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決意
腹の中
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―――私。
何をしようとしてる?
出来るわけないじゃない。
あの人の尻尾を掴むなんて。
だけど。
時間がない。
神城くん解任のための取締役会の招集はもうすぐだ。
私はお腹に手をやり、「無理はしないから」と、独り言を放って執務室に向かう。
「ちょっと鈴木さんどこ行ってたんですか? 海外からのクレームまだこっちに掛かってくるんですよ! 電話対応で仕事にならなかったんだから!」
何も知らないのか、それとも噂は聞いてるのか、最近やたら不機嫌な麦野さんに文句言われながら、事務処理に取り掛かる。
その傍ら、重役達の公のスケジュールを確認し、息をついて副社長のメアドにスマホからメッセージを送った。
【先ほどは失礼いたしました。秘書課の鈴木です。早速ではありますが、今後の業務に不安を抱いていますので、お手隙の際にご相談に乗って頂けませんでしょうか?】
その日夕方には副社長から返事が来た。
日中はたて込んでいるから、夜なら大丈夫、と―――。
場所もあちらが指定。
【会社近くのホテルラウンジで話そう】
私が出来ること、やってはいけないことを頭の中で反芻し、夜に臨む。
たとえ、副社長のスパイ行為の証拠を掴めなくても、神城くん一人だけを辞めさせるなんてさせない。
「待たせたね」
私より三十分ほど後にラウンジに現れた副社長は、頬を緩ませご機嫌だった。
艶々の肌に、恰幅の良い身体。
トラブル対応に追われた神城くんは、あんなに追い込まれてやつれてるのに。
ギュッと唇の端を噛んで、それから無理やり笑顔を作った。
「……いいえ。お忙しいのにありがとうございます」
「カフェでいい? 上がったらバーがあるけど」
副社長にどのくらい時間があるのか検討つかず、「お任せします」と返す。妊婦なのでバーに行っても酒は飲めないのだが。
「じゃあ上へ行こうか」
時計をチラリと見て、副社長はエレベーターに向かっていく。
どことなく周囲を警戒しているように見えるけれど、(お互い様だろうが)未だに腹の中は見えない。
何をしようとしてる?
出来るわけないじゃない。
あの人の尻尾を掴むなんて。
だけど。
時間がない。
神城くん解任のための取締役会の招集はもうすぐだ。
私はお腹に手をやり、「無理はしないから」と、独り言を放って執務室に向かう。
「ちょっと鈴木さんどこ行ってたんですか? 海外からのクレームまだこっちに掛かってくるんですよ! 電話対応で仕事にならなかったんだから!」
何も知らないのか、それとも噂は聞いてるのか、最近やたら不機嫌な麦野さんに文句言われながら、事務処理に取り掛かる。
その傍ら、重役達の公のスケジュールを確認し、息をついて副社長のメアドにスマホからメッセージを送った。
【先ほどは失礼いたしました。秘書課の鈴木です。早速ではありますが、今後の業務に不安を抱いていますので、お手隙の際にご相談に乗って頂けませんでしょうか?】
その日夕方には副社長から返事が来た。
日中はたて込んでいるから、夜なら大丈夫、と―――。
場所もあちらが指定。
【会社近くのホテルラウンジで話そう】
私が出来ること、やってはいけないことを頭の中で反芻し、夜に臨む。
たとえ、副社長のスパイ行為の証拠を掴めなくても、神城くん一人だけを辞めさせるなんてさせない。
「待たせたね」
私より三十分ほど後にラウンジに現れた副社長は、頬を緩ませご機嫌だった。
艶々の肌に、恰幅の良い身体。
トラブル対応に追われた神城くんは、あんなに追い込まれてやつれてるのに。
ギュッと唇の端を噛んで、それから無理やり笑顔を作った。
「……いいえ。お忙しいのにありがとうございます」
「カフェでいい? 上がったらバーがあるけど」
副社長にどのくらい時間があるのか検討つかず、「お任せします」と返す。妊婦なのでバーに行っても酒は飲めないのだが。
「じゃあ上へ行こうか」
時計をチラリと見て、副社長はエレベーターに向かっていく。
どことなく周囲を警戒しているように見えるけれど、(お互い様だろうが)未だに腹の中は見えない。
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