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第百七話『騎乗 - ライディング』
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顔で手を振りながら「ごきげんよう皆さん」と通り過ぎていく奈緒子。
貴族のような振る舞いの奈緒子を気にしつつも
やっと乗れた僕は、エスメラルダの歩をゆっくりと進める。
すでに魔法使いの少女、奈緒子とは一周の差が付いている。サラはまだスタート地点にいる、というか暴れていたので、むしろマイナスくらいの位置にいる。
少年は、サラがシルバーではなくシャルロッテと呼ぶようになったことによって、気を許したのか、乗り方を教えにいったようだ。
馬と、反対方向を向いて、鐙あぶみに足をかけ、くるっと回転して乗るのが見えた。サラも基本を習得したようだ。最初、彼女は自分の超人的な身体能力を活かして、ジャンプして乗っていた。
「はい、ゆっくり、進んでください!」
と、少年に基本を習うサラ。
少年がゆっくり、シャルロッテを引きながら進む。
そして、途中から手を離す少年。
「こんな感じ?」
とゆっくりシャルロッテの歩を進めるサラ。
一定のタイミングでサラの頭も上下する。
「あ、かなりいいですね、その感じで慌てずゆっくり進んでください」
と、少年が丁寧に伝える。慌てるとまた落ちてしまうのだろう、自分の行動がめちゃくちゃ速いサラにとっては、大変だろうな、と思いながら見ていた。
「よっ!よっ!よっ!」
と、馬の歩みに合わせて声を出すサラ。コツを掴んできたようだ。やはり、運動神経が半端ない。なんでもすぐ出来るようになってしまう。
出来てしまえば楽しそうだ。
「どうだー、ジュン!!すごいだろー!!」と笑っている。
「ちゃんと前向いてください」と少年に怒られるサラ。
「す、すいません・・・」と謝るサラ。
いつものサラらしくなってきた。
僕もゆっくりと、エスメラルダの歩を進める。やっと、奈緒子と並走する。
「あ、ジュンさんかなり上手になりましたね!」
と笑顔で言う。そう、すでに二周差はついているけど。
「先に行っちゃいますね」と、奈緒子は行ってしまった。
並走できたのはわずか数秒というところだった。
そして、奈緒子は 10周まわってゴールした。
僕とサラは、五十歩百歩というところで、ゆっくりと、トラックを回っている。最初の頃のように、あっちにいったり、こっちにいったり、落ちたり、ということはなくなっていた。
そう、かなり上達していたのだ。
「到着到着!」
と奈緒子がゴールで出迎えてくれた。
可愛らしく、胸の位置で小さく拍手をしている。
「おふたりとも、初めてなのに凄いです!!」
と奈緒子は笑顔でそう言った。
「うん、ほんとに大変だったぁ」
たしかに、こんなに苦戦しているサラを見るのは初めてかもしれない。
ついに僕らは「騎乗 - ライディング」のレベル1を身につけた。
「これからは、レベル1の乗り物なら、乗ることが出来ます。例えば馬とかゾウとかです!」
「やったぁ!!」サラが心の底から喜んだ。
「ゾウ!?」僕と奈緒子が驚く。
「どんどんレベル上げて竜に乗ろう!」
サラが初志を思い出し微笑んだ。
貴族のような振る舞いの奈緒子を気にしつつも
やっと乗れた僕は、エスメラルダの歩をゆっくりと進める。
すでに魔法使いの少女、奈緒子とは一周の差が付いている。サラはまだスタート地点にいる、というか暴れていたので、むしろマイナスくらいの位置にいる。
少年は、サラがシルバーではなくシャルロッテと呼ぶようになったことによって、気を許したのか、乗り方を教えにいったようだ。
馬と、反対方向を向いて、鐙あぶみに足をかけ、くるっと回転して乗るのが見えた。サラも基本を習得したようだ。最初、彼女は自分の超人的な身体能力を活かして、ジャンプして乗っていた。
「はい、ゆっくり、進んでください!」
と、少年に基本を習うサラ。
少年がゆっくり、シャルロッテを引きながら進む。
そして、途中から手を離す少年。
「こんな感じ?」
とゆっくりシャルロッテの歩を進めるサラ。
一定のタイミングでサラの頭も上下する。
「あ、かなりいいですね、その感じで慌てずゆっくり進んでください」
と、少年が丁寧に伝える。慌てるとまた落ちてしまうのだろう、自分の行動がめちゃくちゃ速いサラにとっては、大変だろうな、と思いながら見ていた。
「よっ!よっ!よっ!」
と、馬の歩みに合わせて声を出すサラ。コツを掴んできたようだ。やはり、運動神経が半端ない。なんでもすぐ出来るようになってしまう。
出来てしまえば楽しそうだ。
「どうだー、ジュン!!すごいだろー!!」と笑っている。
「ちゃんと前向いてください」と少年に怒られるサラ。
「す、すいません・・・」と謝るサラ。
いつものサラらしくなってきた。
僕もゆっくりと、エスメラルダの歩を進める。やっと、奈緒子と並走する。
「あ、ジュンさんかなり上手になりましたね!」
と笑顔で言う。そう、すでに二周差はついているけど。
「先に行っちゃいますね」と、奈緒子は行ってしまった。
並走できたのはわずか数秒というところだった。
そして、奈緒子は 10周まわってゴールした。
僕とサラは、五十歩百歩というところで、ゆっくりと、トラックを回っている。最初の頃のように、あっちにいったり、こっちにいったり、落ちたり、ということはなくなっていた。
そう、かなり上達していたのだ。
「到着到着!」
と奈緒子がゴールで出迎えてくれた。
可愛らしく、胸の位置で小さく拍手をしている。
「おふたりとも、初めてなのに凄いです!!」
と奈緒子は笑顔でそう言った。
「うん、ほんとに大変だったぁ」
たしかに、こんなに苦戦しているサラを見るのは初めてかもしれない。
ついに僕らは「騎乗 - ライディング」のレベル1を身につけた。
「これからは、レベル1の乗り物なら、乗ることが出来ます。例えば馬とかゾウとかです!」
「やったぁ!!」サラが心の底から喜んだ。
「ゾウ!?」僕と奈緒子が驚く。
「どんどんレベル上げて竜に乗ろう!」
サラが初志を思い出し微笑んだ。
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