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「なるほど」
全てを聞き終わり、ミセル様が柔和に笑った。
「君のこれまでの話を聞いて、僕の護衛に君がならなくてもどうにかできる道筋は立てられそうだと思っている」
「……え?」
「あの方が犯人なんだろう?」
さすがにその名前は、さっきミセル様の耳元で小さな声で告げた。天井裏にも護衛がどこかにいるし廊下にも衛兵がいる。万が一聞こえてしまっては大問題だ。
「おそらくそうだとイグニス侍従長が話してくれただけです。私にはその理由もどう突き止めたのかも分かりません」
「ああ。それでどうしたい? 僕の婚約者のまま貴族の令嬢として学園に通い、いずれ僕と結婚する道を選ぶこともできるけど」
「それは……」
「君の死は防げるし防ぐ。どうする?」
何もなかったことにして、社交する側に? こんなひらひらしたドレスを着て高価なアクセサリーを身に着けて上品に笑って……?
「嫌です」
「僕と結婚するのが?」
「えっと……」
け、結婚?
この人とキスとかしちゃうの?
「薄ら寒いですね……」
「それは酷すぎるな」
「あ、ち、違うんです。私にとってミセル様はお守りする方です。婚約者なんかに私はなりたくない。あなたのために血を流さない存在になんて、なりたくありません」
「ふっ……前の僕になんか言われた?」
「う」
「価値感すら共有していそうだ」
「そ、うかもしれないです」
くすくすと笑う彼に、懐かしさを感じる。
彼は前回、こう言っていた。
『婚約者なんかと一緒にしてもらっては困るな。僕のために血を流すわけでも、日常的に命を危険にさらすわけでもない。どうやってそんな相手を信じられる?』
私は嬉しかった。頑張りを認めてもらえたようで。今更、そうではない道になど戻りたくない。
「君がこなしたという僕の命じた任務の話には信憑性がありすぎる。信じざるを得ない。だからといって、まだ完全に信じたわけでもないが……君の話が本当だとしたら、また一から始めるのは苦だろうな」
「いえ、当然のことです。信じてもらうために、死刑囚の息の根なら今すぐに何百人分でも止めに行きますよ。躊躇いもありません。殺し方も指示通りにします」
「それは頼もしいな」
彼があの時と同じ目をする。
部下に対する目。
自分の所有物に向ける目だ。
彼が私に手を差し出した。
私もそっと握りしめる。
「もう一度、ここへ上ってこい」
「もちろんです」
護衛の中で仕事をこなし、また上へいく。次は前よりも最短距離で。
♠
「あなたは馬鹿ですか」
「……失礼ね」
私室へとイグニスに案内されながら罵られる。
「わざわざこちら側に来る必要などない」
一度やり合っていると、少し気安くなるわね。刃を交える中で、あなたとは知った仲ですよというのが伝わったのも大きいのかもしれない。
「それは前にも聞いたわ」
「あなたの過去はさっきので分かりました。そのうえで言います。ミセル様の婚約者としてお過ごしください」
戻る気はない。
「汚れて堕ちて戻れなくなってしまう」
「それも、前に聞いたわ。既に堕ちているわよ。さっきので分かったでしょう」
「まだ、他の誰もそれは知りません。ミセル様はそんなことを気にする人はでない。引き返せるんです」
同じ人物ね。
本当にそう思う。
「次に私が殺される時には、今度こそあの刺客を自分で倒すわ。難しい依頼もじゃんじゃん回して。まだ実力が足りないわ。あの刺客との実力差は縮んでいる。それはハッキリと感じたの。せめて自分の手で相打ちにしたいわね」
「……まだあなたは、ミセル様の婚約者ですよ」
「意識のうえでは違うわ。私はこれからも、ミセル様のために血を流すのよ」
「それがあなたの生きがいですか」
……い、生きがい?
えっと?
あれ?
なんで私、生きたいんだっけ?
死んだらループするから、生きていたいのよね、私は。そう。ループしたくないから生きていたくて……。
他に理由があったような……。
「あ!」
「どうしたんですか」
私、死にたいんだった……ちゃんと死ぬために……あれ、なんで死にたいんだっけ? 別に死ぬ必要なくない?
「どうしたんですか、ナタリー様」
「いや、どうして生きているのか分からなくなって……」
「殺されていないからでしょう」
「あ、うん。そうなんだけど」
頭がぐるぐるしてきた。
「ほんとに大丈夫ですか?」
「えっと、どうかしら。ね、イグニスはどうして生きているの?」
「……少し休んだ方がよさそうですね。私が生きる理由はミセル様を守るためですよ」
あ、そうよね。
それが一番大事だったわ!
