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1 僕の飼い主

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 大好きな大好きな僕の飼い主は、すごくかっこいい人だ。茶色の髪の毛に灰色っぽく見える青い目で、スラッとしていて背が高い。

「それに、すっごく綺麗なんだ」

 クスッて笑う顔を見るだけでうっとり見惚れてしまう。お風呂上がりに頬がちょっと赤いのを見てもドキドキする。

「メガネかけてるのもかっこいいんだよね」

 たまにしか見ないけど、すごく似合っていてかっよかった。何語かわからない言葉を話しているときもキリッとしていてかっこいい。いつもの低い声も、僕を「ミケ」って呼ぶときのちょっと高めの声もすごくかっこよかった。

「とにかく、ワカは全部がかっこいいんだ」

 そんなワカのことは全部大好きだけど、僕がとくに好きなのは白くて長い指だ。あの指で頭を撫でられたり顎を撫でられたりするだけでメロメロのトロトロになる。初めてあの指で撫でてもらってからというもの、僕はすっかりあの指の虜になっていた。

「それに、すごくいい匂いもするし」

 ちょっと甘くていい匂いが何なのかはわからない。でも、あの甘い匂いをクンクン嗅ぐとホワッといい気持ちになる。僕はワカの匂いに惹かれるようにトテトテと後をついて行った。大好きな白い指と甘い匂いのそばにいたくて、自分が野良猫だってことを忘れて必死に追いかけた。
 そんな僕をワカは拾ってくれた。「かわいい猫だね」って言って家に連れて帰ってくれた。
 それからの僕は、ワカがどこに行くにも後をついて回った。座っているときは膝に乗って、夜はもちろん一緒のベッドで眠る。ぴったり体をくっつけて寝ると頭や体を撫でてくれるのがすごく気持ちよくて、僕はあっという間に眠ってしまうんだ。

「ワカ、大好き」

 僕は猫だけど、飼い主になってくれたワカのことが大好きになった。好きで好きでたまらない。たまにそばにいられない時間もあるけど、ワカが帰って来るまでドアの前でずっと待つ。そうして帰ってきたワカに「ただいま」って撫でられるのが何より幸せだった。
 そんなふうに毎日ワカのことを好きだと思っていた僕は、ある日人の姿になっていた。

「耳と尻尾はあるけど、これって人だ」

 体中から毛がなくなって、手と足がぎゅんと長くなっている。

「……どうしよう」

 一番に思ったのは「ワカに捨てられたらどうしよう」だった。ワカは猫の僕が好きで拾ってくれた。それなのに人になったら嫌われるかもしれない。捨てられてしまうかもしれない。

「どうしよう、猫に戻らなくちゃ」

 でも、戻り方がわからない。どうやって人になったのかもわからないから戻り方なんてわかるはずがなかった。人の姿のままワカの部屋でオロオロしていたら、ワカが帰ってきた。

(きっと捨てられる)

 そう思って目をギュッと瞑ったけど、ワカは僕を捨てなかった。最初はびっくりして、それから耳と尻尾を見て「ミケ?」と名前を呼んでくれた。

「ワカっ」

 抱きついた僕をワカはぎゅうっと抱きしめてくれた。猫じゃなくなったのに、ちゃんと僕のことに気づいてくれた。猫のときみたいに頭を撫でてくれてホッとした。
 こうして人の姿になってしまった僕は、猫のときと同じようにワカと一緒に暮らしている。

(一緒にいられるのは嬉しいんだけど、でも……)

 最近ちょっと困ったことがある。これは猫のときにはなかったことだ。

「ほら、おいで?」

 ワカが綺麗な顔でにっこり笑った。すぐにでも抱きつきたいんだけど、両手でシャツの裾をギュッと握って立ち尽くす。すっぽんぽんの中が見えないように、裾を下に引っ張るようにギュッと握る。

(だって、猫のときと全然違うから)

 猫のときは、呼ばれて膝に乗ったら頭を撫でてくれた。顎を撫でて背中を撫でて、そうされるのが僕も大好きだった。
 でも、いまは違う。それにワカはちょっと意地悪になった。いまの格好だって意地悪だ。そばに行きたいけど恥ずかしくて近づけない。代わりに僕はぎゅうっとシャツの裾を握り締める。

「ミケ、来ないの?」
「……ううぅ」
「ほら、おいで」

 にっこり綺麗な笑顔で右手を差し出されたら、もう行くしかない。だってワカは僕の大好きな飼い主だ。そんなワカに「おいで」って言われて行かないなんてあり得ない。
 僕は中が見えないようにシャツの裾を引っ張り下ろしながら、ゆっくりと右足を踏み出した。尻尾が揺れないように、揺れると裾がめくれてしまうから下げたままで、そんなことを気にしながらワカに近づく。

「今日も可愛いね、ミケ。ふふ、尻尾がピクピクしてる」

(だって、緊張すると動くんだもん!)

