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木漏れ日の願い
木漏れ日の願い・・・その4
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その頃、ホテルの駐車場ではあやねに連絡を入れるべきか一人悩んでいる倉根である。
というのも、今は夜の10時を過ぎているわけなのでこの時間に連絡をするのは少し気が引けるのと、
おそらくは、被害者の旦那と紗耶香の男女関係をあやねは知ってたのではないかと思うのと、
それから、もし、ここのホテルで何かが起きるのだとしたらあやねが何らかの忠告をしてくるのではないだろうかと思ったからである。
では、なぜに倉根はあやねに連絡を入れるのを悩んでいるのかというと答えは簡単である。
それは、朝まで自分がここにいなくてもいいのはないだろうか?というさり気ない疑問なのだが
ようは、帰ってもいいのかどうかをあやねに訊きたい、というよりあやねの許可が欲しいなのである。
という事で、このまま朝まで悩んでいるのも何なのであやねに連絡を入れてみる事にした。
「あっ、もしもし、夜分に申し訳ありません」
「どうしたの?帰りたくなったの?」
「えっ?どうして分かったんですか?じゃなくて・・・あの・・・」
「きゃははっ!で?どうしたの?」
「あっ、はい。実はですね、先程なんですが彼女がホテルに入って行ったんですよ」
「彼女?」
「あっ、はい、あの、昼に被害者宅に入って行ったあの彼女なんですけど」
「彼女、着替えていたでしょ?」
「えっ?どうして分かったんですか?」
「やっぱりね・・・」
「確かに着替えていたっていうか何ていうか・・・」
「エロい感じだったんじゃない?」
「あの・・・どうして、そこまで分かっちゃうんですか?あやねさん、もしかして近くにいるんですか?」
「いるわけないでしょ?」
「ですよね・・・ははは」
倉根は、ホテルに入って行った彼女の服装をあやねに詳しく話してみた。
「なので、ちょっとびっくりしたっていうか、でも、どうしてあんな格好に着替えたんですかね?」
「ミニスカートのこと?」
「ええ、しかも、普通のミニスカートではなくて、思いっきり短かかったんですよ?」
「ふん!女は男の玩具じゃないっつーの!」
「はい?」
「な~に旦那の事だから、今頃は鼻の下をびよ~~~んって伸ばしまくってんじゃないかしら?」
「はい?はい?あの・・・という事は、さっきホテルに入って行った彼女はやっぱり旦那さんに会いに行ったという事なのでしょうか?」
「間違いないと思うわよ」
「あの・・・それって・・・」
「ん?彼女と旦那が出来てるって?」
「ええ・・・そういう事なのでしょうか?」
「そっ!」
「そっ!って、あの、あやねさんは知ってたんですか?」
「彼女と旦那の関係?」
「はい」
「そうね~。知ってたってよりも教えられたって言った方が正解かしらね?」
「教えられたって・・・あの・・・知り合いか誰かにですか?」
「違うわよ!ほら!植木鉢のお皿が飛んで来たでしょ?あれよ!」
「はい?あの・・・それって・・・」
「あんね、亡くなった被害者の彼女がね、わざわざあたしのところまで来るっていうのはそれしかないでしょ?」
「えっ?でも、あやねさんに会いに来たのって、あの真犯人かもしれない彼女に手を出すな!みたいな感じの警告だったんじゃないんですか?」
「んなわけないでしょ?そんな単純な心配事なら、捜査の邪魔をすればいいだけなんだから、わざわざあたしに会いになんて来ないわよ」
「はあ・・・」
「亡くなった彼女はね、あたしに答えを求めたかったの」
「あの、それじゃ、あの鉢植えの皿をあやねさんに向けて飛ばしたのって、いったい?」
「どうにもならない感情・・・かしらね?」
「それって・・・」
「ん~、ちょっと説明するのが難しいけどね、うんとね、そうね~言うなれば、四方八方に地団駄を踏んでしまう状況から抜け出せない苛立ちから来る感情って言った方が分かるかな?」
「お顔が勝手に左右にぶるぶるなってます・・・」
「きゃははっ!まあ、あんたに理解するのは無理だと思うから気にしなくてもいいわよ」
「あの・・・それでですね、この後、僕はどうしたらいいんでしょうか?」
「ん?あんた、帰りたくてあたしに連絡をよこしたんじゃないの?」
「いや、あの、それはですね、あの・・・」
「まあ、あんたの妄想は間違ってないと思うから、明日、明るくならないと彼女はホテルから出て来ないと思うわよ」
「はあ、それじゃ僕は?」
「帰ってもいいんじゃない?あんたからエロく着替えた彼女を教えてもらったしさ」
「あの・・・」
「まあ、それであたしも確信が持てたしね!あんたのおかげよ!」
「はあ・・・」
「そうそう、明日にでも旦那に聞いておいた方がいいかもね?いつ海外に戻るのかって?」
「旦那さんに?」
「そうそう、その方があんたも楽でしょ?じゃないとさ、いつまで旦那を尾行したらいいのか分かんないしさ」
「あっ、はい、そうですね、分かりました。旦那さんにそれとなく聞いてみますね!」
そう言ってスマホの通話を終えた倉根は安心したらしく携帯しておいた缶コーヒーの蓋を開けた。
そんな倉根がホテルの駐車場で張り込んでいるのを知らない二人は情事の鍵を外し始めていた。
