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(3)寝かしつけ係は求婚される3
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神殿の鐘が鳴り始める。その音に反応したのか、周囲に光が戻った。ああ、よかった。真っ暗なままじゃ、移動もままならないところだったわ。いまだにうずくまったままの美形神官さまから、急いで距離をとる。
「そろそろ寝かしつけの時間なので失礼させていただきますね」
「アンバー、俺は!」
「ああ忙しい、忙しい」
子犬のような目で私を見上げてくる謎の神官さま。彼の視線の圧に耐えつつ、いつもの老神官さまに必要事項を伝える。生活必需品を受け取りにきただけなのに、どうしてこんなわけのわからない事態になっているのやら。やだやだ、早く部屋に戻らなくちゃ。
「さあ、急がないと。可愛い神子さまがお待ちだわ」
「あああああ、目の前にいる俺を無視しないでくれ!」
知らない。聞こえない。こちとら日々の職務をこなすだけで精一杯。甘酸っぱい恋の話は、よそでお願いいたします。
廊下に水たまりができる勢いで悲嘆に暮れる美形神官さまと、いぶかしげにこちらを見つめてくる老神官さまを放置し、私はその場をあとにした。
「そろそろ寝かしつけの時間なので失礼させていただきますね」
「アンバー、俺は!」
「ああ忙しい、忙しい」
子犬のような目で私を見上げてくる謎の神官さま。彼の視線の圧に耐えつつ、いつもの老神官さまに必要事項を伝える。生活必需品を受け取りにきただけなのに、どうしてこんなわけのわからない事態になっているのやら。やだやだ、早く部屋に戻らなくちゃ。
「さあ、急がないと。可愛い神子さまがお待ちだわ」
「あああああ、目の前にいる俺を無視しないでくれ!」
知らない。聞こえない。こちとら日々の職務をこなすだけで精一杯。甘酸っぱい恋の話は、よそでお願いいたします。
廊下に水たまりができる勢いで悲嘆に暮れる美形神官さまと、いぶかしげにこちらを見つめてくる老神官さまを放置し、私はその場をあとにした。
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