゴリュッ、ブチュウ。

 ナカのものすごく奥深い何かを中佐の逸物が擦って潰したような気がした。ソコは絶対に触れたらいけない場所だと思った。何かが潰れた瞬間、トロトロになっていた体がガチッと固まった。そのくらい大変なところに逸物が挿入はいってきた。
 一瞬にして固まった体は、すぐにブルブルと震えだした。それから全身の力が抜け、あれだけしがみついていた腕も中佐の肩にだらりと乗っかった状態になっている。

(すご、かった)

 イッたはずなのに、いまだに快楽の波が押し寄せてくる。小さい波や中くらいの波がやって来るたびに体が震えた。波を感じるたびに脳みそがトロトロに溶け出しているような、体がフワフワと浮いているような不思議な浮遊感を感じる。

「……孕むくらい、俺ので満たしたい……」

 中佐の低い声を聞きながら、僕は「中佐のほうが、僕よりずっと変態じゃないかなぁ」なんて呑気なことを思い、次の瞬間には真っ暗闇に落ちていた。
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