 もっと短い尻尾だったらよかったのにと思うのは、こういうときだ。
 僕の尻尾は長いから、僕がどんな気持ちなのかすぐにわかってしまう。ご機嫌なときは天井に向かってピンと立ってプルプルする。怒っているときは毛が逆立ってピンとするからすぐわかる。
 いまだってユラユラ揺れっぱなしで、それをワカに見られるのが恥ずかしくてたまらなかった。だから左手で尻尾を掴んで動かないようにしたのに、ワカが「そういうのも可愛い」って笑うから慌てて尻尾を離した。

「さぁ、いつものように膝に乗って」

 ベッドに座っているワカの膝は気持ちよさそうだ。僕が猫のままだったら喜んで飛び乗ったと思う。だけどいまは人の姿で、しかもシャツしか着ていない。このまま膝に乗ったら絶対に見えてしまう。

「膝に乗るのは嫌?」
「い、嫌じゃない」

 ワカの寂しそうな声に、慌てて首を振ってから右膝をベッドに載せた。めくれてしまう裾を右手で引っ張りながら、なんとか左足もベッドに載せる。そうしてワカの膝に座ろうとしたら「可愛いお尻が丸見えだね」と言ってお尻を撫でられた。

「ひゃっ」
「お尻も尻尾も可愛い」

 そう言って、今度は尻尾の付け根をクイッて押す。それだけで「ひゃんっ」なんて大きな声が出てしまった。

「相変わらず可愛い声だね」
「やっ、そこ触っちゃ、だめ、って」
「どうして? 尻尾もプルプルしてるし、気持ちいいでしょ?」
「ちが、ぞくぞくするから、だめって、ひゃぅっ」
「ふふ、かーわいい」

 駄目だって言っているのに、ワカの綺麗な指はずっと尻尾の付け根をクイクイ押している。そうされると腰がゾクゾクして長い尻尾がブルブル震え出す。どうしてそうなるのかわからないけど、初めて触られたときからずっとそうだった。
 僕がこうなるってわかっていて、ワカは付け根をクイクイ押すんだ。にっこり笑いながら押して、「可愛いね」って囁きながらまた押した。僕はプルプルする腕で必死にワカに抱きついた。そうしないと足までガクガクしてぺしゃんこになりそうだった。

「あらら、前も大変なことになってる」
「ひゃあっ」
「あぁ、出ちゃったかな」
「やぁ! も、触ったら、だめってっ」

 いつの間にか僕のちんちんはピンと勃ち上がっていた。それをワカの綺麗な指がコスコスする。それだけでぴゅるっと出るのに、その後もワカはコスコスいじり続けた。尻尾の付け根と同じで、駄目だって言っても何回も擦るんだ。

「も、やめてぇ」
「ふふ、じゃあ次はこっちだ」
「ひゃっ!?」

 ちんちんから離れた指が、今度はお尻の中に入ってきた。くちゅくちゅ音を立てながら中を揉むように擦っている。
 僕はお尻の中をいじられるのも苦手だった。だって、そんなことをされたらすぐに気持ちよくなるんだ。お腹がゾクゾクして、またちんちんがピンとなる。そのうち指じゃ物足りなくなって、もっと大きいものを入れてほしくなる。

「そろそろ入れたい?」

 耳元でワカの熱い吐息がした。内側の毛がブルッとして、つられて尻尾もブルッと震える。そうしたらワカが少しだけ笑って指を抜いた。

「よ……っと。そのまま待ってて」

 膝から僕を下ろしたワカが、タオルの服を脱いでベッドにぽふんと仰向けになった。「さぁ、乗って」と言われて、四つん這いになりながら何とかワカのお腹に跨がる。

「シャツ、めくってくれる?」

 それは、すごく恥ずかしい。シャツをめくったら、ぐちゃぐちゃになったちんちんを見られてしまう。それでもワカに「めくって?」と言われたら、めくらないといけない気持ちになった。

「……っ」

 ゆっくりとシャツの裾を持ち上げる。ちんちんが出てきて、おへそも見えて、平べったい胸が見えるところまで引っ張り上げた。

「うんうん、絶景だ」
「……っ」
「ほら、手を下ろさないで」
「だって、恥ずかし、から」
「恥ずかしくないよ? 俺のミケはどこもかしこも可愛い」
「うぅ~……」
「ちっちゃい乳首もツンとして可愛いし、おへそもちっちゃくて可愛い。それに……」
「ひゃんっ」
「猫のときは毛だらけだったのに、人間になったらツルツルなんて可愛すぎるよね」
「ひゃうっ」

 ワカにちんちんとおへその間を撫でられて体がビクッと震えた。
 ワカはツルツルになった僕の体が好きだと言った。猫のときのフワフワも好きだけど、人間のときはツルツルがいいんだって言う。だからか、いつもツルツルのところを綺麗な指で何度も撫でる。

(僕は、ワカのキラキラのほうが好き)

 ワカのちんちんのところには、髪の毛と同じキラキラの毛が生えている。ツルツルよりもキラキラするワカのそこが僕は好きだった。
 キラキラの毛をそっと撫でて、それから大きくなっているちんちんを舐めるのが好きだ。ワカも僕に舐められるのが好きだって言ってくれる。「少しザラザラしてるのがたまらない」って言って、うっとり笑って僕の頭を撫でてくれるんだ。

(舐めるのも好きだけど、お尻に入れてもらうのも好き)

 僕はとっくに成猫になっていたけど、交尾をしたことはなかった。だからちんちんを入れたことはない。入れられたこともない。
 それなのに、初めて入れられたときから気持ちよくて大変だった。だって、ワカのちんちんはすごく気持ちいいんだ。こんなに気持ちいいなら、野良猫のときに交尾をしてみればよかったって残念に思ったくらいだ。

「ひゃぅ!?」

 交尾のことを考えていたら、お尻の穴にワカのちんちんをぎゅうっと押しつけられた。

「さ、今度は俺のこれをミケの中に入れて?」
「ま、まって、」
「大丈夫。ミケのここはすぐに柔らかくなるから」

 熱くて硬い先っぽが少しだけ中に入ろうとしている。もちろん入れるのはいいんだけど、急には無理だ。ワカのちんちんは大きいから、ゆっくりじゃないと怖いんだ。
 ゆっくりゆっくり、一番大きいところを穴に入れる。それからそーっとそーっと、太い部分を入れていく。

「……っ!」

 ゆっくり入れようとしていたのに、ワカに腰を掴まれて勢いよくドチュンと突っ込まれた。すぐに体がビクン! って跳ねてガチガチに固まる。口は大きく開いているのに、息が止まってしまったからか声も出ない。

「ミケ、可愛い」

 囁くようにそう言ったワカが、掴んだ僕の腰をズズーッと持ち上げた。そうしてもう一度ドチュン! と奥に入れる。僕はシャツの裾を握っていられなくて、気がついたらワカの腕をぎゅうぎゅうに掴んでいた。

「も、おく、やだって、言ってゆ、のにぃっ」
「嘘は駄目だよ? ほら、もっと奥にほしいって体が言ってる」
「ちが、から……っ。も、奥はむりって言って、ひぃっ」

 ドチュンと入れられて、僕のお尻はワカの上にぺたんと乗っかってしまった。すごく奥のほうがジンジンしている。少しでも動いたら変になりそうで、必死に動かないようにした。
 それなのに、ワカの綺麗な指が僕のお腹をグッと押してくるんだ。それだけで目の奥がチカチカしてくる。

「ここ、俺のでぽっこりになってる。ミケは成猫なのにちっちゃかったから、人間になってもちっちゃいままだね。おかげて、すごくえっちで最高に可愛い姿をたくさん見ることができる」

 ワカがまたぽっこりお腹をグッと押した。中に入っているちんちんを確かめるようにグッグッと押している。

「ぁ……だめ……おさな、で……」

 押されているところがゾクゾクしてきた。ちんちんが入っているところもゾクゾクする。それがどんどん大きくなって息が苦しくなってきた。

「や、だ……きちゃ、から……あ、ぁ、やだ、ぁあ、あ……っ」

 お腹の奥がゾワッとしてゾクッとした。背中がゾクゾクして、猫のままだったら全身の毛が逆立っていたはずだ。
 ワカの腕を掴んでいる僕の手もずっと震えているのに、ワカの手は止まってくれない。それどころか、今度は硬くて大きいちんちんをもっと奥に入れようとし始めた。ドチュドチュとお腹の奥を硬い先っぽで押し上げてくる。

「すっかり中だけでイケるようになっちゃって。さぁ、今度は俺の番だよ」
「やぁ! イッてる、イッてゆ、からぁ! おく、いれにゃ、でぇ!」
「くっ、は、あはは、ミケったら、可愛いなぁ。ほら、もっと奥まで、俺を感じて?」
「やらぁ! おく、ごりゅ、しちゃ、やぁ……! イッちゃ、またきちゃ、う!」
「あはは、体、ずっとビクビクしちゃってる。前もミルクがいっぱいだ」

 もう駄目だって頭を振っているのに、それでもワカは奥に入れてくる。そうされると僕のちんちんからは白いミルクがトロトロと漏れてしまうんだ。それをワカは「ミルクが漏れて可愛いね」って言う。そんなわけないのに、ワカの青色っぽい目でミルクを見られるとゾクゾクしてもっとミルクが出た。

「本当にミケは可愛いなぁ。俺の理想そのものだ。可愛くて大好きなミケ、ミケは俺のものだよ」
「ワ、カぁ」

 ワカに大好きって言ってもらえた。猫のときも嬉しかったけど、人の姿になってから言われると胸がぎゅっとしてたまらなくなる。

「僕、ワカの、だから。ワカだけの、ねこ、だから」

 僕もワカが大好きだと伝えたくて必死にそう言ったら、ワカのちんちんがもっと大きくなった。

「ひんっ!」
「危なかった。言わせる前に出してしまうところだった」
「やっ、ワカ、うごかな、でぇ」
「ねぇミケ、俺のほしい?」

 そう言ってワカがゴリゴリとお尻の奥をちんちんで擦った。そこは怖いくらい気持ちいいところで、擦られると透明なミルクがプシュッと出てしまう。

「ははっ、今夜もミルクの大放出だ。ほらミケ、ほしいって言って?」

 ワカの声に喉がひくっとした。言わなきゃ、ほしいって言わないと。

「ワカの、ミーシャのミルク、奥にいっぱい、ちょうだ、ぃ」
「よく、できました」

 綺麗な指が僕のほっぺたを撫でてくれた。嬉しい……そう思って力が抜けた途端にワカのちんちんがズボォッて奥の奥に入ってきた。そこに入ったら、僕はもう動くことも声を出すこともできない。ただガチガチになった体とチカチカする目で最後を迎えるしかなかった。

 パァン!

 何かが一気に弾けた。弾けた途端に全身が熱くなる。プシュッと白くないミルクを吐き出した僕のちんちんが、ペチペチとお腹に当たっている。僕は全身が固まるくらいの勢いでイッたのに、ワカはまだ僕の体をゴンゴン動かしていた。

「ミーシャ、もぅ、だめって! もぅイッた、イッたか、らぁ! とめてっ、とめ、とめて、よぉ! おく、イッたのっ、も、イッた、からぁ!」

 イクのが止まらない。お腹の奥がずっとゾクゾクしてブルブルする。そこをワカのちんちんにズポズポされて目が回りそうだった。

「イッてるミケ、かーわいい。ほら、俺のミルク、たっぷり飲んで?」

 ワカの声が聞こえた気がした。次の瞬間、お腹の奥のほうでドクドクするのを感じた。これはワカのミルクだ。ワカが「大好きなミケにしかあげないミルクだからね」って言っていた、あのミルク。
 僕は口で飲むのも、お腹の奥に出してもらうのも好きだ。だって、たくさん出るとそれだけ僕を好きでいてくれるんだってわかるから。
 ワカは猫じゃなくなった僕も大好きでいてくれる。猫じゃないどころか、あやかしになってしまったのに「大丈夫」って言ってくれた。猫又になった僕にも「大好きだよ」って言ってチュウしてくれた。

(ワカ、大好き)

 そう思ったら、ぎゅううってお尻に力が入ってしまった。ワカが「こら、食い締めないの」って言ったけど、どうやったら力が抜けるのかわからない。そのまま僕はいつもどおりホワホワになって、気がついたら目を閉じていた。
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