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081 なぜかデートすることになった話
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コランティーヌ先生の話では、ボスであるワイトに挑戦したチームはいくつかあったものの、攻略したのはオレとジゼルのチームだけだったらしい。みんなから拍手されて称えられて、オレもジゼルも満更じゃなかった。
主人公で確定したギーもワイトに挑戦まではしたが、勝てなかったらしい。
まぁ、ワイトも序盤ではなかなか強いモンスターだからね。そういうこともあるだろう。
ギーがオレと同じく転生者じゃないかと疑っていたんだが、塩唐揚げにも反応しなかったし、これはシロとみていいのかもしれないな。
ダンジョン攻略の翌日からは、疲れた体を癒すためか、三連休だった。
まぁ、休日でもオレたちは朝練をするんだけどね。
「おはよう、アベル……」
「おはよう、シャルリーヌ。いい朝だね」
「そうね……」
相変わらずシャルリーヌは眠そうだ。シャルリーヌの後ろに控えているアリソンとブリジットも微笑ましそうにコックリコックリしているシャルリーヌを見ている。
そんなシャルリーヌがハッと目を覚ましたように体をピンとさせた。
「寝てない、寝てないわよ……?」
「まだ何も言ってないよ。それより、今日から三連休だけど、よければ明日とか遊びに行かないか?」
「ぇ!? そそそそれってつまり、デート!?」
シャルリーヌが目を見開いて大袈裟に驚いてみせる。もう眠気なんてどこかに飛んで行ってしまった感じだった。
「デート?」
シャルリーヌは俺の婚約者だし、婚約者と一緒に出掛けるのだからデートといっても過言じゃないか。
オレとしてはここにいるみんなで王都観光にでも行くつもりだったけど、デートなら二人っきりの方がいいよな?
「じゃあ、デートにしよう」
「いいいいいいきなり言われても困るわよ! 女の子はいろいろ準備が大変なんだから!」
「そうなの? じゃあ、やめとく?」
「やめないけど! そんな簡単に諦めないでよ!」
「えー……」
もうどっちなんだよ? これが女心と秋の空ってやつか?
「服はどうしましょう? これから商人を呼ぶ? でも、縫製が間に合うわけないわよね。それからエステもしないと。爪も磨かないといけないし、髪も……。もー! もっと前から言ってくれれば、いろいろ準備できたのに!」
あたふたしながら指を折っているシャルリーヌの後ろでは、アリソンとブリジットが顔を見合わせて頷いていた。
「帰る!」
「え?」
「今から帰って大急ぎ準備しないと! 明日の朝、お屋敷に迎えに来てね」
それだけ言うと、シャルリーヌはアリソンとブリジットを連れて女子寮の方に走って行ってしまった。
「え? え? 朝練は……?」
オレの声は朝日に照らされたグラウンドに虚しく響いたのだった。
◇
「なんだよ、女子いねえのかよ……」
「寂しいんだな……」
女子三人が帰ってしまったので、仕方なくオレとエロワ、ポールの三人での朝練になってしまった。
ストレッチした後、しばらく模擬戦をしていると、女子寮の方から馬車が飛び出していったのが見えた。
もしかしなくても、あれがシャルリーヌたちの乗っている馬車だろうか?
どうやら本当に王都のブラシェール屋敷へと帰ってしまったらしい。これは明日ちゃんと迎えに行かないと怒られそうだなぁ。
この三連休では、王都内に限り自由行動が許されている。初めて学園の外に出られるお休みだ。きっと他の生徒たちも王都に遊びに出かけたり、自分たちの王都の屋敷に帰ったりしているだろう。
ちなみに、王都に屋敷がある貴族の大半が、法衣貴族や大貴族だ。
オレたちのような辺境の弱小貴族は、王都に屋敷を持っていないことが多い。
オレたちは年中自分の領地に引きこもっているし、王都に屋敷を持っても維持管理ができないからね。やがて手放すことになるだろう。
主人公で確定したギーもワイトに挑戦まではしたが、勝てなかったらしい。
まぁ、ワイトも序盤ではなかなか強いモンスターだからね。そういうこともあるだろう。
ギーがオレと同じく転生者じゃないかと疑っていたんだが、塩唐揚げにも反応しなかったし、これはシロとみていいのかもしれないな。
ダンジョン攻略の翌日からは、疲れた体を癒すためか、三連休だった。
まぁ、休日でもオレたちは朝練をするんだけどね。
「おはよう、アベル……」
「おはよう、シャルリーヌ。いい朝だね」
「そうね……」
相変わらずシャルリーヌは眠そうだ。シャルリーヌの後ろに控えているアリソンとブリジットも微笑ましそうにコックリコックリしているシャルリーヌを見ている。
そんなシャルリーヌがハッと目を覚ましたように体をピンとさせた。
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「まだ何も言ってないよ。それより、今日から三連休だけど、よければ明日とか遊びに行かないか?」
「ぇ!? そそそそれってつまり、デート!?」
シャルリーヌが目を見開いて大袈裟に驚いてみせる。もう眠気なんてどこかに飛んで行ってしまった感じだった。
「デート?」
シャルリーヌは俺の婚約者だし、婚約者と一緒に出掛けるのだからデートといっても過言じゃないか。
オレとしてはここにいるみんなで王都観光にでも行くつもりだったけど、デートなら二人っきりの方がいいよな?
「じゃあ、デートにしよう」
「いいいいいいきなり言われても困るわよ! 女の子はいろいろ準備が大変なんだから!」
「そうなの? じゃあ、やめとく?」
「やめないけど! そんな簡単に諦めないでよ!」
「えー……」
もうどっちなんだよ? これが女心と秋の空ってやつか?
「服はどうしましょう? これから商人を呼ぶ? でも、縫製が間に合うわけないわよね。それからエステもしないと。爪も磨かないといけないし、髪も……。もー! もっと前から言ってくれれば、いろいろ準備できたのに!」
あたふたしながら指を折っているシャルリーヌの後ろでは、アリソンとブリジットが顔を見合わせて頷いていた。
「帰る!」
「え?」
「今から帰って大急ぎ準備しないと! 明日の朝、お屋敷に迎えに来てね」
それだけ言うと、シャルリーヌはアリソンとブリジットを連れて女子寮の方に走って行ってしまった。
「え? え? 朝練は……?」
オレの声は朝日に照らされたグラウンドに虚しく響いたのだった。
◇
「なんだよ、女子いねえのかよ……」
「寂しいんだな……」
女子三人が帰ってしまったので、仕方なくオレとエロワ、ポールの三人での朝練になってしまった。
ストレッチした後、しばらく模擬戦をしていると、女子寮の方から馬車が飛び出していったのが見えた。
もしかしなくても、あれがシャルリーヌたちの乗っている馬車だろうか?
どうやら本当に王都のブラシェール屋敷へと帰ってしまったらしい。これは明日ちゃんと迎えに行かないと怒られそうだなぁ。
この三連休では、王都内に限り自由行動が許されている。初めて学園の外に出られるお休みだ。きっと他の生徒たちも王都に遊びに出かけたり、自分たちの王都の屋敷に帰ったりしているだろう。
ちなみに、王都に屋敷がある貴族の大半が、法衣貴族や大貴族だ。
オレたちのような辺境の弱小貴族は、王都に屋敷を持っていないことが多い。
オレたちは年中自分の領地に引きこもっているし、王都に屋敷を持っても維持管理ができないからね。やがて手放すことになるだろう。
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