「そうだったわ。私を信じてくれたミセル様のために、戦い続ける。どんな危険な任務だってこなしてみせる。命をかけてお守りし続けるのよ」
死んだら戻るし、安い命かもしれないけど。
「休息が必要だとミセル様に進言しておきますね」
「やめて! 死にすぎておかしくなっていたのよ。私は最短距離でもっと強くならないといけないの。とにかく、徹底的にしごいてちょうだい」
「……貴族のご令嬢なのに……」
「そんなものいらないわ」
よかった。
これからも自分を見失わないようにしないと。
「こちらがあなたの部屋ですよ。客室の一つです。正式に護衛となったら、またご案内します。待合室にいるあなたのメイドのルナも呼んでまいりますね」
そうよね、そうだった。
イグニスとは違う部屋だ。
前と同じ。
「あなたと……また同じ部屋で過ごせるのかしら」
「無理でしょう。もう寝ている間の殺気を察知できるようになったんですよね」
「ええ、あなたのお陰で」
「同じ部屋で過ごす理由がありませんよ。それでは」
「ま、ままま、待って。そうすると、本当にもう一緒に寝られないの?」
立ち去ろうとするイグニスの袖をガシッと握ってしまう。
寝ている間の殺気の察知の訓練。そのために同じ部屋で過ごしていたことはさっき伝えた。私の死ぬ時期が近づけばミセル様が心配してそう促してくれるわよね?
だって、前にそうだったものね?
「……はぁ。一つ、教えて差し上げます」
「え、ええ」
「嫁入り前のお嬢様が、男と同じ部屋で寝てはいけません」
「そ、そんな……!」
憐れむような顔をしているけど、普通に同じ部屋で寝起きしていたのに。
「どうしてもとおっしゃるなら、ミセル様に交渉してください。それでは」
ああっ、腕を払われてしまったわ。
なんてこと……。ミセル様に「イグニスと寝たいの。特に理由はないけど」って? 無理無理。そんなの無理! 護衛になりたいとお願いしているのに、命の危険からイグニスに守ってほしいなんてもっと言えないし、いい理由がなさすぎる。
寂しい。もらったはずのペンデュラムも、もうどこにもない。全部、なかったことになってしまった。
まずは……信用だ。私だけが彼に親近感を抱いている。たくさん任務をこなして、もう少し距離を縮めたい。
――たとえその道が血塗られていても。
全てを聞き終わり、ミセル様が柔和に笑った。
「君のこれまでの話を聞いて、僕の護衛に君がならなくてもどうにかできる道筋は立てられそうだと思っている」
「……え?」
「あの方が犯人なんだろう?」
さすがにその名前は、さっきミセル様の耳元で小さな声で告げた。天井裏にも護衛がどこかにいるし廊下にも衛兵がいる。万が一聞こえてしまっては大問題だ。
「おそらくそうだとイグニス侍従長が話してくれただけです。私にはその理由もどう突き止めたのかも分かりません」
「ああ。それでどうしたい? 僕の婚約者のまま貴族の令嬢として学園に通い、いずれ僕と結婚する道を選ぶこともできるけど」
「それは……」
「君の死は防げるし防ぐ。どうする?」
何もなかったことにして、社交する側に? こんなひらひらしたドレスを着て高価なアクセサリーを身に着けて上品に笑って……?
「嫌です」
「僕と結婚するのが?」
「えっと……」
け、結婚?
この人とキスとかしちゃうの?
