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S(藍野視点
躊躇いと快楽
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今まで出会ってきた、にわかМや自称Мの女とは違う。
俺は心理学は詳しくないけれど、梅野明日美を見ているうちに、環境から来る自己否定感が、マゾヒスティックな状況を生んでいる気がしてならなかった。
直ぐに「ごめんなさい」を口にする人間は罪悪感が常にある。
その意識から逃れる為に、苦痛や支配を受ける状況に身を置こうとするらしい。
気の毒だと思った。しかし同情以上にゾクゾクした。
「自覚のない人は多いからね。とりあえず俺と付き合ってみない?」
彼女は首を傾げていた。やはり無自覚だった。余計に仕込み甲斐がある。
「どうせ支配されるなら、困窮や肉体的苦痛とは違うものが良くない?」
サイコパスとは違うから、相手の痛みに無関心じゃない。
相性が良い相手には感じで貰いたい。
今度は明日美が小さく頷いた。
仕事を潤滑に進める駒であり、そして俺の性欲を満たすだけの女だったはずなのに、少しずつ予定が狂ってくる。
出張中、ホテルで過ごした夜。
「明日美……処女?」
恋愛経験少なそうだと感じてはいたけど、まさか初めてだとは思わなかった。初回、行為自体をソフトにすればいいとだけ考えていたから、躊躇した。
相手の事を支配したいし、依存させたいから処女は好条件だが、それにしたって俺の目論見がクズ過ぎるだろう。
明日美にアイマスクをさせておいて良かった。
戸惑う顔なんて見せられない。
声を出していいと言ったのに、まだ言葉を発しない彼女に何か言わせたかった。
「初めては、やっぱり竹林さんがいい?」
恐らく、彼女が恋をしているだろう男の名前を口にしたら、明日美の目が泳いだ。
何か言おうとして、呑み込んだその表情にイラついてしまった。
長いキスで呼吸を奪い、バスローブの紐で彼女の両手の自由を奪った。
嫉妬が躊躇いを吹き飛ばした。
裂かれる痛みは想像出来ないが、なるべく軽くしてやりたいと思ったのは、情が移ったのかもしれない。
虐げたい感情に軽く蓋をし、入念に前戯したつもりだったが、やはり彼女は痛みから喘いだ。
掠れたうめき声。
涙をためて小動物のように煌めく目。
拘束されてるのに、思わず俺を押しのけようとする細く小さな手。
まるで溺れかけているみたいだった。
そんな明日美を可愛いと思う俺はやはりS男なんだろう。辛そうな顔をしているのに、彼女の中は触手のように俺に絡みついた。
養液を搾り取られた植物のように、俺は青白い身体の上で、あっという間に果てたのだった。
俺は心理学は詳しくないけれど、梅野明日美を見ているうちに、環境から来る自己否定感が、マゾヒスティックな状況を生んでいる気がしてならなかった。
直ぐに「ごめんなさい」を口にする人間は罪悪感が常にある。
その意識から逃れる為に、苦痛や支配を受ける状況に身を置こうとするらしい。
気の毒だと思った。しかし同情以上にゾクゾクした。
「自覚のない人は多いからね。とりあえず俺と付き合ってみない?」
彼女は首を傾げていた。やはり無自覚だった。余計に仕込み甲斐がある。
「どうせ支配されるなら、困窮や肉体的苦痛とは違うものが良くない?」
サイコパスとは違うから、相手の痛みに無関心じゃない。
相性が良い相手には感じで貰いたい。
今度は明日美が小さく頷いた。
仕事を潤滑に進める駒であり、そして俺の性欲を満たすだけの女だったはずなのに、少しずつ予定が狂ってくる。
出張中、ホテルで過ごした夜。
「明日美……処女?」
恋愛経験少なそうだと感じてはいたけど、まさか初めてだとは思わなかった。初回、行為自体をソフトにすればいいとだけ考えていたから、躊躇した。
相手の事を支配したいし、依存させたいから処女は好条件だが、それにしたって俺の目論見がクズ過ぎるだろう。
明日美にアイマスクをさせておいて良かった。
戸惑う顔なんて見せられない。
声を出していいと言ったのに、まだ言葉を発しない彼女に何か言わせたかった。
「初めては、やっぱり竹林さんがいい?」
恐らく、彼女が恋をしているだろう男の名前を口にしたら、明日美の目が泳いだ。
何か言おうとして、呑み込んだその表情にイラついてしまった。
長いキスで呼吸を奪い、バスローブの紐で彼女の両手の自由を奪った。
嫉妬が躊躇いを吹き飛ばした。
裂かれる痛みは想像出来ないが、なるべく軽くしてやりたいと思ったのは、情が移ったのかもしれない。
虐げたい感情に軽く蓋をし、入念に前戯したつもりだったが、やはり彼女は痛みから喘いだ。
掠れたうめき声。
涙をためて小動物のように煌めく目。
拘束されてるのに、思わず俺を押しのけようとする細く小さな手。
まるで溺れかけているみたいだった。
そんな明日美を可愛いと思う俺はやはりS男なんだろう。辛そうな顔をしているのに、彼女の中は触手のように俺に絡みついた。
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