いや、この場合、貴志ひとりが、と言った方が正しいもかもしれない。
おそらく、紗耶香の方は駐車場の何処で?までは分からなくても倉根が駐車場で張り込んでいる事を予想していたのだから。
というのも、今は夜の10時を過ぎているわけなのでこの時間に連絡をするのは少し気が引けるのと、
おそらくは、被害者の旦那と紗耶香の男女関係をあやねは知ってたのではないかと思うのと、
それから、もし、ここのホテルで何かが起きるのだとしたらあやねが何らかの忠告をしてくるのではないだろうかと思ったからである。
では、なぜに倉根はあやねに連絡を入れるのを悩んでいるのかというと答えは簡単である。
それは、朝まで自分がここにいなくてもいいのはないだろうか?というさり気ない疑問なのだが
ようは、帰ってもいいのかどうかをあやねに訊きたい、というよりあやねの許可が欲しいなのである。
という事で、このまま朝まで悩んでいるのも何なのであやねに連絡を入れてみる事にした。
「あっ、もしもし、夜分に申し訳ありません」
「どうしたの?帰りたくなったの?」
「えっ?どうして分かったんですか?じゃなくて・・・あの・・・」
「きゃははっ!で?どうしたの?」
「あっ、はい。実はですね、先程なんですが彼女がホテルに入って行ったんですよ」
「彼女?」
「あっ、はい、あの、昼に被害者宅に入って行ったあの彼女なんですけど」
「彼女、着替えていたでしょ?」
「えっ?どうして分かったんですか?」
「やっぱりね・・・」
「確かに着替えていたっていうか何ていうか・・・」
「エロい感じだったんじゃない?」
「あの・・・どうして、そこまで分かっちゃうんですか?あやねさん、もしかして近くにいるんですか?」
「いるわけないでしょ?」
「ですよね・・・ははは」
倉根は、ホテルに入って行った彼女の服装をあやねに詳しく話してみた。
「なので、ちょっとびっくりしたっていうか、でも、どうしてあんな格好に着替えたんですかね?」
「ミニスカートのこと?」
「ええ、しかも、普通のミニスカートではなくて、思いっきり短かかったんですよ?」
「ふん!女は男の玩具じゃないっつーの!」
「はい?」
「な~に旦那の事だから、今頃は鼻の下をびよ~~~んって伸ばしまくってんじゃないかしら?」
「はい?はい?あの・・・という事は、さっきホテルに入って行った彼女はやっぱり旦那さんに会いに行ったという事なのでしょうか?」
「間違いないと思うわよ」
「あの・・・それって・・・」
「ん?彼女と旦那が出来てるって?」
「ええ・・・そういう事なのでしょうか?」
「そっ!」
「そっ!って、あの、あやねさんは知ってたんですか?」
「彼女と旦那の関係?」
「はい」
「そうね~。知ってたってよりも教えられたって言った方が正解かしらね?」
「教えられたって・・・あの・・・知り合いか誰かにですか?」
「違うわよ!ほら!植木鉢のお皿が飛んで来たでしょ?あれよ!」
「はい?あの・・・それって・・・」
「あんね、亡くなった被害者の彼女がね、わざわざあたしのところまで来るっていうのはそれしかないでしょ?」
「えっ?でも、あやねさんに会いに来たのって、あの真犯人かもしれない彼女に手を出すな!みたいな感じの警告だったんじゃないんですか?」
「んなわけないでしょ?そんな単純な心配事なら、捜査の邪魔をすればいいだけなんだから、わざわざあたしに会いになんて来ないわよ」
「はあ・・・」
「亡くなった彼女はね、あたしに答えを求めたかったの」
「あの、それじゃ、あの鉢植えの皿をあやねさんに向けて飛ばしたのって、いったい?」
「どうにもならない感情・・・かしらね?」
「それって・・・」
「ん~、ちょっと説明するのが難しいけどね、うんとね、そうね~言うなれば、四方八方に地団駄を踏んでしまう状況から抜け出せない苛立ちから来る感情って言った方が分かるかな?」
「お顔が勝手に左右にぶるぶるなってます・・・」
「きゃははっ!まあ、あんたに理解するのは無理だと思うから気にしなくてもいいわよ」
「あの・・・それでですね、この後、僕はどうしたらいいんでしょうか?」
「ん?あんた、帰りたくてあたしに連絡をよこしたんじゃないの?」
「いや、あの、それはですね、あの・・・」
「まあ、あんたの妄想は間違ってないと思うから、明日、明るくならないと彼女はホテルから出て来ないと思うわよ」
「はあ、それじゃ僕は?」
「帰ってもいいんじゃない?あんたからエロく着替えた彼女を教えてもらったしさ」
「あの・・・」
「まあ、それであたしも確信が持てたしね!あんたのおかげよ!」
「はあ・・・」
「そうそう、明日にでも旦那に聞いておいた方がいいかもね?いつ海外に戻るのかって?」
「旦那さんに?」
「そうそう、その方があんたも楽でしょ?じゃないとさ、いつまで旦那を尾行したらいいのか分かんないしさ」
「あっ、はい、そうですね、分かりました。旦那さんにそれとなく聞いてみますね!」
そう言ってスマホの通話を終えた倉根は安心したらしく携帯しておいた缶コーヒーの蓋を開けた。
そんな倉根がホテルの駐車場で張り込んでいるのを知らない二人は情事の鍵を外し始めていた。
いや、この場合、貴志ひとりが、と言った方が正しいもかもしれない。
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