[異世界恋愛短編集]私のせいではありません。諦めて、本音トークごと私を受け入れてください

石河 翠

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4.「ずるい」と「うらやましい」の違いがわからない異母妹を教育した結果、世界に平和が訪れました。

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「これで、白の聖女さまと黒の聖女さまはご満足いただけたのでしょうか?」

 尋ねられたヘンリエッタは、艶やかに唇をつりあげてみせた。

「聖女さまがたが満足されたどうかなんて、興味はないけれど。まあ、大丈夫なのではないかしら。さきほどから妙にきらきらしい音楽が聞こえてくるもの。これが世に聞く祝福なのでしょう」
「また、そんな適当なことを言って」
「だって私はようやっと正解に辿り着いたのだもの。少しくらい気を抜いて適当に過ごしても良いでしょう?」
「僕を選ぶなんて、一番の大間違いのような気もしますがね」
「あなた以外、欲しいものなんてなかったのに?」

 ヘンリエッタは正しい解を求める貴族令嬢である。清濁併せのみ、虎視眈々と力をつける。けれど、それは貴族であることに誇りを持っていたからではない。政治闘争に敗れて、冤罪でお取りつぶしになった幼馴染の名誉を回復させること、それだけが彼女の望みだったのだ。

 幼い彼女にできたのは売り飛ばされる寸前の幼馴染ひとりを、侍従としてそばに残すことだけ。力が欲しいとひたすらに願った。だから、貴族として力を手に入れるために正しい解を求めたのだ。

 家族のことは嫌いではない。むしろ好きだと言ってもいい。けれど、何よりも一番大切なひとを守るためなら何だってできる。周囲の人間は、ヘンリエッタのことを異母妹さえ受け入れる愚かなお人好し、あるいは貴族としての誇りに生きた真の令嬢だと噂するけれど、ヘンリエッタの心の中は幼馴染がすべてだ。それ以上でも、それ以下でもない。

「本当に悪いひとだ」
「そんな私が好きなくせに」

 貴族としての身分を取り戻した幼馴染と結婚したばかりのヘンリエッタは、そっと傍らの夫と口づけをかわした。
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