ちょっとエッチな心霊探偵 あやね

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木漏れ日の願い

木漏れ日の願い・・・その5

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「コマさんも寝んねさんしたみたいですね!」

キッチンで夜食を作っていたワニさんがリビングに戻って来た。

「あら、ワニさん。何を作っていたの?」

「はいです!今夜はグラタンさんを作ってみたですよ!」

「ふふっ。それは楽しみね!」

「はいです!もうすぐ出来ますので、もう少しお待ち下さいです!」

ワニさんはサイドボードの引き出しを開いて可愛いタオルケットを取り出すと
ソファーで寝んねさんしているコマさんに掛けてあげた。

「でも、不思議なお二人さんですね!」

「ん?コマさんとアイリちゃん?」

「はいです!でも、そういえばくまっくまくんとカリンちゃんも時々一緒に寝んねさんしている時があったんですよね!」

「ふふっ。くまっくまくんとカリンちゃんって普段はケンカばっかりしている二人なんだけどね!ほんと、不思議よね!」

ちっちゃくて可愛い枕さんとちっちゃくて可愛いタオルケットでスヤスヤ寝んねさんしているアイリと、そのすぐ傍で夢の中に誘われたコマさんを優しい眼差しで眺めているあやね。

「ねえ!ねえ!あやねさん?」

「な~に、ワニさん?」

「女の人と旦那さんと、これからどうなるのかなって?」

「アイリちゃんが難しそうなお顔をしていたからワニさんも気になっちゃったの?」

「はいです!アイリちゃんがあんなお顔をするのって珍しいなって!」

「そうね、これがトリックとか推理とかなら答えはひとつなんだけどね」

「はいです!どれを選んでも間違ってて、どれを選んでも正しいんですよね?」

「きっとアイリちゃんは、女の人が雪子おば様と少し重なってしまったのかもしれないわね」

「雪子おば様と?」

「ええ。どれを選んでも誰かが傷ついてしまう。そして、その傷は傷つけられた人の人生の記憶に深く悲しい傷を残してしまう」

「ワニさんはよく分からないんですけどね、どうして、おじ様は雪子おば様を守ろうとしなかったのかなって?」

「おじ様が言っていたんだけどね、愛だとか恋だとかっていう感情では雪子おば様の心には触れる事なんて出来ないんだよって・・・」

「いつか、また、おじ様に会えるといいな~。あっ、ぞろそろグラタンさんが出来上がる頃になりました!」

そう言えばアイリちゃんって、雪子おば様に懐いていたんだったわね。だからなのかしら?
あやねはワニさんがキッチンの方へ歩いて行くのを眺めながらちょっぴり懐かしんでいた。

次の日、倉根は少し早めにホテルの駐車場に戻って来ていた。
まあ、昨夜の事もあるので彼女が朝早くホテルを出て来るとは思えなかったんだけど、
ちょっと確かめたかったっていうか、もし、あやねさんの言うように彼女と旦那が男女の関係なのだとしたら、もしかしたら二人そろって出てくるかもしれないって思ったんだよな。

とかなんとか思って待っていたら、もう9時になったし。
倉根が腕時計で時間を確認しながらホテルの玄関付近に視線を移すと紗耶香が姿が見えた。

あれ?彼女だけなのかな?
ホテルの玄関に姿を現した紗耶香がそのままタクシーに乗り込むのかな?と思って見ていたら、
何かを探しているらしく、駐車場の方へ向かって歩き出した。

何を探しているんだろう?と、倉根が紗耶香を見ていると不意に紗耶香と目が合ってしまった。
すると、何を思ったのか、紗耶香が倉根の方へ向かって軽く会釈をすると近づいて来てしまった。

あっ!バレた?
っていうか、あやねさんの言ってた通り、僕の存在に気が付いていたんだ!まいったな・・・。
いやいや、それよりも、僕に近づいてって・・・あの・・・この場合、僕としましてはどうしたらいいんでしょうか?

などと、倉根が一人で慌てている間に紗耶香が車のすぐ近くまで迫って来てしまっていた。
そして、運転席の倉根に向かって再度軽く会釈をしてきたので、倉根としてもこのまま会釈だけというわけにもいかないと思い、運転席のドアを開けて車の外へ出て紗耶香に挨拶をした。

「刑事さん・・・ですね?」

「ははは、やっぱり気がついていたんですね?」

「はい。確か昨日は住宅の近くだったと思いますけど?」

突然の出会いというか急接近というか、まあ、この場合の例えはどうでもいいとして、
倉根としては、先日のあやねの言葉が頭をよぎってしまうため、次の言葉が出て来ないのである。
それでも、こうなってしまったのだから仕方がないと思い、一応、自然な会話になるようにと指し障りのない言葉を選んで話そうと思ったのだが・・・。

「刑事さんがここにいるという事は、もう、彼と私の関係にも気がついているという事になるのかしら?」

「いえ、あの・・・それは・・・」

「ふふっ。別にいいんですよ。それよりも、私、彼と一緒に海外へ行こうと思っているんです」

被害者の奥様が亡くなってからまだ四十九日も過ぎていないというのに、
彼と一緒になどと、少し嬉しそうに話す彼女に正直驚きを隠せないでいる倉根であった。

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