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追い込みと反撃
沈む船
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久しぶりに会社へ出勤した。
見合いはまだなのに結婚は確実と見なされ、継母から仕事の引き継ぎをするように言われたのだ。
次のIT担当となるのは、ミドリ営業所の所長だ。
「所長の実態は仕事してないんだから、本部の仕事と兼務したって差し支えないだろ」
と、無茶苦茶な事を言って担当を決めたのは雅夫兄さんだ。仕事が出来る責任者とはいえ、高齢だ。今更IT担当も重荷だろう。
「群馬から来て頂いて申し訳ありません」
「いいえ」
ミドリ営業所の所長は困惑した様子で座っている。
いまだにクレームの電話が絶えない事務所は落ち着かず、会議室にて引き継ぎをすることにしたのだが、
「ぶっちゃけ、引き継ぎなんてしたって同じですよね?」
所長はやる気のなさを隠さなかった。
「……それは」
なんとも言えない。
私が政略結婚をし、会社が援助を受けたとしても、今の経営陣ではいずれUMENOは潰れる。
所長は、それならいっそ大手に吸収されてしまったほうが良い、と考えているらしかった。
私もそう思う。
思うけれど、どうしようもない。
今のところ決定権は雅夫兄さんにある。
あの人が法的に権利を失うか失職しない限り、社員達は沈むと分かっている船に乗り続けるしかないのだ。
ただ、あの週刊誌の発売後に多くの社員が辞めた。
工場も、営業所も本部も合わせて数十人は下らない。それには上野さん達も含む。
社員の事を思えば、M&Aを受け入れるべきなのに。
ざっと引き継ぎを終え、自分のデスクに戻ると、「明日美さん」と竹林部長に呼ばれた。
「何でしょうか?」
「お見合いするんだって?」
見合いはまだなのに結婚は確実と見なされ、継母から仕事の引き継ぎをするように言われたのだ。
次のIT担当となるのは、ミドリ営業所の所長だ。
「所長の実態は仕事してないんだから、本部の仕事と兼務したって差し支えないだろ」
と、無茶苦茶な事を言って担当を決めたのは雅夫兄さんだ。仕事が出来る責任者とはいえ、高齢だ。今更IT担当も重荷だろう。
「群馬から来て頂いて申し訳ありません」
「いいえ」
ミドリ営業所の所長は困惑した様子で座っている。
いまだにクレームの電話が絶えない事務所は落ち着かず、会議室にて引き継ぎをすることにしたのだが、
「ぶっちゃけ、引き継ぎなんてしたって同じですよね?」
所長はやる気のなさを隠さなかった。
「……それは」
なんとも言えない。
私が政略結婚をし、会社が援助を受けたとしても、今の経営陣ではいずれUMENOは潰れる。
所長は、それならいっそ大手に吸収されてしまったほうが良い、と考えているらしかった。
私もそう思う。
思うけれど、どうしようもない。
今のところ決定権は雅夫兄さんにある。
あの人が法的に権利を失うか失職しない限り、社員達は沈むと分かっている船に乗り続けるしかないのだ。
ただ、あの週刊誌の発売後に多くの社員が辞めた。
工場も、営業所も本部も合わせて数十人は下らない。それには上野さん達も含む。
社員の事を思えば、M&Aを受け入れるべきなのに。
ざっと引き継ぎを終え、自分のデスクに戻ると、「明日美さん」と竹林部長に呼ばれた。
「何でしょうか?」
「お見合いするんだって?」
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