「薄ら寒いですね……」
「それは酷すぎるな」
「あ、ち、違うんです。私にとってミセル様はお守りする方です。婚約者なんかに私はなりたくない。あなたのために血を流さない存在になんて、なりたくありません」
「ふっ……前の僕になんか言われた?」
「う」
「価値感すら共有していそうだ」
「そ、うかもしれないです」
くすくすと笑う彼に、懐かしさを感じる。
彼は前回、こう言っていた。
『婚約者なんかと一緒にしてもらっては困るな。僕のために血を流すわけでも、日常的に命を危険にさらすわけでもない。どうやってそんな相手を信じられる?』
私は嬉しかった。頑張りを認めてもらえたようで。今更、そうではない道になど戻りたくない。
「君がこなしたという僕の命じた任務の話には信憑性がありすぎる。信じざるを得ない。だからといって、まだ完全に信じたわけでもないが……君の話が本当だとしたら、また一から始めるのは苦だろうな」
「いえ、当然のことです。信じてもらうために、死刑囚の息の根なら今すぐに何百人分でも止めに行きますよ。躊躇いもありません。殺し方も指示通りにします」
「それは頼もしいな」
彼があの時と同じ目をする。
部下に対する目。
自分の所有物に向ける目だ。
彼が私に手を差し出した。
私もそっと握りしめる。
「もう一度、ここへ上ってこい」
「もちろんです」
護衛の中で仕事をこなし、また上へいく。次は前よりも最短距離で。
♠
「あなたは馬鹿ですか」
「……失礼ね」
私室へとイグニスに案内されながら罵られる。
「わざわざこちら側に来る必要などない」
一度やり合っていると、少し気安くなるわね。刃を交える中で、あなたとは知った仲ですよというのが伝わったのも大きいのかもしれない。
「それは前にも聞いたわ」
「あなたの過去はさっきので分かりました。そのうえで言います。ミセル様の婚約者としてお過ごしください」
戻る気はない。
「汚れて堕ちて戻れなくなってしまう」
「それも、前に聞いたわ。既に堕ちているわよ。さっきので分かったでしょう」
「まだ、他の誰もそれは知りません。ミセル様はそんなことを気にする人はでない。引き返せるんです」
同じ人物ね。
本当にそう思う。
「次に私が殺される時には、今度こそあの刺客を自分で倒すわ。難しい依頼もじゃんじゃん回して。まだ実力が足りないわ。あの刺客との実力差は縮んでいる。それはハッキリと感じたの。せめて自分の手で相打ちにしたいわね」
「……まだあなたは、ミセル様の婚約者ですよ」
「意識のうえでは違うわ。私はこれからも、ミセル様のために血を流すのよ」
「それがあなたの生きがいですか」
……い、生きがい?
えっと?
あれ?
なんで私、生きたいんだっけ?
死んだらループするから、生きていたいのよね、私は。そう。ループしたくないから生きていたくて……。
他に理由があったような……。
「あ!」
「どうしたんですか」
私、死にたいんだった……ちゃんと死ぬために……あれ、なんで死にたいんだっけ? 別に死ぬ必要なくない?
「どうしたんですか、ナタリー様」
「いや、どうして生きているのか分からなくなって……」
「殺されていないからでしょう」
「あ、うん。そうなんだけど」
頭がぐるぐるしてきた。
「ほんとに大丈夫ですか?」
「えっと、どうかしら。ね、イグニスはどうして生きているの?」
「……少し休んだ方がよさそうですね。私が生きる理由はミセル様を守るためですよ」
あ、そうよね。
それが一番大事だったわ!
「そうだったわ。私を信じてくれたミセル様のために、戦い続ける。どんな危険な任務だってこなしてみせる。命をかけてお守りし続けるのよ」
死んだら戻るし、安い命かもしれないけど。
「休息が必要だとミセル様に進言しておきますね」
「やめて! 死にすぎておかしくなっていたのよ。私は最短距離でもっと強くならないといけないの。とにかく、徹底的にしごいてちょうだい」
「……貴族のご令嬢なのに……」
「そんなものいらないわ」
よかった。
これからも自分を見失わないようにしないと。
「こちらがあなたの部屋ですよ。客室の一つです。正式に護衛となったら、またご案内します。待合室にいるあなたのメイドのルナも呼んでまいりますね」
そうよね、そうだった。
イグニスとは違う部屋だ。
前と同じ。
「あなたと……また同じ部屋で過ごせるのかしら」
「無理でしょう。もう寝ている間の殺気を察知できるようになったんですよね」
「ええ、あなたのお陰で」
「同じ部屋で過ごす理由がありませんよ。それでは」
「ま、ままま、待って。そうすると、本当にもう一緒に寝られないの?」
立ち去ろうとするイグニスの袖をガシッと握ってしまう。
寝ている間の殺気の察知の訓練。そのために同じ部屋で過ごしていたことはさっき伝えた。私の死ぬ時期が近づけばミセル様が心配してそう促してくれるわよね?
だって、前にそうだったものね?
「……はぁ。一つ、教えて差し上げます」
「え、ええ」
「嫁入り前のお嬢様が、男と同じ部屋で寝てはいけません」
「そ、そんな……!」
憐れむような顔をしているけど、普通に同じ部屋で寝起きしていたのに。
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