40 / 81
S(藍野視点
獲物
しおりを挟む
組織の一部として働いていくうちに、元々誰かに命令されたりするのが苦手だった俺は独立を考えるようになった。
キッカケは、事業再生のプロジェクトに携わる中で、中小規模のM&Aに関心を抱いたこと。M&Aがビジネスにおいてとても有益であると分かったからだ。
独立の準備の傍ら、ITスキルを武器に、M&Aのアドバイザーとして動くようになった。
そんな時、経営コンサルタント会社のホームページに、ある会社から経営立て直しの依頼が入った。
【初めてご連絡いたします。株式会社UMENO 経理部の竹林と申します。】
始め、会社名を見てもピンと来なかった。なぜなら、父が現役の頃は、表記は漢字だったからだ。
父が解雇された会社からコンサルタントを依頼されると言う皮肉。しかも、公開しているプロフィールから俺を指名してきた。
離婚していたし、父と名字が違ったから血縁者等とわからなかったのだろう。
俺は断るどころか正体を隠して傾きかけた会社へ潜入することにした。
ファミリー企業は何かとやり辛いが、誰か一人味方に付けるとプロジェクトがうまく行きやすい。
しかし、社長と常務は癖が強すぎた。
専務と副社長は肩書ばかりでほぼ無出社。
社長の妹がIT担当でいると聞いて、さもやり手の神経質そうなインテリを想像していたのだが、明日美に抱いた第一印象は―――
「私、役員でも何でもないので……」
物静かで、言われるまでじっと動かない。
此方を見てるのかも分からない、自信のなさそうな瞳。
経営者側のはずなのに、衣服も持ち物も質素で何なら社員達よりも影が薄く、吹けば何処かへ消えてしまいそうな儚さだ。
話を聞けば、なるほど、漫画のネタになりそうな現代のシンデレラだった。
何より見た目が好みだった俺は、彼女を利用しつつ、暫くの間でも、彼女の身体で楽しめないかと目論んだ。
キッカケは、事業再生のプロジェクトに携わる中で、中小規模のM&Aに関心を抱いたこと。M&Aがビジネスにおいてとても有益であると分かったからだ。
独立の準備の傍ら、ITスキルを武器に、M&Aのアドバイザーとして動くようになった。
そんな時、経営コンサルタント会社のホームページに、ある会社から経営立て直しの依頼が入った。
【初めてご連絡いたします。株式会社UMENO 経理部の竹林と申します。】
始め、会社名を見てもピンと来なかった。なぜなら、父が現役の頃は、表記は漢字だったからだ。
父が解雇された会社からコンサルタントを依頼されると言う皮肉。しかも、公開しているプロフィールから俺を指名してきた。
離婚していたし、父と名字が違ったから血縁者等とわからなかったのだろう。
俺は断るどころか正体を隠して傾きかけた会社へ潜入することにした。
ファミリー企業は何かとやり辛いが、誰か一人味方に付けるとプロジェクトがうまく行きやすい。
しかし、社長と常務は癖が強すぎた。
専務と副社長は肩書ばかりでほぼ無出社。
社長の妹がIT担当でいると聞いて、さもやり手の神経質そうなインテリを想像していたのだが、明日美に抱いた第一印象は―――
「私、役員でも何でもないので……」
物静かで、言われるまでじっと動かない。
此方を見てるのかも分からない、自信のなさそうな瞳。
経営者側のはずなのに、衣服も持ち物も質素で何なら社員達よりも影が薄く、吹けば何処かへ消えてしまいそうな儚さだ。
話を聞けば、なるほど、漫画のネタになりそうな現代のシンデレラだった。
何より見た目が好みだった俺は、彼女を利用しつつ、暫くの間でも、彼女の身体で楽しめないかと目論んだ。
11
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―
佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。
19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。
しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。
突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。
「焦らず、お前のペースで進もう」
そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。
けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。
学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。
外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。
「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」
余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。
理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。
「ゆっくり」なんて、ただの建前。
一度火がついた熱は、誰にも止められない。
兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
恋に臆病な私と恋を知らなかった御曹司の距離が、ゼロになるまで
夏目萌
恋愛
過去の恋愛が原因で、「女にだらしない男」を何よりも嫌う向坂 来海(29)。
一方、御曹司で誰にでも優しく、来る者拒まず──けれど、誰にも本気になったことのない羽柴 充輝(29)。
本来なら交わるはずのなかった二人は、ある出来事をきっかけに関わるようになる。
他の女性とは違い媚びることも期待することもない来海の態度に、充輝は次第に強く惹かれていく。
「誰にも本気にならない」はずだった彼の、一途すぎる想いに触れ、恋を信じることを避けてきた来海の心は少しずつ揺らぎ始めていき――。
不器用で焦れったくて、簡単には進まない二人の恋の行方は……。
他サイト様にも掲載中
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる