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SM(藍野視点Ⅱ)
変化
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これは迂闊に動けない。
仕事の成功を第一優先に考え、梅野家の前で明日美に近寄るのはやめた。
だけど、明日美の隣が竹林なのは気になっていた。役員なんだから、下座にいるのはおかしい。まるで彼女を監視してるみたいだ。
奴を含め、梅野家の人間が俺と明日美を怪しんでいるのは間違いなかった。
そうしたら、案の定だった。
「竹林部長に好きだと言われました」
翌日、彼女は正直に俺に話した。
裏があるとわかってはいても、昨夜の事を思い出しているのか、話す横顔は戸惑いつつも、嬉しそうにも見えた。
――ムカつく。
こんなに苛つくのは、きっと、二日酔いで頭が痛いせいだ。そう思いたかった。
頭痛は、中に溜め込んだモノを出してしまえば治る。
狭いのが苦手だし、本当は外でやりたいのを堪えて、車の中で彼女を辱めた。
誰かに見られたら、と恥ずかしがる姿に興奮する。
目隠しをして、表情筋から彼女の心理を推測するのも愉しい。
寝取られ願望は自覚していなかったが、自分の女に他の男が欲情する様子は見たい。
俺を思ってる女が、他の男に陵辱される様子を妄想すれば、昂りが増す。
己の惨めさと嫉妬が興奮材料になる。
それも、SとМが紙一重だと言われる由縁だと思う。
まさか、誰かに撮影されているとも思わずに、(その時は興奮状態で晒されても構わないという気分になっていた)中断し、ホテルへ行った。
はじめからホテルへ行くつもりで誘っていた俺は、アイマスクの他に結束バンドも用意していた。
SMルームに入れば他のグッズも揃うが、まだ明日美には早いと思った。
縄や蝋燭に玩具は定番だけど、ガッツリ準備すると萎えてしまうのは、きっと俺がリアリストだからだ。
SMもセックスも、日常から掛け離れると途端に安直に感じる。
矛盾しているけれど、欲しいのは精神と肉体の従事者だ。
見た目だけのSMでは満足できない。
おまけに明日美に、今まで女に抱けなかった慈しみや情が湧いてるのを自覚してしまっていた。
その証拠に、ホテルでは拘束や言葉責めはしても、痛みや苦痛を伴う行為は極力避けた。
――俺らしくない。
明日美といると、自分が変わってしまう気がする。
そんな得体の知れない不安を決定づけたのは、彼女の一言だった。
「帰りたくない」
仕事の成功を第一優先に考え、梅野家の前で明日美に近寄るのはやめた。
だけど、明日美の隣が竹林なのは気になっていた。役員なんだから、下座にいるのはおかしい。まるで彼女を監視してるみたいだ。
奴を含め、梅野家の人間が俺と明日美を怪しんでいるのは間違いなかった。
そうしたら、案の定だった。
「竹林部長に好きだと言われました」
翌日、彼女は正直に俺に話した。
裏があるとわかってはいても、昨夜の事を思い出しているのか、話す横顔は戸惑いつつも、嬉しそうにも見えた。
――ムカつく。
こんなに苛つくのは、きっと、二日酔いで頭が痛いせいだ。そう思いたかった。
頭痛は、中に溜め込んだモノを出してしまえば治る。
狭いのが苦手だし、本当は外でやりたいのを堪えて、車の中で彼女を辱めた。
誰かに見られたら、と恥ずかしがる姿に興奮する。
目隠しをして、表情筋から彼女の心理を推測するのも愉しい。
寝取られ願望は自覚していなかったが、自分の女に他の男が欲情する様子は見たい。
俺を思ってる女が、他の男に陵辱される様子を妄想すれば、昂りが増す。
己の惨めさと嫉妬が興奮材料になる。
それも、SとМが紙一重だと言われる由縁だと思う。
まさか、誰かに撮影されているとも思わずに、(その時は興奮状態で晒されても構わないという気分になっていた)中断し、ホテルへ行った。
はじめからホテルへ行くつもりで誘っていた俺は、アイマスクの他に結束バンドも用意していた。
SMルームに入れば他のグッズも揃うが、まだ明日美には早いと思った。
縄や蝋燭に玩具は定番だけど、ガッツリ準備すると萎えてしまうのは、きっと俺がリアリストだからだ。
SMもセックスも、日常から掛け離れると途端に安直に感じる。
矛盾しているけれど、欲しいのは精神と肉体の従事者だ。
見た目だけのSMでは満足できない。
おまけに明日美に、今まで女に抱けなかった慈しみや情が湧いてるのを自覚してしまっていた。
その証拠に、ホテルでは拘束や言葉責めはしても、痛みや苦痛を伴う行為は極力避けた。
――俺らしくない。
明日美といると、自分が変わってしまう気がする。
そんな得体の知れない不安を決定づけたのは、彼女の一言だった。
「帰りたくない」
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